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    白蛇島  三浦 しをん

    • 2006.03.31 Friday
    • 20:21
    白蛇島
    白蛇島
    三浦 しをん


    71 ★★★☆☆
    【白蛇島】 三浦しをん 著  角川書店

    《白蛇島は神秘に満ち溢れています。》


     高校生3年・悟史が帰省した拝島。十三年ぶりの大祭でにぎわうその島は不穏な空気に包まれていた。島民に異常に忌まれる怪物「あれ」が出たというのだ…。淫靡な香り漂う夏の夜の冒険物語。(本の説明より)

     島という特異な現状、閉鎖性とか、神秘性とか、この本には一杯載っています。少年の目から見た島は、どんな風に写っているのか。少年の友情とか、そんなのもありますし、面白い本でした。

     清楚な美しさを持った佐和子は、実は案外情念の人なのではないか。生まれた時からそばにいて、それこそ妹と同じように思ってきた佐和子にも、悟史が今まで知らなかった一面がある。そしてその、悟史にとって未知な部分の佐和子が、揺らめきながら悟史に向かって何かを訴えている。悟史はそのことにひるまずにはいられないのだ。対峙するといつも、怖じ気をふるって逃げ出すための、緊張をはらんだ冷たい力がふくらはぎにこもる。(本文より)

     悟史の妹・日和子といつも一緒に行動している佐和子についての一文である。最後の『ふくらはぎにこもる』というのが、何か名文に感じてしまった。



    クレオパトラの夢  恩田 陸

    • 2006.03.29 Wednesday
    • 20:22
    クレオパトラの夢
    クレオパトラの夢
    恩田 陸

    70 ★★★☆☆
    【クレオパトラの夢】 恩田陸 著  双葉社

    《変幻自在な世界にある真実とは、……》


     神原恵弥は、妹・和美を東京に連れ戻すために北国・H市に来た。
     来て直ぐに和美の不倫相手の葬儀に出席することになってしまうのだが、……。
     不倫相手・研究所勤務の手帳に『六時に東京駅。M。クレオパトラ』と書かれていた。
     登場人物も4人がメインで分かりやすいが、話の内容は次か次へと展開していく、誰がどんなかかわりかがわかりづらい、そこが作家のねらいなのだろうが。

    心のかけら  広谷 鏡子

    • 2006.03.28 Tuesday
    • 20:23
    心のかけら
    心のかけら
    広谷 鏡子


    69 ★★★☆☆
    【心のかけら】 広谷鏡子 著  角川春樹事務所

    《心のかけら、恋のかけらではないのでしょうか》


     帯文
     いま私が感じているのは純粋な性欲だと思った。
     同じことを彼も感じていただろう。
     手を伸ばせばそこに肉体があってそれは自分を欲している。
     そう思ってどこがいけないだろう。
     ひととき泣くことを忘れれるのなら、
     ひととき肉体的快楽に酔えるなら。 (本文より)


     39歳・比沙子は、年下の男・秋生に恋におちる。
     比沙子は、秋生をいじらしく思い世話をやくのだが、…。
     秋生は家庭的事情もあって、心変わり?重荷に思ったりして、…。
     39歳・比沙子の女性の心理がわかるが、この恋どうなんだろうか、と突っ込んで見たくもなる。

    バスジャック  三崎 亜記

    • 2006.03.28 Tuesday
    • 19:24
    バスジャック
    バスジャック
    三崎 亜記

    68 ★★★☆☆
    【バスジャック】 三崎亜記 著  集英社

    《奇想炸裂なことが日常にはびこる話だ》


    「二階扉をつけてください」 
    「しあわせな光」
     「二人の記憶」
     「バスジャック」
     「雨降る夜に」
     「動物園」
     「送りの夏」 7編

     気になったので三崎さんの続けて読んでみる。
     奇作か、快作か、不思議な感覚の本である。
     「二階扉をつけてください」「二人の記憶」が良いというか好きだ。

     「二人の記憶」は、二人のズレを描いている。この本を読んでいて、今年見たフランス映画・【ふたりの5つの分かれ路】を思い出していた。子供がいるカップルが離婚手続きから、二人の出逢いまでを描いている。現在から過去に遡るのだ。映画の終わりは、夕日に向かって海に入っていく幸せそうな二人を写している。皮肉な終わり方だ。出逢いから、二人同時なベクトルがあるはずがない、そこにはズレがあるのだ。年を経っていくごとに、そのズレの幅が増大していくのだ。そうすると、取り返しがつかなくなり離婚を迎えるのだ。ズレを二人でどうするかなのだろうが、修正すればよいが修正できなくなってくる。(一般的には、…後は惰性?)
     この本では、記憶のズレを扱っているのだ。

