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    空を見上げる古い歌を口ずさむ  小路 幸也

    • 2006.09.30 Saturday
    • 16:24
    空を見上げる古い歌を口ずさむ
    空を見上げる古い歌を口ずさむ
    小路 幸也
     241 ★★★☆☆
     【空を見上げる古い歌を口ずさむ】 小路 幸也 著  講談社
     
     《あっちの側、こっちの側いろんな世界があるんだな?》

     内容(「BOOK」データベースより)
    「みんなの顔が“のっぺらぼう”に見えるっていうの。誰が誰なのかもわからなくなったって…」兄さんに、会わなきゃ。二十年前に、兄が言ったんだ。姿を消す前に。「いつかお前の周りで、誰かが“のっぺらぼう”を見るようになったら呼んでほしい」と。第29回メフィスト賞受賞作。


    子供がみんなの顔がのっぺらぼうに見えると言い出した。20年前に兄が言葉を思い出して、兄を呼び寄せて、兄の話を聞くのだが、…。
     パルプの町で起こった、ひと夏の事件とは、…。
     子供たちが体験することとは、…。
     いろんな世界があるんだ、人間社会の中に入りこんだ人たちの規律・ルールがあるのか。不思議な血が流れている家族がどこかにいるような気もしてくる。


    SPEED  金城 一紀

    • 2006.09.28 Thursday
    • 23:58
    SPEED
    SPEED
    金城 一紀
     240 ★★★☆☆
     【SPEED】 金城 一紀 著  角川書店

     《こんな若者たちのSPEEDな物語には脱帽です。》

     内容(「MARC」データベースより)
    私の憧れの女性だった家庭教師の彩子さんが自殺!? 後悔なんかするもんか。岡本佳奈子、16歳、真面目で平凡な女子高生。そして-。家庭教師の謎の死+ザ・ゾンビーズ+憎むべき敵+赤い車=初めての冒険!


     ザ・ゾンビーズの3作目。
     岡本佳奈子、16歳女子高生が主役でザ・ゾンビーズはサポート的だ。ぐんぐんと引っ張れるように読んでいけるのがいい。
     ザ・ゾンビーズが佳奈子に言う。
     「これから岡本さんが広い場所に出ていけばいくほど、最低な場所がどんどんと更新されていくよ、きっと」
     「最低な場所に出くわしても、岡本さんがそこに馴染まなきゃいいだけの話だろ。それに、その場所を変えちまってもいいし、それか―」
     「そこから逃げてもいいし」「逃げるのも楽しいよ―。とにかく、俺たちは自分で思っているよりかなり自由なんだぜ」
    (本文より)

     まあ、痛快な物語です。

    vanity 清水 博子

    • 2006.09.26 Tuesday
    • 20:45
    vanity
    vanity
    清水 博子
    239 ★★★☆☆
     【vanity】 清水 博子 著  新潮社  芥川賞候補作

     《ワセジョたちは、この本をどう読むのか》

    内容(「BOOK」データベースより)
    アパートを焼け出され、神戸六甲の邸宅で恋人の母親と奇妙な同居生活を始めた画子のスリリングな日常。OL画子とマダムの優雅で苛烈な闘いの物語。


    表紙のハイヒールのデザインが綺麗だと思って見たら、草間彌生さんだった。草間さんの創作は、水玉模様が特徴だったかと思ったが。
     恋人の母親・マダムとOL画子とのスリリングな日常と帯文にうたっているが、マダムの贅沢な日常とそれをやっかむ画子の日常といった感じの小説だ。六甲の山ン中にある邸宅、やっぱり関西では豪邸が多いのか。まあ、マダムの生活を覗いて下さい。
    vanityとは、自惚れか、そんな感じの作品だ。

    ツアー1989  中島 京子

    • 2006.09.26 Tuesday
    • 06:24
    ツアー1989
    ツアー1989
    中島 京子
     238 ★★★☆☆
     【ツアー1989】 中島 京子 著  集英社

     《あなたも迷子ツアーにようこそ!!》

     内容(「MARC」データベースより)
    記憶はときどき嘘をつく。15年前、香港3日間の旅の途上で消えた青年は何処へ? ブログ、日記、手紙に展開される出来事をたどり、記憶をめぐる微妙な心理をミステリタッチで描く。


     1989年バブル時代に「迷子ツアー」なるものが企画される。ツアーの参加した人物が一人、最後に消えてしまうというものだ。この真相を解いていくのだが、…。このツアーに関わった人の思いとは、…。「迷子ツアー」「リフレッシュ休暇」「ラディ・リーを探して」「吉田超人」4編からなっている。
     15年前の記憶を辿っていく。不思議な感じの小説だ。ミステリーと言うか、人間の記憶の曖昧さと真実とがどこにあるのか、最後は読者にツアーの余韻を与えているようだ。

