図書館が面白い
紀田 順一郎
07−265 ★★★☆☆
【図書館が面白い】 紀田 順一郎 著 ちくま文庫
《図書館にささげる人たちがいた…》
内容(「BOOK」データベースより)
ゲーテ好きがこうじて「東京ゲーテ記念館」を創った粉川忠。旅先でも古本屋を駆けまわって“つまらん本”を探し出し「大宅壮一文庫」を創設した大宅壮一、などなど…。図書館が出来るまでには、さまざまな人間ドラマがある。綿密な取材をもとに、その挿話から上手な図書館の利用法まで図書館の魅力を紹介する。旧版「図書館活用百科」を全面的に書き改めて贈る図書館への招待状。
「大宅壮一文庫」「東京ゲーテ記念館」「八戸市立図書館」「日本近代文学館」
「高知市民図書館」「山梨県立図書館」「滋賀県立図書館」「天理図書館」
「日本点字図書館」「東書文庫」「東京国立近代美術館フィルムセンター」
「国立国会図書館」 12の図書館。
中でも、「東京ゲーテ記念館」の章が読んで一番ジーンと来てしまう。ゲーテに魅了された粉川忠の壮大な生き方である。ゲーテ収集に一生をささげた人の話であり、記念館でもある。平成元年に亡くなっているが、夫婦は結婚いらい、ただの一度も映画や芝居を見たことがなかったというからにしても、時間を惜しんでゲーテ収集に傾けたすさまじさがわかる。