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    とるにたらないものもの  江國 香織

    • 2006.08.31 Thursday
    • 23:47
    とるにたらないものもの
    とるにたらないものもの
    江國 香織
     207 ★★★☆☆
     【とるにたらないものもの】 江國 香織 著  集英社

     《江國ファンにとっては、とるにたるものものが一杯です》

     出版社/著者からの内容紹介
    輪ゴム、レモンしぼり器、お風呂、固ゆで玉子……子供のころの家族との甘やかな記憶、現在の生活で慣れ親しんだもの。有形無形、愛すべきものものを、やわらかな言葉で綴るエッセイ集。

     
     「緑いろの信号」「輪ゴム」「レモンしぼり器」「煙草」「小さな鞄」「愛称」
    ……「りぼん」「推理小説」「食器用スポンジ」「大笑い」「免税店」「いいのだ、ということ」などなど、60のとるにたらないものもの。

     「書斎の匂い」
     江國さんの父親は、随筆家で有名な人だ。父親の書斎の匂い・追いつめられた精神の匂い・苦悩の匂い、それが全然違う仕事部屋なのに、父親の書斎の匂いと同じ匂いだと言う。それは、毎日も書き続けているとき、予定通りには進まず、外にでることのままならないときだと言う。作家になりきったときなのだ。

     「競艇」
     競艇に凝っている、と言うのにはちょっと驚いた。

     

    河岸忘日抄  堀江 敏幸

    • 2006.08.31 Thursday
    • 23:29
    河岸忘日抄
    河岸忘日抄
    堀江 敏幸
     206 ★★★☆☆
     【河岸忘日抄】 堀江 敏幸 著  新潮社

     《贅沢な日々、ゆったりとゆったりと時間が流れる》

     内容(「BOOK」データベースより)
    セーヌと思しき河に浮かぶ船を仮寓とする「彼」。陽あたりのいいリビング。本とレコードが几帳面に並ぶ樫の木の棚。訪ねる者はといえば、郵便を届けにきて珈琲をのんでゆく配達夫くらいだ。謎めいた大家を時に見舞いながら、ブッツァーティ、チェーホフ、ツェランなどを再読し、ショスタコーヴィチほか古いLPに耳を澄ます日々。ためらいつづけることの意味をさぐる最新長篇。


     うーん、じっくり読みたい本だった。が、途中までで止めてしまった。
     ストーリ性が乏しいのに、着いていけないのが情けない。
     一つ一つの章で出来ていて、その中にも何でもない日常がすばらしい日々に映ってくる。長い時間をかけて、一つづつ読み進みてゆくことにしよう。

    チョコリエッタ  大島 真寿美

    • 2006.08.29 Tuesday
    • 22:09
    チョコリエッタ
    チョコリエッタ
    大島 真寿美
     205 ★★★☆☆
     【チョコリエッタ】 大島 真寿美 著  角川書店

     《ジュリエッタは、可愛いのです。(表紙の犬)》

     出版社/著者からの内容紹介
    こわばったモノクロ世界が、鮮やかに色づいてやわらいでいく、物語。
    現実にうまく馴染めず、「チョコリエッタ」という虚構の名前にくるまり世間から逃避していた知世子は、映研での自主映画制作の過程で、本来の生気を取り戻し、窮屈なしがらみからのびのび解放されていく――。


     私が或る一匹の犬だった季節はそうして終わった。

     大学進学に向けての進路調査に「犬になりたい」と書く、宮永知世子・高校生2年生。
     幼い時に親子3人乗った車で事故にあって、おかあさんを亡くしてしまう。そのことが影響しているのか、何か釈然しない、居場所がない。そこから、何とか抜け出さなくては、……。
     大島作品は、何かが違う、この文体は何だろうか。
     

    人生激場  三浦 しをん

    • 2006.08.28 Monday
    • 23:04
    人生激場
    人生激場
    三浦 しをん
     204 ★★★★☆
     【人生激場】 三浦 しをん 著  新潮社

    《プレーンな日常を「非日常」に変えてしまうマジカルなツッコミと冴えまくる嗅覚?》

     内容(「BOOK」データベースより)
    気鋭作家の身辺雑記、だけに終わらぬ面白さ!プレーンな日常を「非日常」に変えてしまう冴えた嗅覚。世間お騒がせの事件もサッカー選手の容貌も、なぜかシュールに読み取ってしまう、しをん的視線。「幸せになりたいとも、幸せだとも思わないまま、しかし幸せとはなんだろうと考えることだけはやめられない」。美しい男を論じ、日本の未来を憂えて乙女心の複雑さ全開のエッセイ。