    土の中の子供  中村 文則

    • 2006.09.25 Monday
    • 20:46
    土の中の子供
    土の中の子供
    中村 文則
     237 ★★★☆☆
     【土の中の子供】 中村 文則 著  新潮社  芥川賞受賞作

     《人間は、土から生まれて、土に還るのか》

     (出版社/著者からの内容紹介より)
    私は土の中で生まれた。親はいない。暴力だけがあった。ラジオでは戦争の情報が流れていた。重厚で、新鮮な本格的文学と激賞された27歳、驚異の新人の芥川賞受賞作。
    主人公は27歳の青年。タクシーの運転手をして生計を立てている。親から捨てられた子供たちのいる施設で育ち、養子として引き取った遠い親戚は殴る、蹴るの暴力を彼に与えた。彼は「恐怖に感情が乱され続けたことで、恐怖が癖のように、血肉のようになって、彼の身体に染みついている」。彼の周囲には、いっそう暴力が横溢していく。自ら恐怖を求めてしまうかのような彼は、恐怖を克服して生きてゆけるのか。主人公の恐怖、渇望、逼迫感が今まで以上に丹念に描写された、力作。表題作に、短編「蜘蛛の声」を併録。


     芥川賞らしい作品なのだろうか、人間のうちなる叫びみたいなもの感じる。
     成人になっても、子供のときに受けた虐待から抜け出さない状態が描いてあるが、この恐怖観念というのがわからないでもないが、主人公の姿勢もまた良くわからない。
     同棲相手の白湯子も訳ありの人生を過ごしていて、アルコールに溺れる日々だ。彼らに生きる希望という日がやって来るのか、と思ってしまった。

    だれかのことを強く思ってみたかった  角田 光代, 佐内 正史

    • 2006.09.24 Sunday
    • 18:22
    だれかのことを強く思ってみたかった
    だれかのことを強く思ってみたかった
    角田 光代, 佐内 正史
     236 ★★★☆☆
     【だれかのことを強く思ってみたかった】角田 光代, 佐内 正史 著 実業之日本社

     《銀座、東京タワー、小さい公園など、いろんな東京が出てくる》

     内容(「BOOK」データベースより)
    「私たちはどのくらいの強度でここに立っているのか」。16篇の短編小説と厳選された約100点の写真が織りなす「東京」をめぐるコラボレーション。なにげない日常風景、空虚な生活をたんたんと描写する小説との連続に、心の奥底にしまったはずの“記憶”が熱を帯びて甦ってくる。


     「ファインダー」「まわる季節」「プラットフォーム」「世界の終わり」「夜景」
     「父と歩いた日」「おだやかな楽園」「押し入れ」「レッスン」「上等なカーテン」
     「東京」「スカイマンション403」「光の柱に」「ジュテーム」「金色の道」
     「見なかった記憶」 16編。

     東京を写真と短文で綴っている。
     「東京」だけが書き下ろしの短篇だ。
     角田さんが見た、見ている東京は、どのように写っているのか。
     100枚の写真の懐かしい風景が、また一段と短文を引き立たせている感じがするのだ。
     「東京」は、同じ日に、同じ産院で生まれた3人の人生を描いているのがいい。

    手紙  東野 圭吾

    • 2006.09.24 Sunday
    • 12:55
    手紙
    手紙
    東野 圭吾
     235 ★★★★☆
     【手紙】 東野 圭吾 著  毎日新聞社

     《罪と償い、差別、いろいろ考えさせられた作品だ》

     内容(「MARC」データベースより)
    兄は強盗殺人で服役中。その時、弟は…。断ち切られた兄弟の絆。希望なき世界を彷徨う人生。いつか罪は償われ、傷は癒されていくのだろうか。『毎日新聞』日曜版連載、待望の単行本化。


    昨今被害者・家族の人権が問題になって取り上げられているが、この本では、犯罪加害者の家族、ここでは弟の感情・人生を主に書いてあります。
     兄は、弟の大学進学のために強盗殺人犯になってしまった。両親を亡くし兄が親代わりになっていたのだ。弟の殺人犯の兄を持つという過酷な人生が始まる。新聞小説と言う観点からか伏線があって、次から次へと社会の差別にあって、読者は引き付けられます。やっぱり、東野さんは巧い、巧すぎます。大概の人は、《殺人犯の弟》ということで離れていってしまいます。私なども現実には、大概の人になってしまうのでしょうか。刑務所の兄からの1月に1回の手紙が弟に届きます。当然、この「手紙」が題名になっているのでしょう。重いテーマですが、すんなりと読めますが、一杯の問題提起を持った作品だと感じました。この本は、一気に読んで下さい、一気に。そんな気がします。
     ラストは、こんなシーンを持ってくるのか、何故か大量の涙が出てくるのです。

