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    安楽椅子探偵アーチー 松尾 由美 

    • 2006.07.31 Monday
    • 23:56
    安楽椅子探偵アーチー
    安楽椅子探偵アーチー


    176 ★★★☆☆
    【安楽椅子探偵アーチー】松尾由美 著 東京創元社

    《椅子にも歴史があり、魂がある…》

    内容(「BOOK」データベースより)
    戦前に上海の租界でイギリス人のためにつくられた、時代を経たもの特有の品格を漂わせる安楽椅子。骨董屋の店先から小学生・及川衛の家にやって来たその椅子が、あろうことか口をきいた!?しかもこの椅子、口を開いた途端シャーロック・ホームズばりの推理を披露し始めて―。紳士的な(?)安楽椅子と衛の交流、そして彼らが出合うさまざまな謎。謎解きの面白さと柔らかなユーモアが楽しめる、これぞ正真正銘の「安楽椅子探偵の事件簿


     【雨恋】では、幽霊が会話して、
     【スパイク】では、犬がしゃべって、
     今度は、椅子がしゃべるのだ。
     前回までは、違和感を感じたが、椅子が会話できるのは妙に納得した。

     事件、殺人事件ではないのでゆったりした気分で読めた。

    石の来歴  奥泉 光

    • 2006.07.27 Thursday
    • 22:10
    石の来歴
    石の来歴
    奥泉 光


    175 ★★★★★
    【石の来歴】 奥泉光 著  文藝春秋  芥川賞受賞作

    《石に来歴があり、人間にも…》

    内容(「BOOK」データベースより)
    「石には宇宙が刻印されている」レイテで戦友から聞かされた言葉によって、岩石に魅せられた男。戦後、彼に訪れる苦難とは!?現在と過去、夢と現が交錯するなかで、妻は狂気にいざなわれ、子は死にもてあそばれる。華麗にしてペーソス溢れる文体で、時と心との織りなす迷宮を描ききる、気鋭の芥川賞受賞作。


     「石の来歴」
     「三つ目の鯰」 2編

     5冊の奥泉作品から、この本を読んでみた。早くから読んで見たい作家であるが、最初の1ページでまあー次にするか、となって延び延びになっていた。よーし、と腹に決めて手に取った。最初の何ページは、難しいそうだったが、7,8ページになると意外と読めるのだ。

     「石の来歴」  
    石に魅せられた主人公の話だが、これが凄い話なのだ。独特な文章も読み慣れると、この重い話に酔いしれる。この本を読んで、秩父の長瀞に何回か行ったことを思い出した。

     「三つ目の鯰」、この話も良かった。 
     主人公・大学生の父の葬儀から始まる。キリスト教、教会など知らないことが出てきて、宗教のことが身近に思える。これは楽しかった。

    厭世フレーバー  三羽 省吾

    • 2006.07.26 Wednesday
    • 19:35
    厭世フレーバー
    厭世フレーバー
    三羽 省吾

    174 ★★★☆☆
    【厭世フレーバー】 三羽省吾 著  文藝春秋

    《家族って、何でしょうか。つながり…》

    出版社 / 著者からの内容紹介より
    新しい時代の家族を描く新鋭登場
    突然、父親が失踪。没頭していた陸上をやめ、14歳のケイは新聞を配り始めるが──。家族という不可思議な関係を描くポップな一冊


     帯文
     リストラされた父親が姿を消した。
     14歳 ケイ → 陸上部をやめて新聞配達
     17歳 カナ → いい子をやめて深夜までバイト
     27歳 リュウ → 急に家長の意識にめざめる
     42歳 薫 → すっかり酒びたりになる
     73歳 新造 → 認知症が進行してしまう
     いったい、この家族、どうなるの?


