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    百  色川 武大

    • 2007.07.30 Monday
    • 22:32
    百 (1982年)
    色川 武大
     07−197 ★★★★☆
     【百】 色川 武大 著  新潮社

     《兄弟の愛情を感じる…》

     内容(「BOOK」データベースより)
    「おやじ、死なないでくれ―、と私は念じた。彼のためでなく私のために。父親が死んだら、まちがいの集積であった私の過去がその色で決定してしまような気がする」百歳を前にして老耄のはじまった元軍人の父親と、無頼の日々を過してきた私との異様な親子関係を描いて、人生の凄味を感じさせる純文学遺作集。川端康成文学賞受賞の名作「百」ほか三編を収録する。


     「連笑」
     幼い頃、弟の手を引いて歩いた日々。
     あの頃から随分経ったが、あの幼い頃の思い出が浮かびあがるのだ。
     私小説なんだろうか、すごくいい兄弟の間合いが何ともいい味わいのある作品だ。

    「ぼくの猿 ぼくの猫」「百」 「永日」
     父という存在が及ぼす影響は、…。
     父という不思議な人物、40歳のときの子どもは何を考えていたのか。
     父と主人公の関わりが、親子関係の奇妙さが味を出している作品。

    漂流物  車谷 長吉

    • 2007.07.28 Saturday
    • 01:16
    漂流物 (新潮文庫)
    漂流物 (新潮文庫)
    車屋 長吉
     07−196 ★★★☆☆
     【漂流物】 車屋 長吉 著  新潮文庫

     《人は、所詮漂流物なのか……》

     内容(「BOOK」データベースより)
    これだけは書いてはならぬ、と血族から哀願されていたことを小説に書いた。小説の材料にした人々には犠牲の血を流させた。しかるに「私」はそれによって世の讃辞を二度まで浴びた。世間をはずれて漂い流れる、落伍者たるこの「私」が…。書くことのむごさを痛感しつつも、なお克明に、容赦なく、書かずにはいられぬことの業、そして救い。「私」の中の悪の手が紡いだ私小説、全七篇。平林たい子賞文学賞。


     やっぱり、車屋長吉は良い。ずしりずしりと迫ってくる感じだった。「漂流物」は、人間というものの恐ろし一面を書いている。短い短篇もいい。

    見えない誰かと  瀬尾 まいこ

    • 2007.07.26 Thursday
    • 21:08
    見えない誰かと
    見えない誰かと
    瀬尾 まいこ
     07−195 ★★☆☆☆
     【見えない誰かと】 瀬尾 まいこ 著  祥伝社

     《教職というところで働くということは、…》

     出版社/著者からの内容紹介より
    「以前の私は人見知りが激しく、他人と打ち解(と)けるのに とても時間がかかった。社会に出てからも、わざわざ親しくもない人と一緒に何かするくらいなら、一人でいたいというつまらない人間だった。でも、……」
    誰かとつながる。それは幸せなことだ……
    待望の初エッセイ!
    「はじまりやきっかけはめちゃくちゃであっても、いくつかの時間を一緒に過ごすと、何らかの気持ちが芽生(めば)えるんだなあって思う。(中略)気持ちが形を変えていったんだって思う。いつもいい方向に動くとは限らないけど、接した分、やっぱり何かは変わっていく」
    「私のそのときの毎日を 楽しくしてくれている人は、確実にいる」


     瀬尾さんの日常というか、学校のこと、教職のこと、家族のことが語られている。
     それは、それは大変な思いの日常だろう、それが書いてあるのだが何か胸に残ってこないのだ。小説の文面と違って、何かのったりした文章なような気がした。

    虹色にランドスケープ  熊谷 達也

    • 2007.07.25 Wednesday
    • 22:43
    虹色にランドスケープ
    虹色にランドスケープ
    熊谷 達也
     07−194 ★★★☆☆
     【虹色にランドスケープ】 熊谷 達也 著  文藝春秋