    ボーイズ・ビー  桂 望実

    • 2006.09.23 Saturday
    • 19:34
    ボーイズ・ビー
    ボーイズ・ビー
    桂 望実
     234 ★★★★☆
     【ボーイズ・ビー】 桂 望実 著  小学館

     《この本を読み終わる頃には、何だかうれしくなってしまいます》

     内容(「BOOK」データベースより)
    川端隼人12歳、小学六年生。この夏、ママを亡くした。弟がいる。直也6歳。小学一年生。直也はまだママが「死んだ」ということがわかっていない。消防士のパパは夜勤が多い。だから、ぼくが直也の面倒を見なければならない。ぼくには泣いてる暇はない。園田栄造70歳、靴職人。魂を込めて靴を造る。そのために不要なものはすべて排除する。気安く近づいてくるやつらが大嫌いだ。用事もないのに話しかけてくんな。ガキは特に嫌いだ。わがままで、未熟なくせに姑息で、甘えてみせもする芸達者だ。じんわりと気持ちがほぐれる泣けないガキと偏屈ジジイの物語。


     健気というか、思いやりがすごい、こんな少年もいるんだ。弟を思い、父親をも思い、大丈夫なのか、と読みながら思ってしまう。偏屈なジジイ・靴職人との出会いが悩みも解決に向かっていく?。
     小学生・隼人12歳と靴職人・栄造70歳との交流の過程が面白い。人間と人間とが、分かりあえることが素晴らしい。少年を通して、その輪が広がっていく。
     父親とやりあうとき、亡くなった母親を慕う気持ちには、グーッときてしまいました。
     偏屈なジジイで口悪い・靴職人がいい味を出している。
     やっぱり、最後はハッピーな気分になるのは好きです。

    月とシャンパン  有吉 玉青

    • 2006.09.22 Friday
    • 23:04
    月とシャンパン
    月とシャンパン
    有吉 玉青
     233 ★★★☆☆
     【月とシャンパン】 有吉 玉青 著  光文社

     《杯に月を映してお酒を飲むと長生きするって。》

     出版社/著者からの内容紹介
    恋をしていたい、生きていたい、死ぬまで。
    秘めたせつなさ。昔の男。終わった恋。
    日常にひそむ危うい感情を鮮やかに描き出す、
    優しく、ちょっと怖い大人の恋愛短編集。

    「これが現実的なハッピーエンドなんだよ」


     「春に踊る」「鍵」「がまんくらべ」「せつなさ探検隊」「月とシャンパン」
     「スパーク☆」 6篇。

    テレビドラマで「不信のとき」を放映されたいた。有吉佐和子さんの代表作でもある。残念ながら見る機会がない。ドラマは見なくなってしまった。続きものは、見なくなった。
     有吉佐和子さんの娘さんが有吉玉青さんだ。
     結婚して、子供も大きくなった。ふと振り返るとき、こんな人生で良かったのだろうか、考えてしまう。昔の恋人に会って、久々に胸がときめく、だが彼が言う『何もなく過ごす、それが一番の幸福だよ』と。そんな感じの物語たちだ。

    D‐ブリッジ・テープ  沙藤 一樹

    • 2006.09.21 Thursday
    • 19:38
    D‐ブリッジ・テープ
    D‐ブリッジ・テープ
    沙藤 一樹
     232 ★★★☆☆
     【D‐ブリッジ・テープ】 沙藤 一樹 著  角川書店 日本ホラー小説大賞短編賞受賞作

     《人工都市の地中は、ゴミが覆っている》

     内容(「BOOK」データベースより)
    近未来の横浜ベイブリッジは数多のゴミに溢れていた。その中から発見された少年の死体と一本のカセットテープ。そこには恐るべき内容が…斬新な表現手法と尖った感性が新たな地平を拓く野心的快作。第4回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作。


    ホラー小説とわかっていながら、こんなことは現実にもあるような気がする。ゴミ置き場にゴミみたいに捨てられた少年がたどり着くところには夢も希望もない。ただ食べると現実だけがある。物が溢れる現実という反面、そこには大量のゴミが発生する。そのゴミと少年との位置づけが辛いものがあるのだ。ちょっと間違えれば、今でもこんな社会になるのだろうか。いやー、凄い話である。

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