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    容疑者Xの献身  東野 圭吾

    • 2005.10.30 Sunday
    • 21:38
    容疑者Xの献身
    容疑者Xの献身
    東野 圭吾

    214 ★★★☆☆
    【容疑者Xの献身】 東野圭吾 著  文藝春秋

     帯分に
     「これほど深い愛情に、これまで出会ったことがなかった。
     いやそもそも、この世に存在することさえ知らなかった。」
     男がどこまで深く女を愛せるのか。どれほど大きな犠牲を払えるのか―。

     しまった、この帯分を最初に読まなければ良かった。どうもこの帯分が読んでいると気に掛かるのだ。一気に読んだのでどうにか持ちこたえたが。愛情というのがうっすらわかる気がするからだ。だが、最後は、ジーンと来るものがあるのは、作家・東野の筆力だからであろうか。
     
     この本は、ご存知ガリレオシリーズである。
     母子の部屋で前夫が殺された、この部屋に隣部屋の数学教師が入って来た。そして完全犯罪の作戦を母子に授けるのだが……。
     湯川物理学助教授と容疑者・数学教師 石神とのトリックの知恵比べでもある。 
     そこには、二人が昔の知り合いということから友情に似たものが出てくる。
     こんな愛情の表現の出し方は、男だから出来る話ではないかと思ったがどうだろう。

    ぐるぐるまわるすべり台  中村 航

    • 2005.10.29 Saturday
    • 21:40
    ぐるぐるまわるすべり台
    ぐるぐるまわるすべり台
    中村 航

    213 ★★★☆☆
    【ぐるぐるまわるすべり台】 中村航 著 文藝春秋

    「ぐるぐるまわるすべり台」 野間文藝新人賞受賞作 芥川賞候補作
    「月に吠える」

     週末の午後、この本を読み始める。

     「ぐるぐるまわるすべり台」では、大学の授業で黄金比の話が出てくる。1:1.618。この比率が銀行のキャッシュカードから古代ギリシャの建造物まで使われている。
     写真をある程度勉強すると、必ずこの黄金比・黄金分割という言葉を覚える。この比率のところに被写体を治めると写真に調和が生まれ写真が安定してくるのだ。初心者は、被写体を真ん中に持ってくるが、これは良くないのだ。映画のシーンも黄金比・黄金分割が使われている。画面が引き締まってくるからだ。【チョコレート】という映画を見たとき、黄金比・黄金分割の逆になっていたので、画面に不自然さを感じた。はがきなども黄金比・黄金分割だと言うから、身の回りにあるのもこの黄金比・黄金分割が一杯使われているのだ。
     「月に吠える」では、工場でのハインリッヒの法則から始まる。労働災害を統計的に分析して導き出した法則。1対29対300。1件の重大なミスの裏には、29件のかすり傷程度のミスがあり、さらにその裏にはケガまではないものの300件のヒヤリ、ハットした経験が潜んでいるというものだ。工場などでは、ヒヤリ・ハットの朝礼で始まるところが多い。そのほかに、TQC、PDCAなども出てくる。これらは、本の内容に関係しているのだろうか。
      この本の内容は…。

    この本が、世界に存在することに  角田 光代

    • 2005.10.29 Saturday
    • 20:41
    この本が、世界に存在することに
    この本が、世界に存在することに
    角田 光代

    212  ★★★☆☆
    【この本が、世界に存在することに】 角田光代 著  メディアファクトリー

     本に纏わる9編からなる短編集。
      読書をしている割には、自分にとっての本は何んだろうか、と言うのは書けないものだ。ここでいう本の定義をどこにするかで大分違ってくるような気がする。専門書・趣味本などでは、必然性が伴うものだ。だが、小説などは、これを読む、読まないは、個人の自由だし、それで明日が変わると訳でもなく、心うちがちょっとだけ豊になるのを感じるほどのものかも知れない。どんな人間だって、生きている間に本・小説に蜜月になるときが必ずあると私は思うが。それが、人生に思い悩むときか、希望に溢れるときかで、本・小説の持つ意味合いが違ってくるだろう。読書も不思議なもので、じっくりと文章を読んだもの本は、いつまでも心のどこかに住み着いているが、だらだらと読んだものは、どこにも何も残っていない。読書も正直なものだ。では、この本はどうかと言うと、気にいったところを2回読み返したのだから、どこかに残るのだろう。

     「ミツザワ書店」「旅する本」「手紙」「さがしもの」など、本と人間の位置関係が巧く、真面目な気持ちで読む時間をもった。特に「ミツザワ書店」が良い。店主・おばあさんの姿が目に浮かぶのだ。

