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    ハヅキさんのこと  川上 弘美

    • 2007.04.30 Monday
    • 18:15
    ハヅキさんのこと
    ハヅキさんのこと
    川上 弘美
     07−120 ★★★☆☆
     【ハヅキさんのこと】 川上 弘美 著  講談社

     《日常があります、そこはどこでもある日常ですが、…》

     出版社 / 著者からの内容紹介より
    ささいな男女の機微を描く掌篇小説集。
    そこには、ささやかな日常がある。そして、男と女の心のふれあいやすれ違いがある。魅力あふれる、川上ワールドが、ふっと心をかすめる・・・。


     この人は、きっと少し前に
     本気の恋をしたんだろうな。
     なんとなく思った。
     そしてそれはもう、終わったんだろうな、とも。
    (帯文より)

     書かれかたが本当じみているものだから、作者であるわたしまで、なんだか騙されてしまう。記憶というもののありかたにそれは少しばかり似ていて、むろん本書の短篇にある虚の量は、人の記憶の中の虚の量よりずっと多いにちがいないのだけれど、虚と実のあわいにあるなんだかわからないものが知らずに現われているのが、不思議といえば不思議、当然といえば当然で、文章を書くとはなるほどそのようなものなのだったと、今さらながら合点しているところなのである。  (あとがきより)

     講演で聞いた、小説とは実ばかりではなんの面白さもなく、虚が交わってこそいきてくるのだ。その逆も同じことが言える。虚ばかりだと小説として態をなさない。
     虚と実、それが活かされている短篇集だ。

    転落  永嶋 恵美

    • 2007.04.29 Sunday
    • 20:27
    転落
    転落
    永嶋 恵美
     07ー119 ★★★☆☆
     【転落】 永嶋 恵美 著  講談社

     《善意に満ちた悪、……》

     内容(「MARC」データベースより)
    ボクの周囲の歯車が狂い始めた。ホームレスとなったボクは、小学生の女の子と出会い、その日から少しずつ、歯車が狂い始めていった…。心理サスペンスと叙述ミステリーを融合させた物語。


     「あげるよ。使う使わないはあなたの自由。でも、今のあなたにとって、中傷で職場を追われることが何を意味するか」
     わかるね、と言われた瞬間、何かが私の背中を押した。自分の意志とは無関係に手が伸び、茶色の瓶をつかんだ。ひやりとした感触に身が竦みそうだった。 (本文より)
    帯文より

     巧妙な構成の本だ。心理サスペンスと何かが含まれている作品だ。
     ホームレスと小学生の女の子との第一章と第二章との話が主人公が違ってくる。
     何だか、人間の心理をついた怖い作品だ。

    九月の恋と出会うまで  松尾 由美

    • 2007.04.28 Saturday
    • 20:36
    九月の恋と出会うまで
    九月の恋と出会うまで
    松尾 由美
     07−118 ★★★☆☆
     【九月の恋と出会うまで】 松尾 由美 著  新潮社

     《イルマーレ?的、ラブストーリー》

     松尾由美という作家はちょっと奇妙で切ない恋物語がうまい。今回も、不思議な縁で入居したアパートのエアコンの穴から聞こえる未来からのメッセージが話の始まり。探偵のまねごとをするうちに自分に降りかかった危機が回避されていく。誰かが守ってくれている。SF的でミステリー仕立て、でも温かいラブストーリーだ。(本よみうり堂書評より)

     「男はみんな奇跡を起こしたいと思ってる。好きになった女の人のために」 (帯文より)

     【雨恋】もそうだったが、序盤はもの凄くいいのだが途中からおかしくなってくる。でも、こちらの方が少しよかった。読後感もそれなり良かったのだが。
    話は、なかなか手の込んだいるのだ。マンションからして、胡散くさいな感じがする。建物がずれている。探偵のごとく尾行する。
     みんな、最後の話に持っていくためのものか、……。
     中途半端に読んでしまった、またいつの日か読もう。