      先頃読んだ「夢のような幸福」より数段と楽しく、面白かった。「夢のような幸福」では、マンガ、バクチク(バンド)などなじみがなかったせいであろうか。この本には、ちょっと知っている眼目・サッカー選手などが出ていたからだろうか。
     <ワイドショーはかくありたい>は、仰天する楽しさである。後日談で、この記事で、有田芳生さんから対談相手に指名されたとある。やっぱり、しをんさんは只者ではないのである。

    春のオルガン  湯本 香樹実

    • 2006.08.28 Monday
    • 22:46
    春のオルガン
    春のオルガン
    湯本 香樹実
     203 ★★★☆☆
     【春のオルガン】 湯本 香樹実 著  徳間書店

     《12歳のトモミと9歳のテツの不思議な季節の物語》

     内容(「BOOK」データベースより)
    きのう小学校を卒業した。今日から春休み。でもなんだか私の頭はもやもや。隣の家との争いが原因で、家のなかもぎくしゃく。ひょろひょろ頼りないやつだけど、私の仲間は弟のテツだけだ。私たちはいっしょに家の外を歩きはじめた。小さな沼。広い空の下の川原。ガラクタ置場でのら猫にえさをやる不思議なおばさん。そしてある日、私たちはもう家に帰らないで、捨てられた古いバスのなかで暮らそう、と決めた…。十二歳の気持ちと感覚をあざやかにていねいに描き出した、心に残る物語。小学校中・高学年から。


     本当に12歳の少女の気持ちを丁寧に描いている作品だ。
     家庭、家族、隣との争いのことなどで少女の頭の中は……。
     のら猫を世話するおばさんを引き合いに出して、世間・正義を見詰め直すきっかけにしている。良い本だ。

     やわらかく風が吹いて、今日は草のにおいが強い。このにおい。胸を苦しくさせる、春のにおい。同じにおいがするのに、去年と今年では何もかも変わってしまったような気がする。おばあちゃんのこと、おとうさんのこと、おかあさんのこと、勉強のできるいい子だったはずの私のこと。同じにおいがするから、去年と今年が、あんまりちがいすぎるみたいな気がする。来年、同じにおいのなかで、どんなふうに感じるんだろう……。私はひやりとした。おじいちゃんは、あと何度このにおいをかぐんだろうか、そんなことを考えてしまったのだ。おじいちゃんだっていつかは死ぬ。だけど、あと何度なんてそんなこと、前はぜったい考えなかったのに。(本文より)

     

    死者の鼓動  山田 宗樹   

    • 2006.08.27 Sunday
    • 18:18
    死者の鼓動
    死者の鼓動
    山田 宗樹
     202 ★★★☆☆
     【死者の鼓動】 山田 宗樹 著  角川書店

     《山田さんの作品は、一気に読まさせられる、引き込まれる》

    内容(「BOOK」データベースより)
    重い心筋症に冒された玲香の心臓は、外科医である父の願いもむなしく寿命が尽きかけていた。まさにその時、同じ病院の救急救命センターに脳を損傷した少女・洋子が運び込まれる。しかも彼女はドナーカードを所持していた。慎重な脳死判定と厳正な選定の結果、玲香に移植された洋子の心臓。だが、ドナーとなった洋子の周辺では、父の事故死、担当看護婦の自殺など、不審な死が相次ぐ…。


     心臓移植をテーマしている物語だ。
     この作品、最後にいくほどドラマチックになっていくが現実は、何かもっとどろどろした展開になってしまうのではないのか、と思うが。これはこれで良かったように思う。
    心臓移植、重いテーマであるが、この本は、それをドキュメントみたいな感じで進んでいく。立場、立場の関わり方が痛ましく、何ともやり切れないのだ。
     この本を読んで、改めて人間の命とは何であろうか、と考えてしまうのです。

    さよならアメリカ  樋口 直哉

    • 2006.08.26 Saturday
    • 10:03
    さよならアメリカ
    さよならアメリカ
    樋口 直哉
     201 ★★★☆☆
     【さよならアメリカ】 樋口 直哉 著  講談社