     短編集のいくつかは、カップルと本とを位置づけている物語だ。が、筆者のあとがきに書いてある、スポーツする、ゲームをする、レストランでおいしいものを食べるなどなどの行為と本を読む行為とはすこし特殊で個人的であると書いてある。それは、だれかと一対一で交際するのと同じだと書いている。どうも、この最後の部分に引掛かってしまうのだ。

    工学部・水柿助教授の日常  森 博嗣

    • 2005.10.28 Friday
    • 21:44
    工学部・水柿助教授の日常
    工学部・水柿助教授の日常
    森 博嗣  


    211 ★★★☆☆
    【工学部・水柿助教授の日常】 森博嗣 著  幻冬舎

     まず、始めに本文を引用する。

     つまり、ミステリィの謎解きと、普通のクイズや数学の問題との差は、彼女の言うところの「納得のいくストーリィ」の有無にあるようだ。

     水柿君も、須摩子さんにすすめられて、何冊かミステリィを読んでみたけれど、今のところ、「納得のいくストーリィ」には出会えない。どの結末も、なんだか、取って付けたような、単なる言い訳に思えてしかたがないのだ。
     そんなことありえるか、と首を捻りたくなるようなトリックばかり。
     素直にその点を、須摩子さんに指摘してみると、。
     「ま、その辺は、まいっかって思わなきゃ」なんだそうである。
     水柿助教授の悩みは、依然として尽きない。

     私の廻りの若い人に読書はどのジャンルが好きか、と言う問いに8割くらいがミステリィと答えるのだ。どこが人気があるのかが、私にはわからない。私は、近頃のミステリィが苦手なのだ。本文の引用の水柿助教授とまったく同じ意見なのだ。「納得のいくストーリィ」がないのだ。


     この本は、水柿助教授とミステリィ好きな奥さん・須摩子さんの日常生活の物語です。のちに、ミステリィ作家になる水柿助教授とあるから、作家本人なのだろうか。日常に於けるちょっとしたミステリィを書いている。ミステリィの入り口部分のところである。
    私は、水柿助教授と違ってまだミステリィ好きにはなれないでいる。
     

    ガール ミーツ ボーイ  野中 柊

    • 2005.10.27 Thursday
    • 21:46
    ガール ミーツ ボーイ
    ガール ミーツ ボーイ
    野中 柊

    210 ★★★☆☆
    【ガール ミーツ ボーイ】 野中柊 著  新潮社

     6歳の息子・太郎と二人暮らし。主人公・美世は、社会人6ヶ月目で妊娠、25歳のときに身ごもった。相手は、合コンで知り合った、5歳上の証券マン。太郎、4歳のとき父親が失踪する。だから、息子と二人暮らしなのだ。
     ここまではよいのだが、美世は今では、こう述懐しているのだ。『今思えば、どうして彼を好きになったのだろう。いや、本当に恋愛感情を抱いていたのだろうかどうかさえ定かではない。正直なところ、あの頃のことはよく憶えていないのだ。まるで記憶喪失みたいに、ぽっかりと当時の感情が忘れ去られてしまっちる。とはいえ、結婚までしたのだから憎からず思ってはいたのだろう。』
     おい、おい、なんじゃそれはと私は、言いたいのだ。自分の人生だから結果はどうでもよいのだが、子供がかわいそうになのだ。勢いで結婚しても、末永く続く結婚もあるだろうが、現代の状況は、こんな結婚も多いのではと思って、息子の為に私は、怒っているのだ。

     夏休みに、息子を連れて美世の田舎の実家に帰り、息子を夏休み中、預けておこうとするのだが、美世とともに帰ってきてしまう。母と二人の生活で母がいなくなるのでは思いが、息子にあるのだ。息子にとって両親は、絶対必要なのだ。よく息子のことが書けていると私は思うのだ。
     

     この作品は、事件らしい事件はなく、息子との日常が書かれているが、案外オクは深いのかも知れない。


    うつくしい子ども  石田 衣良

    • 2005.10.26 Wednesday
    • 21:47
    うつくしい子ども
    うつくしい子ども
    石田 衣良


    <大>209  ★★★☆☆

    <大><太>【うつくしい子ども】 石田衣良 著  文藝春秋


    <大> 現在の状況は、子どもたちにとって、どんな環境なのだろうか。ものが豊富で、入り込んでくる情報も満杯である。その為か、逆に子どもたちの頭・脳は、混乱してくる。善悪の判断は元より、精神の異常性も出てきている。子どもたちの親もまた教育に自信がなく、愛情も薄れがちになる。食生活からも子どもたちに化学物質が入り込んできている。無農薬な食物などはあるが、今までの微妙に蓄積されている。建物の内装材でも化学物質が厳しく規制されているが、完全の取り残されているわけではない。これらの子どもたちを取り巻く環境が子どもの精神力を作っているのだ。人間の文明は、日々進化している、がそれと比例して精神も異常をきたしているのだ。