    古本道場  角田 光代 ,岡崎 武志

    • 2007.04.27 Friday
    • 21:47
    古本道場
    古本道場
    角田 光代,岡崎 武志
     07−117 ★★★☆☆
     【古本道場】 角田 光代,岡崎 武志 著  ポプラ社

     《古本屋を愛する人たちの指南書です》

     内容(「MARC」データベースより)
    古本道の師匠がくりだす、6つの指令。無事、古本道をきわめられるのか? 新直木賞作家による古本入門。ポプラ社のウェブマガジン『ポプラビーチ』連載に加筆訂正し、書き下ろしを加えて単行本化。


     神保町 ■みわ書房 □呂古書房 ■キントト文庫
     代官山・渋谷 ■ユトレヒト □ハックネット代官山店 ■フライング・ブックス
     東京駅・銀座 □八重洲古書館 ■R.S.Books □ブリヂストン美術館
    ■奥村書店4丁目店 □奥村書店3丁目店 ■閑々堂
     早稲田 □古書現世 ■五十嵐書店 □平野書店 ■三楽書店 □安藤書店
         ■文英堂書店
     青山・田園調布 ■田園りぶらりあ □古書日月堂
     西荻窪 ■興居島屋 □ハートランド ■音羽館
     鎌倉  □芸林荘 ■木犀堂 □鎌倉キネマ堂 ■游古洞 □四季書林
     神保町 ■東京古書会館

     角田さんが道場主・岡崎武志さんの指令を受けて、古本屋を巡ります。
     角田さんのエッセイと道場主・岡崎武志さんとの会話が楽しい。
     古本屋の雰囲気と古本の数々が紹介されている。
    角田さんが実際に買われる本に興味があります。
     古本屋には、なかなか入れないのですが、一度入れば居心地はいいですよ。

    私が住んでいる西荻窪もこの本に出てくる。
     西荻窪は、隣りの荻窪、吉祥寺より古本屋が多い。
     夜の神保町と言われているとか?

    この本の中で角田さんが買ったものを私も先月買ったものがあります。開高健【シブイ】だ。真っ黒い箱に入っている。あの黒田征太郎の挿画が入っている。
     

    十二歳  椰月 美智子

    • 2007.04.26 Thursday
    • 21:40
    十二歳
    十二歳
    椰月 美智子
     07−116 ★★★★☆
     【十二歳】 椰月 美智子 著  講談社 第42回講談社児童文学新人賞受賞作

     《大人になりかけの十二歳の女の子の物語です。》

     出版社/著者からの内容紹介より
    無邪気な子どものふりはもうできない。12歳。大人の途中の子ども。
    悲しく切なくやりきれないような痛みだって知っている。12歳をとおりすぎるすべての人たちへおくる、第42回講談社児童文学新人賞受賞作品。家の机のカギがかかる2番目の引き出しには、直人先生の写真がひっそりとすみれ色の封筒に入っている。修学旅行先の日光から帰る電車のなかで、直人先生の隣に座っていたムコーヤマを撮るふりをして、眠っている直人先生をこっそりと盗み撮りしたのだ。その写真のことは誰にも言ってないし、もちろんだれにも見せてない。――(本文より)


    この作品は、題名の通り12歳・小学6年生・さえの物語だ。
    さえの日常を追った作品であり、小学6年生の女の子らしいさ?で溢れている。女友だちのこと、男友だちのこと、先生のこと、家族のこと。
    読んでいると小学6年生の女の子になっているようになってしまった。作家は、当然大人になってから書いているのだが、小学6年生の女の子の気持ちで書いているのだろうが、上の方から見下ろして書いているのが多い気がするが、この本は12歳の目線で見ていて、12歳の感情をうまく書いているような気がする。
    ポートボールのこと、運動会のこと、憧れの先生のこと、いろんなことがあって中学生になります。ごく普通の12歳の物語です、それが何かいいのです。
    【しずかな日々】も良かったが、この本も良かった。 (読書日記より)