     《ライダーの友情物語……》

     内容(「BOOK」データベースより)
    別れと出会いは、いつも交互にやってくる…。どんなに愛していても別れなければならなかった恋、添い遂げられなかった愛。不器用な生き方しかできない男女7人の、光と影を描いた最新連作短編集。史上初の直木賞&山本周五郎賞ダブル受賞作家が魅せる新境地。


     春を迎え、しばらく眠らせていたバイクのエンジンに火を入れて走りだしたとたん、いつも決まって「やっほー!」と叫んでしまいます。ヘルメットのなかでは、みっともないくらい頬が弛んでいます。バイクに乗ることが生きる目的ではないけれど、バイクの世界からどうしても離れられない7人の男女の物語に、読者の皆さんに少しのあいだお付き合いいただけたら、ひとりのバイク乗りとして僕はとても幸せです。
                             熊谷達也
     (帯文より)

     人間が主役ですが、バイクで皆が繋がっている連作短篇集です。バイクを通しての物語というのはめずらしいものだと思います。ヤマハ、スズキ、BMWなどの名前も出てきます。ある意味、バイクが主役かもしれません。
     熊谷達也さんもライダーなんですね。熊谷さんと言ったら「邂逅の森」を思い浮かべますのでこうした現代的な物語に馴染むのに時間が掛かってしまいます。しかし、今回はすんなりと読めてしまいました。バイク繋がりの人情物語です、最初と最後の章が直接に繋がっていてちょっと胸にせまるものがありました。
     

    天才アラーキー 写真ノ方法  荒木 経惟

    • 2007.07.24 Tuesday
    • 22:34
    天才アラーキー 写真ノ方法 (集英社新書)
    天才アラーキー 写真ノ方法 (集英社新書)
    荒木 経惟
     07−193 ★★★☆☆
     【天才アラーキー 写真ノ方法】 荒木 経惟 著  集英社文庫

     《過去・現在・未来を一枚で見せる。(本文より)》

    Amazon.co.jp より
    写真というのは生きること。生きることの原点だと、著者は言う。写真は過去、現在、未来を1枚で見せる。一瞬のうちに消えていく時間に生を与え、それを自分の心のレンズで撮る。写真家アラーキーこと荒木経維にとって、写真とは生と死に対する愛、人生を生きることそのものなのである。
    著者は1940年東京生まれ。電通マンを経て独立し、自ら「天才写真家」と称する個性豊かな写真家であり、その作品は海外からも高く評価されている。本書は、そのアラーキーが本音で語る写真の世界への旅のガイドブックである。どのレンズを選ぶのか、「あの写真」はどのカメラで撮ったのか。身近な人や街、仏像からヌード、愛するものをどう撮るか、発表するか。その写真術のすべてを、著者は惜しげもなく明かしてくれる。「レンジファインダー」「ヘキサーの35ミリ」など専門用語も多数登場するが、欄外に細かく注釈があるので、長く写真を撮っている人にも写真をはじめたばかりの人にも役立つはずだ。

    また、撮影に興味がない人には、著者の最新作や、随所に散りばめられた写真哲学やエッセンスに触れるだけでも著者の人生観を見ることができるので、エッセイとして楽しめる。「写真を撮るっていうのは簡単に言うと人づきあい」、「去り際のタイミング、ここが憎まれるか愛されるかの分かれ道。何かいい風を残していくということが問題なの」などの言葉には、著者の人生に対する熱く優しいまなざしと人間臭さが自然と伝わってくる。(増渕正明)



     絵画など違って、写真なら誰でも映すことが出来ると思ったがとんでもない勘違いだった。写真の教室に初歩コースに通ってみたが、芸術までいかなくてもある程度のものを映すというとなると大変です。教室を出て歌舞伎座の廻りを歩いて写真を撮るのですが、やはり講師(有名な人・カメラの雑誌に出ている)の撮った写真と全然違うんです。同じものを撮っているんですけど、技術などの差はありますが、もっと深い違いがあるように感じました。

    天才アラーキーが写真の撮り方・写真の心得を教えています。写真の芸術論?を語っています。写真の撮り方の極意が出ています。
     
     「幸福の撮り方」「写真は3Pである!」「街を撮る」「レンズ、そして構図」「ポラこそ写真だ!」「アラーキーの整理術」「ポートレート論」「出すか出さないか考」「愛しのマキナ」「「日付け」芸術論」「韓国を撮る」「鑑真和上を撮る」「世紀末ノ写真」「「アラキネマ」誕生」

     さあー、どこから読みますか!

