とるにたらないものもの
江國 香織
207 ★★★☆☆
【とるにたらないものもの】 江國 香織 著 集英社
《江國ファンにとっては、とるにたるものものが一杯です》
出版社/著者からの内容紹介
輪ゴム、レモンしぼり器、お風呂、固ゆで玉子……子供のころの家族との甘やかな記憶、現在の生活で慣れ親しんだもの。有形無形、愛すべきものものを、やわらかな言葉で綴るエッセイ集。
「緑いろの信号」「輪ゴム」「レモンしぼり器」「煙草」「小さな鞄」「愛称」
……「りぼん」「推理小説」「食器用スポンジ」「大笑い」「免税店」「いいのだ、ということ」などなど、60のとるにたらないものもの。
「書斎の匂い」
江國さんの父親は、随筆家で有名な人だ。父親の書斎の匂い・追いつめられた精神の匂い・苦悩の匂い、それが全然違う仕事部屋なのに、父親の書斎の匂いと同じ匂いだと言う。それは、毎日も書き続けているとき、予定通りには進まず、外にでることのままならないときだと言う。作家になりきったときなのだ。
「競艇」
競艇に凝っている、と言うのにはちょっと驚いた。