    アジア新聞屋台村  高野 秀行

    • 2007.04.25 Wednesday
    • 20:54
    アジア新聞屋台村
    アジア新聞屋台村
    高野 秀行
     07−115 ★★★☆☆
     【アジア新聞屋台村】 高野 秀行 著  集英社

     《アジアパワーというのは、個人的なパワーなんだ》

     出版社/著者からの内容紹介より
    タカノ青年、多国籍新聞社の編集顧問になる!
    ワセダの三畳間に沈没していたタカノ青年は、突然、東京にある多国籍新聞社の編集顧問にスカウトされる。とことんアジア的な寄り合い所帯はどこまでもパワフルで個性的。何とも人間くさい青春物語


     ――うーん。この匂いにやられました。
     ゴッタ煮のようなエイジアン新聞社なる
     コミュニティ。そして愛すべきスタッフ
     とタカノ青年の、恋と冒険と青春の物語
     であります。どこを探しても、こんな食材
     の美味が織りなす混沌というハーモニー
     はあじわえないはずです。担当編集者


     プロローグ 宇宙人の会社
    第1章 エイジアンとの遭遇
    第2章 アジア新聞の爆走
    第3章 アジア人の青春
    第4章 新聞屋台の「こだわり」と「無節操」
    第5章 エイジアンの憂鬱
    第6章 エイジアンの逆襲
    エピローグ アジアの子

     この本は、「本の雑誌社」で2006年の第八位に選ばれている。
     台湾人、韓国人、タイ人、インドネシア人、などなどアジア人が登場してくるが、このパワーが凄い。この人たちの考え方が楽しく、日本人では思ったりしないことを平気でやる。やってから考えるようだ。日本に来ていて新聞社・コミュニティ新聞社に勤めている人たちなので教養もあるのだが、えらく楽天的であり合理的な人たちが多いようだ。
     タカノ青年がこの新聞社に関わりをもって、その新聞社に出入りするアジア人との会話が楽しく、ものの考え方に面食らってしまうのだ。

     高野さんは、紀行作家で本も一杯あるようだ。初めて書いた小説らしいが、この読んでもっとアジア人を知ろうというような本だった。

    東京DOLL  石田 衣良

    • 2007.04.24 Tuesday
    • 19:23
    東京DOLL
    東京DOLL
    石田 衣良
     07−114 ★★☆☆☆
     【東京DOLL】 石田 衣良 著  講談社

     《東京の今、恋愛のミライって、…》

     内容(「BOOK」データベースより)
    マスター・オブ・ザ・ゲーム=MGと呼ばれる天才ゲームクリエイター。背中に濃紺の翼をもつ少女ヨリが彼の孤独を変えてゆく―。青く透明なビルと虚ろさが混在する東京湾岸―石田衣良がハードにシャープに描くパーフェクトな人形に恋をした男の物語。


    天才ゲームクリエイターと少女ヨリとの恋愛小説?。
     ゲームのモデルとしてスカウトしたのに、何時しか、…。

     「ねぇ、MG。人形はどうするか、知ってる」
     「人形はうんともてあそばなきゃいけないよ」(本文より)

     内容が何か、ウーンないなー。

    二十四時間  乃南 アサ 

    • 2007.04.23 Monday
    • 20:47
    二十四時間
    二十四時間
    乃南 アサ
     07−113 ★★★☆☆
     【二十四時間】 乃南 アサ 著  新潮社

     《あの頃の、あの時間、私は何を思って何もしていたのだろうか》

     内容(「BOOK」データベースより)
    小学生時代、深夜放送にチューニングしたまま微睡んだ耳が異形の者たちの会話を捉えた「午前零時」の恐怖。一人暮らしを始めたアパートの階上で繰り広げられた修羅場に否応なく想像が走る「午前二時」の興奮。二十四の時間帯それぞれに刻まれた痛切な人生のステージ。過ぎ去った記憶が不思議な二十四角形を描く初の連作短編集。