     厭世って何。辞書によると、世の中をいやなもの、人生を価値のないものと思うこと。「―自殺」と書いてある。
     14歳の項から始まるので、少年の物語かと思ってしまった。それが家族一人ひとりが出てくる。父親が失踪して、家族のなかで、どう心・感情が変わっていくか。5人ともそれぞれに良いのですが、73歳 新造には、やっぱり人生の深みを感じます。部長代理?が何ともいい味出しています。

    アカシア  辻仁成

    • 2006.07.25 Tuesday
    • 20:55
    アカシア
    アカシア
    辻 仁成

    173 ★★★☆☆
    【アカシア】 辻仁成 著  文藝春秋

    《歌を歌おう、声がでない… 歌どろぼう?》

    内容(「BOOK」データベースより)
    愛とはこんなにも、もろいものだったのか?恋の記憶が感傷に、出会いの輝きが紫煙にかすむ時、二人は再びお互いの目を見つめ合う。かけがえのないものを取り戻すまでの5つの物語+1。待望の、辻仁成最新傑作短篇集。


     「ポスト」
     「明日の約束」
     「ピジョンゲーム」
     「隠しきれないもの」
     「歌どろぼう」
     「あとがきにかえて」  6篇

     日常・世情からの視点をちょっと違った角度から見ている。
     「隠しきれないもの」は、
     ―ねぇ、キリストは白人だったの?
     と、少年の質問で始まる。
     何故、男は布袋に被っているのか、…少年も被ってみたのだ。
     不思議なことに少年は、まわりのことがよく見えた。
     ようやく男の気持ちもわかった気がした、…。

    ギャングスタードライブ  戸梶 圭太

    • 2006.07.24 Monday
    • 20:34
    ギャングスタードライブ
    ギャングスタードライブ
    戸梶 圭太

    172 ★★★☆☆

    内容(「BOOK」データベースより)
    ダンサーくずれの敏子とヒモ暮らしの一生が引き起こした11歳の少女をめぐるちんけな誘拐事件。そこに大薮春彦かぶれのいかれたやくざとなぜか普通のサラリーマンのおじさんが加わって…。嵐の山路で、ダメなやつらのノンストップのカーチェイスが始まった。流血あり、反吐あり、笑いあり、涙なし。疾走感溢れる、痛快ジェットコースター活劇。

    《戸梶ワールド・エンターテイメントなのだ》


    和製タランティーノ誕生!?
    疾走感溢れる、これぞ傑作「B級ノベル」!


    タランティーノ監督も驚く、ストーリーだ。
    なーんだ、こんな本と思いながらも先を読みたくなる。
    これを映像にするとどうなるのか、と読みながら考えていた。

    ロマンティスト狂い咲き  小川 勝己

    • 2006.07.23 Sunday
    • 18:38
    ロマンティスト狂い咲き
    ロマンティスト狂い咲き
    小川 勝己

    171 ★★★☆☆
    内容(「BOOK」データベースより)
    おれは売れない作家―アルバイトで糊口を凌ぐ毎日や、妻との冷え切った関係にはいいかげんうんざりだった。担当編集者の伏見裕子―おれがひそかに想いを寄せる人妻。意外なことに向こうからも誘いをかけてきた。彼女の夫が死ねば、彼女はおれだけのものになる。運命の女の言葉は、おれの耳にはこう聞こえた…“夫を殺せ”。欲望と犯罪に溺れる男女を、鬼才がリビドーを注ぎ込んで描いた純愛小説。


    《純愛と考えると、やっぱり女は怖い》

    美しい表紙に魅かれれ読んだみた。
    ストーリーは、単純であるが、主人公・40歳男の感情が表紙の瓶の中での炎のごとくである。社会とかを見てない、見えてないのだ。ある範囲では、正常か、瓶の中でだけど、…。

    一歩間違えれば、男はこんなことになるのかも、クワバラ、クワバラ。

    贋世捨人  車谷長吉

    • 2006.07.21 Friday
    • 23:37
    贋世捨人
    贋世捨人
    車谷 長吉

    170 ★★★★★

    《人間も生き物なんだと感じた作品》

    内容(「BOOK」データベースより)
    時代の最先端を見据えながら、併しそこから距離を取って、時代の最後尾、びりッ尻を「蝸牛の歩み」で歩いて行こうと思うた。迷いの逆渦の中に吸い込まれた青年の「宿縁」はどこにあるのか―「骨身に沁みたことを骨身に沁みた言葉」で書きあげた420枚。
    内容(「MARC」データベースより)
    私とは、こういう人間だったのか。愚図であった。腑抜けであった。時代の最後尾を蝸牛のように歩いていた。しかし、抜き身で生きて行きたかった…。孤高の私小説作家が、自らの青春時代を描く。