    となり町戦争  三崎 亜記

    • 2006.03.27 Monday
    • 20:25
    となり町戦争
    となり町戦争
    三崎 亜記


    67 ★★★☆☆
    【となり町戦争】 三崎亜記 著  集英社

    《戦争は醜い、しかし戦争・諍いはどこにでも起きている》


     ある日届いた「となり町」との戦争の知らせ。僕は町役場から敵地偵察を任ぜられた。だが音も光も気配も感じられず、戦時下の実感を持てないまま。それでも戦争は着実に進んでいた―。シュールかつ繊細に、「私たち」が本当に戦争を否定できるかを問う衝撃作。第17回小説すばる新人賞受賞作。(Book データーベースより)

     「ぼくはこの戦争で、何一つ選び取ってこなかった。戦争の始まりも、終わりもわからないまま、言われるままにぼくは動いた。戦争はいつのまにか始まってたし、いつのまにか終わってた」(本文より)

     「私たち」が本当に戦争を否定できるかを問う、この意味あいがわからなくもない。いつのまにか、私たちは知らず知らずに組み込まれていく戦争に、それが現実だ。国と国、都市と地方、我が家と隣家、いつかは戦争が始まっていく。イラクの自衛隊派遣など私たちには関係ない、と思ってもれっきとした戦争だ。戦争に加担しているのだ。今や子供はゲームに映画・『ハリーポッター』などに洗脳されている。

     この本は、話題になった本なのでどんな内容なのか興味があった。よくできた本であるが、いま一つインパクトがない気がする。

    ラスト・レース―1986冬物語  柴田 よしき

    • 2006.03.26 Sunday
    • 20:27
    ラスト・レース―1986冬物語
    ラスト・レース―1986冬物語
    柴田 よしき


    66 ★★☆☆☆
    【ラスト・レース】 柴田よしき 著  実業之日本社

    《1986年、僕は何をしていたのだろうか》


     帯文の「まやかしだらけの世の中でわたしたちは誰のために走り続けているんだろう…」 、読み出した止まらなくなる本だが、内容は、……。

     ラスト・レースって、競馬の年末のラストレース・有馬記念だ。1986年・冬物語、ダイナガバリー、ギャロップダイナが1,2着にきたとき、私は競馬に填まっていない時期だ。
     OL・海道秋穂が巻き込まれる事件が、意外な方向に走っていくのだが、……。

    世界中が雨だったら  市川 拓司

    • 2006.03.24 Friday
    • 20:28
    世界中が雨だったら
    世界中が雨だったら

    64 ★★☆☆☆
    【世界中が雨だったら】 市川拓司 著  新潮社

    《この本に作家自体満足しているのだろうか》


    帯文の『ここにいるのはもうひとりの僕です。』と出ているが、今までの本の内容と違っていた。私には、ちょっとこれーなーにと言った感じでした。作家の別の引き出しなんでしょうか、作家さんも大変なんだ、と思いだけが浮かびました。
     「琥珀の中に」「世界中が雨だったら」「循環不安」の3篇。
     何んだか逃げ場所を捜しているみたいな作品だ。        

    スペース  加納 朋子

    • 2006.03.24 Friday
    • 19:30
    スペース
    スペース
    加納 朋子


    64 ★★☆☆☆
    【スペース】 加納朋子 著  東京創元社
    《》

    風に桜の舞う道で  竹内 真

    • 2006.03.21 Tuesday
    • 20:31
    風に桜の舞う道で
    風に桜の舞う道で
    竹内 真

    63 ★★★☆☆
    【風に桜の舞う道で】 竹内真 著  中央公論新社

    《10年後の現実があり、10年前の懐かしさがある青春小説》


     大学受験の失敗した若者たちが桜花寮に入ってくる。その1990年と10年後の2000年の物語だ。1990年の月々と2000年の月々とが交互に出てくる。

     1900年は、18、19歳の予備校生の日常のたわいないことが一杯出てくる。2000年は、28,29歳の現実感、世間感、世界感を持ち合わせている。だが、桜花寮で過ごしたことは、忘れられない。晶を中心にして10年間の何かが見えてくるか。誰にでもある男のほろ苦い?感じの青春物語だ。

    夏のピューマ  領家 高子

    • 2006.03.19 Sunday
    • 20:32
    夏のピューマ
    夏のピューマ
    領家 高子

    62 ★★☆☆☆
    【夏のピューマ】 領家高子 著  講談社

    《ピューマみたいな早さで夏は過ぎていく》


     画家・仁木妙子は、九鬼周造の研究家・教授・永沢英之に水彩画を贈った。その縁で京都で会って、身を任せてしまうのだ。……。

     ……実存の意味が最も顕著にあらはれているのは人間存在においてである。人間存在にあつて存在の仕方がみづからによつて決定されると共に、その決定について自覚されているのである。人間存在は存在そのものを自覚的に支配している。如何に存在するかに対する自覚的決定力を有つている。……個体の意味は人間存在にあつて最も角度を鋭くしている。 (本文より)

     上文は、九鬼周造の論文か、何かであろう。九鬼と言う人は、西洋哲学の普及に努めた人らしい。この本にも、こうした哲学が出てくる。
     物語は、画家・妙子と永沢とのひと夏の愛と運命についての作品だ。

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