      「私には、小説でしか絶対に起こりえないような、
       24の不思議な体験があります」
    (帯文より)

     乃南さんの私小説だろうか、小学生からのあの頃、あの時間のことが書かれている。
     24の小説、24時間ごとに描かれている。0時から23時までの24のことが。
     子供の頃がなかなか良い、そういう時間、私は何を経験し、何を思っていたのか。
     
       「24時間帯、24の痛切な記憶。
         自身に取材した連作小説」
    (帯文より)

    LOVE or LIKE  アンソロジー

    • 2007.04.22 Sunday
    • 20:24
    LOVE or LIKE
    LOVE or LIKE
    石田 衣良,中村 航,本多 孝好,真伏 修三,中田 永一,山本 幸久
     07−112 ★★☆☆☆
     【LOVE or LIKE】 アンソロジー  祥伝社

     《「好き」と「愛してる」の違いって?》

     内容(「BOOK」データベースより)
    男女が出会うと、いろいろな感情が生まれる。気になる、好き、愛しい、せつない…。友だちが恋の対象になるのは、どんなときだろう?転校生への憧れ、再会した同級生への複雑な感情、文通相手のまだ見ぬ異性へのときめき―。微妙な機微を、6人の実力派男性作家が描く恋愛アンソロジー。


     石田衣良 「リアルラヴ?」
     中田永一 「なみうちぎわ」
     中村航  「ハミングライフ」
     本多孝好 「DEAR」
     間伏修三 「わかれ道」
     山本幸久 「ネコ・ノ・デコ」  6編

     ――ほほう。では、人生って何なんでしょうか?

     ――奪われたものを取り返しにいこう。そう思うことがあります。奪われたものなど何もないのかもしれない。だけど僕に欠けているもの、僕が欲しいもの、それを奪われたものと仮定してみます。奪われたものは取り返さなければならない、そう考えると何だか奮い立つような気がします。生まれる前、過不足なく全能だった自分。人生とは、生まれ落ちた瞬間なくしたものを、奪還するための長い旅かもしれません。
      (本文より)

     あのときの恋は、LOVE・好きか、LIKE・愛しているか、どっちだったのかなー。

    オテルモル  栗田 有起

    • 2007.04.21 Saturday
    • 20:14
    オテルモル
    オテルモル
    栗田 有起
     07−111 ★★★☆☆
     【オテルモル】 栗田 有起 著  集英社 芥川賞候補作

     《こんなオテルに一度行って上質な睡眠を味わいたい》

     出版社 / 著者からの内容紹介より
    しあわせな眠りを提供する不思議なホテルの物語。
    チェックイン、日没後。チェックアウト、日の出まで。最良の眠りを提供するホテルのフロントに職を得た「誘眠顔」の希里。閉鎖された家族関係にも変化が…。日常からほんの少し乖離した世界の物語。

    内容(「BOOK」データベースより)
    「悪夢は悪魔、どうかよい夢に恵まれますように」毎夜、オテルモルには眠りを求めて人が集う。しあわせな眠りを提供する不思議なホテル。日常からほんの少し乖離した世界でもたらされる物語。チェックイン…日没後;チェックアウト…日の出まで最高の眠りを提供するホテル…オテル・ド・モル・ドルモン・ビアンホテルのフロントで働き出した希里が知る、優しい対峙の仕方。


     この作品は、良かった、何がいいのかと問われても良く分からないのだが。主人公が募集で働き出す安眠・上質な睡眠を提供する地下12階のオテル・ド・モル・ドルモン・ビアン。ここのオテルがいい、そこでの外山さんとの会話がいいのだ。
    現実社会では、双子の姉は入院中、父と母はその看護、姉の夫と娘との三人での生活、現実社会と反対なのがオテルの隔絶社会・無音の社会。
    地下というのは、人間にとってやすらぐものがあるのだろうか。澱んだ空気を除けば、温度は一定だし母なるものだろうか。何かいい不思議な小説だ。

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