青いお皿の特別料理
川本 三郎
07−190 ★★★★☆
【青いお皿の特別料理】 川本 三郎 著 NHK出版
《食べるものの連作短篇集でもあります》
内容(「BOOK」データベースより)
喜び、悲しみ、希望、挫折、思い出、恩義、成長、反省、よい気持、楽しみ、酒、新たなる一歩…「普通」の人々の淡々とした日常のなかに浮かび上がるドラマ。読後、あなたは、小津安二郎の映画を観たあとのように、やさしい気持に包まれるにちがいない。
内容(「MARC」データベースより)
映画・文芸評論家による、酒をめぐる、食をめぐる、記憶をめぐる短編小説集。「普通」の人々の淡々とした日常の中に浮かび上がるドラマ。NHKテキスト「男の食彩」に掲載された連載に書下ろしを加えて再構成。
川本三郎さんの名前は知っているが評論家としてのものであった。しかし、よく履歴をみると翻訳などもされている。小説も出されているのだろうか。新古書店では、川本さんの本を見かけないが古本屋には必ずと言っていいほどに何冊も並んでいるのだ。玄人好みの作家なんだろう。
この本は、普通の人々の日常を書いている17の連作短篇集である。「飛行機が欠航になって」を読んで、『うーん、いいなー』と頷く私がいるのです。話は、定年退職して夫婦で旅行に出ることにしたが、函館が猛吹雪で飛行機が飛ばないので、人形町にホテルをとって、立ち喰い蕎麦屋、朝早くから開いている居酒屋、荒川に行くと言う話だけだが、奥さんが立ち喰い蕎麦、居酒屋の美味さを体験して感嘆する『男の人って、いいねー』と。
17の連作短篇集にちょっとした繋がりの人たちが出てきます。一つ一つの話が心に沁みてくるものばかりです。