となり町戦争
三崎 亜記
67 ★★★☆☆
【となり町戦争】 三崎亜記 著 集英社
《戦争は醜い、しかし戦争・諍いはどこにでも起きている》
ある日届いた「となり町」との戦争の知らせ。僕は町役場から敵地偵察を任ぜられた。だが音も光も気配も感じられず、戦時下の実感を持てないまま。それでも戦争は着実に進んでいた―。シュールかつ繊細に、「私たち」が本当に戦争を否定できるかを問う衝撃作。第17回小説すばる新人賞受賞作。(Book データーベースより)
「ぼくはこの戦争で、何一つ選び取ってこなかった。戦争の始まりも、終わりもわからないまま、言われるままにぼくは動いた。戦争はいつのまにか始まってたし、いつのまにか終わってた」(本文より)
「私たち」が本当に戦争を否定できるかを問う、この意味あいがわからなくもない。いつのまにか、私たちは知らず知らずに組み込まれていく戦争に、それが現実だ。国と国、都市と地方、我が家と隣家、いつかは戦争が始まっていく。イラクの自衛隊派遣など私たちには関係ない、と思ってもれっきとした戦争だ。戦争に加担しているのだ。今や子供はゲームに映画・『ハリーポッター』などに洗脳されている。
この本は、話題になった本なのでどんな内容なのか興味があった。よくできた本であるが、いま一つインパクトがない気がする。