    ぼくのマンガ人生  手塚 治虫

    • 2007.07.24 Tuesday
    • 00:09
    ぼくのマンガ人生
    ぼくのマンガ人生
    手塚 治虫
     07−192 ★★★★★
     【ぼくのマンガ人生】 手塚 治虫 著  岩波新書

     《「生命の尊厳」というテーマ、…》

     内容(「BOOK」データベースより)
    ぼくのマンガは大阪大空襲と八月一五日が原点だ―子供時代、父母、先生、友人との触れあい、作品にこめた熱いメッセージを語る。マンガを読み聞かせてくれた母、作文する楽しさを教えてくれた先生、絶体絶命の苦境で助けてくれた友。彼の創作を支えたものは何か。不滅のマンガ家が遺した講演記録を編集、ハートフルな肉声がいま甦る。


     手塚治虫『ぼくのマンガ人生』を読む。
     昨夜、眠れないので手に取った本がこの本だった。ちょっと読み出したら惹き込まれてしまった。手塚さんのいくつかの講演会の記録を元に書かれているので読みやすいのだ。
     手塚さんが亡くなったのが平成元年ですから、もう少しで20年になるんですね。ここにも書いてありますが、世界・日本も良い方向に向っていないような気がします。

     私は恥ずかしいのだが手塚作品をじっくりと読んだことがない。テレビなどのアニメは見ているのだが、…。
     この本は、子どもの時から大人までのことが書いてあります。マンガを描き初めるのに親御さんの温かいものを感じます。特に母親の影響・寛大さがあり手塚治虫・マンガの神様が生まれたようです。
     手塚作品のテーマは、『生命の尊厳』をあげています。決して、上の目線でなく、市民の目線なのです。
     この本は、みんなに読んで欲しい本です。  (本を読む人々。より)

    惑星の午後に吹く風  三木 卓

    • 2007.07.22 Sunday
    • 22:46
    惑星の午後に吹く風
    三木 卓

     07−191 ★★★☆☆
     【惑星の午後に吹く風】 三木 卓 著  河出書房新社

     《近未来、人間は、人間の原点に帰るのか、…》

     内容(「BOOK」データベースより)
    死と再生の物語。こんな美しい惑星なのに何のためにあるのだうろ。ぼくたちは、この惑星をこの銀河を意志あるものが作ったという考えを持つことは出来ない。長い歴史のなかでぼくたちはそう考えるものになってしまった。そのために苦しんでいる。



     真継伸彦氏(大阪読売新聞)評
    三木卓氏が季刊「文藝」冬季号に、SF仕立ての興味ぶかい形而上学小説を一挙掲載している。人類は滅亡の危機を打開できたのであるが、成しとげたのは目下の機械文明を、月や木星などの衛星・惑星の空間にまで展開したことのみであった。人間は極度に理性化し、究極の自然である性欲のほうは、いちじるしく減退しつつある。………
    機械文明の索漠さ。それは私たちがつとに実感しているものである。しかしながら、「偶然と必然」の著者ジャック・モノーをはじめ一部の生物学者が主張しているように、細胞(生命)もまた地球上に偶然に生まれた、無限に自己増殖をつづける一種の機械にすぎず、人間もまたその細胞の、偶然の一変形でしかなかったとすればどうだろう?すると、機械文明こそが、六千億年ほどの寿命の間、同一の運動をつづけるというこの宇宙の本質の、必然的な暴露であったということになる。人間は実際、この恐るべき認識に耐えれるものだろうか。……………………   
    (帯文より)