     車谷長吉さんの本は2冊目である。
     私の好みであろうか、物凄く感じるものが伝わった。私小説であるが、こういう時代があって、私はこう生きたみたいな話だが、どこか常人と違う感覚があり、そこに引きつられてしまうのだ。こういうテンポの書き方も合うのだろうか、読みやすいのだ。
     私が圧巻と思うところは、友人の谷内氏(精神医学研究所)が主人公・生島に小説をかくことを進めるくだりだ。
     ―生島くん。僕は小説など書いたことはないけれど、小説を書くというのは、この男と同じように、風呂桶の中に釣糸を垂れて、魚を釣り上げようとすることではないだろうか。無論、この男は精神分裂症に罹って、世の中では気違いと言われている人です。きみも、もともと相当におかしなところのある人だけれど、併し会社員が勤まっているのだから、まあ普通の人と言ってもいいわけだ。小説を書くというのは、この男のように狂気でするのではなく、正気で風呂桶の中の魚を釣ろうとすることではないか。それを一生続けるのは辛いことだろうけれど、僕はきみにそれをやって欲しいんだ。きみなら出来る。正気で、一生風呂桶の上に釣糸を差し続けて欲しいんだ。魚なんか、一匹も釣れなくったっていいじゃないか。それが、小説を書くということじゃないか。(本文より) 
     女子は、この本を読まないような気もする。 

    遮光  中村文則

    • 2006.07.20 Thursday
    • 00:00
    遮光
    遮光
    中村 文則

    169 ★★★☆☆

    《芥川賞、若い人のちょっと青くさい匂いがする作品》

    内容(「BOOK」データベースより)
    愛する者を失った「私」は、他人が知れば驚愕するような、ある物を持ち歩いている。しかし、それは狂気なのか―新世代作家の鋭利な意識が陰影濃く描き上げた喪失と愛の物語。芥川賞候補作。
     

     失った恋人の指をホルマリン液に浸した瓶を持ち歩く主人公。
     現実からいなくなった彼女を自分で処理できない心情、この感情をどこにぶつけてよいものか、愛しい人よ、どこへ行ったのだ。苦悩する感情を描く作品だ。
     

    臨場  横山秀夫

    • 2006.07.19 Wednesday
    • 00:06
    臨場
    臨場
    横山 秀夫

    168 ★★★★☆

    《横山作品の短篇集、やっぱり巧い》
    出版社/著者からの内容紹介
    ‘終身検視官’、死者の人生を救えるか--。

    辛辣な物言いで一匹狼を貫く組織の異物、倉石義男。
    その死体に食らいつくような貪欲かつ鋭利な「検視眼」ゆえに、
    彼には‘終身検視官’なる異名が与えられていた。

    誰か一人が特別な発見を連発することなどありえない事件現場で、
    倉石の異質な「眼」が見抜くものとは……。

    組織と個人、職務と情。警察小説の圧倒的世界!


    「赤い名詞」 「眼前の密室」 「鉢植えの女」 「餞」 「声」 「真夜中の調書」 「黒星」 「十七年蝉」 8編
     この作品は、一人の検視官にスポットライトを当てている。
     事件の裏に潜む人生模様を、どう暴くのか、そこに終身検視官の眼・検視眼が捉える。8編のどれもが読み応えがある。
     無駄のない文でこれほどに心打つ作品は稀である。

    新宿ミルク工場   沙藤 一樹

    • 2006.07.18 Tuesday
    • 00:12
    新宿ミルク工場
    新宿ミルク工場
    沙藤 一樹

    167 ★★★☆☆
    【新宿ミルク工場】 沙藤一樹 著  講談社

    《何故、死に向かうのか》

    出版社/著者からの内容紹介
    わたしを救えるのはあなたのぬくもりだけ
    ある日、ビルの屋上で出会った望月景と中川清香。ある晩、廃工場で出会った椎名純紀と久我誠司。大人たちから逃れるには「死」しかないと追いつめられ、さまよっていた若い男女に訪れた偶然。ふたつの出会いがひとつにつながった時、「奇跡」が起きた。
    日本ホラー小説大賞短編賞受賞作家が放つ渾身の書き下ろし小説
    「死ねば、安らぎが手に入ると思った」望月景
    「あたしには、あんたが必要なんだ」中川清香
    「世界に適応できない者は死んでいく」椎名純紀
    「おれはきみを助けたい」久我誠司
    絶望の果てに紡ぎ出された「魂の再生」の物語


     初めて読む作家さんである。
     うーん、わかるようでわからない。
     生と死、そこに魂があるのか。
     なかなか面白い話の考え方・構成だ。

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