     《さよならアメリカでなくて、SAYONARAアメリカだ?》

     内容(「BOOK」データベースより)
    ぼくは袋を被って生活している。袋の後ろには「SAYONARAアメリカ」というロゴが。噂で聞いた、袋族の少女と出会うために、ぼくは街を彷徨う。突然現れた、異母弟を名乗る男との共同生活。巡り会うことのできた袋族の少女への思い。純粋な感性と倒錯的視点が現出させた、現代文学の新しい袋。第48回群像新人文学賞受賞作。

     
     袋を被ると自分自身になれる。摩訶不思議な物語であるようだが、こんな経験は子供のときに何回したことがある。頭からすっぽり被った、袋の中の生温かい感じに自分の匂いを感じる。この雰囲気なんだろうか。
     この物語の意外な結末…。
    続きを読む >>

    ランチブッフェ  山田 宗樹

    • 2006.08.25 Friday
    • 21:53
    ランチブッフェ
    ランチブッフェ
    山田 宗樹
     200 ★★☆☆☆
     【ランチブッフェ】 山田 宗樹 著  小学館

     《「ランチブッフェ」は、小説では珍しい一幕もの?》

     内容(「MARC」データベースより)
    信子、38歳、専業主婦。特に生活に不満はないけれど…。ランチのひとときに浮かび上がる女たちの人生模様を描いた表題作ほか、笑い・涙・恐怖・切なさ満載の短編全6話を収録。『文芸ポスト』ほか掲載を単行本化。


     「二通の手紙」「混入」「ランチブッフェ」「電脳蜃気楼」「やくそく」「山の子」
       6篇。
     「二通の手紙」を読んでほろりとしたり、「やくそく」を読んで奇妙な恐怖を感じたりするが、どうもいけませんでした。やっぱり社会派的な長編小説が読みたいものです。
     「混入」の農薬の話が今までの作品の流れを沿った物語だ。
     

    夢のような幸福  三浦 しをん

    • 2006.08.24 Thursday
    • 22:34
    夢のような幸福
    夢のような幸福
    三浦 しをん
     199 ★★★☆☆
     【夢のような幸福】 三浦 しをん 著  大和書房

     《しをんさんの日常は、毎日ゴロゴロ?》

     内容(「MARC」データベースより)
    愛と情熱と勘違いに満ちた日常。ノンストップな爆裂エッセイ。ウェブマガジンBoiled Eggs Online「しをんのしおり」掲載を単行本化。


     『ガラスの仮面』も読んだことがない。
     『バクチク』バンドも聞いたことがない。
     『G.I.ジェーン』も見たことがない。
     が、この本は楽しかった。
     漫画、映画、旅行、読書、生活の日常が満載だ。

    ケッヘル〈下〉  中山 可穂

    • 2006.08.23 Wednesday
    • 20:55
    ケッヘル〈下〉
    ケッヘル〈下〉
    中山 可穂
     198 ★★★★☆
     【ケッヘル〈下〉】 中山 可穂 著  文藝春秋

     《男と女の愛、女と女の愛、モーツァルトの調べに乗せて?》

    内容(「MARC」データベースより)
    絶望の淵から生まれた恋。だが復讐の連鎖は止まらない。真に人間らしい人生とは、誰かをひたむきに愛し、愛される、薔薇色の不安に満ちあふれた人生のことだ。『別冊文芸春秋』連載を単行本化。


     希望とは、モーツァルトの音楽のようです。万人に等しく与えられ、耳と心を開きさえすればいつでも享受でき、人生を豊かにしてくれる。わたしに希望を教えてくださったあなたとアンナに、心から感謝いたします。わたしはモーツァルティアンにはなれませんでしたが、いくつかの曲は長い人生に寄り添ってくれるかけがえのない友になりました。いつかまたあなたからモーツァルトの音楽についての愉しい講義を聞ける日が来ることを、わたしは何よりも楽しみにしています。何と言ってもわたしたちは変ホ長調の偶然によって結びつけられているのですから。 (本文より)

     やっぱり、上、下巻は長かった。それでも読み応えがあった。後半はミステリーのような感じだが十分楽しめた。生まれてから、人は運命と宿命に操られているのだろうか。中山作品であるから、女が女を愛するのもあるし、それに劣らずの親子愛も歌っている。
     


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