     読み応えがある作品だった。
     近未来の世界でも人間そのものを変わっていないのか。

    青いお皿の特別料理  川本 三郎

    • 2007.07.21 Saturday
    • 19:23
    青いお皿の特別料理
    青いお皿の特別料理
    川本 三郎
     07−190 ★★★★☆
     【青いお皿の特別料理】 川本 三郎 著  NHK出版

     《食べるものの連作短篇集でもあります》

     内容(「BOOK」データベースより)
    喜び、悲しみ、希望、挫折、思い出、恩義、成長、反省、よい気持、楽しみ、酒、新たなる一歩…「普通」の人々の淡々とした日常のなかに浮かび上がるドラマ。読後、あなたは、小津安二郎の映画を観たあとのように、やさしい気持に包まれるにちがいない。

     内容(「MARC」データベースより)
    映画・文芸評論家による、酒をめぐる、食をめぐる、記憶をめぐる短編小説集。「普通」の人々の淡々とした日常の中に浮かび上がるドラマ。NHKテキスト「男の食彩」に掲載された連載に書下ろしを加えて再構成。


     川本三郎さんの名前は知っているが評論家としてのものであった。しかし、よく履歴をみると翻訳などもされている。小説も出されているのだろうか。新古書店では、川本さんの本を見かけないが古本屋には必ずと言っていいほどに何冊も並んでいるのだ。玄人好みの作家なんだろう。

     この本は、普通の人々の日常を書いている17の連作短篇集である。「飛行機が欠航になって」を読んで、『うーん、いいなー』と頷く私がいるのです。話は、定年退職して夫婦で旅行に出ることにしたが、函館が猛吹雪で飛行機が飛ばないので、人形町にホテルをとって、立ち喰い蕎麦屋、朝早くから開いている居酒屋、荒川に行くと言う話だけだが、奥さんが立ち喰い蕎麦、居酒屋の美味さを体験して感嘆する『男の人って、いいねー』と。
     17の連作短篇集にちょっとした繋がりの人たちが出てきます。一つ一つの話が心に沁みてくるものばかりです。

    絵のない絵本  アンデルセン,大畑 末吉

    • 2007.07.21 Saturday
    • 12:52
    絵のない絵本 (岩波文庫)
    アンデルセン,大畑 末吉
     07−189 ★★☆☆☆
     【絵のない絵本】 アンデルセン,大畑 末吉  岩波文庫

     《月が語りかけてくる33夜の物語…》
     
     (岩波書店より)
     ひとりぼっちで町に出てきている貧しい絵かきの若者をなぐさめに,月は毎晩やってきて,自分が空の上から見た,いろいろな国のいろいろな人に起ったできごとを,あれこれと話してくれた.それは,清らかな月の光にも似た,淡く美しい物語のかずかずであった.生涯旅を愛したアンデルセンらしいロマンティックな一冊.


     アンデルセンは生涯旅を愛したそうです。「旅することは生きることである」と言っています。世界のいろんなことを月が若者に語ってくれます。

    桃子  江國 香織,飯野 和好

    • 2007.07.21 Saturday
    • 07:45
    桃子
    桃子
    江國 香織,飯野 和好
     07−188 ★★★☆☆
     【桃子】 江國 香織作,飯野 和好絵 旬報社

     《恋の情念…》

     内容(「MARC」データベースより)
    のう、お客人。あなたも困った方だ。よっぽど好奇心が強いとみえる…。老いた僧によって語られる、寺にあずけられてきた小さな女の子、桃子と彼女の世話係の天隆の物語。「つめたいよるに」収載の短編を絵本に。


     この本を見たとき、直ぐに見た絵だと思った。絵が独特なものなのである。【草之丞の話】という本が、江國 香織作,飯野 和好絵の二人の組み合わせだった。
     この本は、寺の修行僧と寺ににあずけられてきた小さな女の子の恋を描いています。恋するということは、凄いことになります。純粋な恋の結果だからこうなってしまうのでしょうか。おかっぱ頭の桃子の表情がちょっとだけ大人に見えるのは私が男だからでしょうか。それにしても恋することはえらいことです、と思ってしまいます。 

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