    <大> この本は、あの神戸で起きた子供による殺人事件がモチーフになっている。衝撃的に残っているニュースだ。子供が子供を殺す、異常であるが、もうこれは、助長にかすぎないように写る。それ以後も、こうした事件は絶える事がないからである。



    <大> 子どもは、うつくしいものだ。当たり前なのだだが、それが虚しく響くのだ。


    鬼のすべて  鯨 統一郎

    • 2005.10.25 Tuesday
    • 21:48
    鬼のすべて
    鬼のすべて
    鯨 統一郎

    208 ★★☆☆☆
    【鬼のすべて】 鯨統一郎 著 文藝春秋
     鬼と聞いて思い浮かべるのは、鬼ごっこ、桃太郎の鬼が島、土俵の鬼、仕事の鬼、何んかです。いろんな鬼がいますが、テレビドラマの《渡る世間は鬼ばかり》が一番頭に浮かびます。どうも、この言葉が気に掛かります。「渡る世間 に鬼はない」は、世の中には無情な人ばかりがいるのではなく、困ったときには助けてくれる情け深い人もいるものだということだそうだ。と、言うことは、《渡る世間は鬼ばかり》の意味は…。

     【鬼のすべて】と言うからには、鬼につての講釈が一杯出てきます。古事記、日本書紀、ギリシャ神話、諸説あらゆるものが出てきます。


     女性が二人が連続して殺された、それも鬼に見立てられ、渡辺みさと刑事と元刑事ハルアキが事件jの謎解きに迫る……。

     ミステリーは、どうもわからない、事件の動機と鬼とが……。

    ランドマーク  吉田 修一

    • 2005.10.24 Monday
    • 21:50
    ランドマーク
    ランドマーク
    吉田 修一


    207  ★★★☆☆
     【ランドマーク】 吉田修一 著  講談社

     コンクリート造の建物、建設中は廃墟にも映る。コンクリート造にお化粧して、初めて建物として見られる。そして、人が住んだり、物が入ったりすることで建物そのものが生きてくるのである。建物は、多くの職人、設計士がいて成り立っているのだ。

     この本は、埼玉・大宮に立つ、地上35階建ての巨大スパイラルビル、そこで働く設計士・犬飼と鉄筋工・隼人の話である。
     吉田さんの作品には、肉感的な若者が出てくる。汗臭い若者たちなのだ。石田衣良さんの都会的な感覚とは違うのだ。
     毎日、毎日積み重ねるビルと、そこで働く人の人生とのにねじれが出てくるとき……。

    風味絶佳  山田 詠美

    • 2005.10.22 Saturday
    • 21:51
    風味絶佳
    風味絶佳
    山田 詠美

    206 ★★★☆☆

     【風味絶佳】 山田詠美 著  文藝春秋

     「間食」
     「夕餉」
     「風味絶佳」
     「海の庭」
     「アトリエ」
     「春眠」      6篇


     作家、あとがき
     世に風味豊かなものは数多くあれど、その中でも、とりわけ私が心魅かれるのは、人間のかもし出すそれである。ある人のすっくりと立った時のたたずまい。その姿が微妙に歪む瞬間、なんとも言えぬ香ばしさが、私の許に流れつく。体のすべての器官を使って、それに触れて味わおうとする時、私は、自分の内に、物書き独特の欲望が湧き上がるのを感じる。食欲とも性欲とも知識欲とも異なる、あえて名付けるなら描写欲とでも呼びたいような摩訶不思議な欲望。


     6篇とも男性の職業・職人からの風味を嗅ぎとろうとする作家の描写には、凄いとか言いようのないものを感じてしまうのだ。
     私は、どうも、この作家の文章が、短いセンテンスなのが、読みづらくてしょうがない。ようやく慣れてきたときが、「海の庭」だった。3篇すぎていた。
     「海の庭」は、離婚した母・娘との幼なじみ引越し屋・作並くんとの微妙な距離感を娘・日向子の目を通して描いている。日向子のサーファー友達・若い男が引越し屋・作並くんを「だせー」と言う。そのことで、日向子は、涙が止まらなくなるくだりは、女性しかわからない感情なのだろうか。

     人は、一瞬、一瞬に生きている。その出来事が、その人の皮膚に知らない内に入りこんでいる。それが、その人の感覚であり、財産なのか。良いものを食して、良い風味だったと言う印象に残る本だった。
      

    ドナウよ、静かに流れよ  大崎 善生

    • 2005.10.20 Thursday
    • 21:52
    ドナウよ、静かに流れよ
    ドナウよ、静かに流れよ
    大崎 善生

    205 ★★★★☆
    【ドナウよ、静かに流れよ】 大崎善生 著  文藝春秋

     題名を見たとき、また大崎さんの透明な文章の恋愛物かと思ったが、読み出したら淡々と書かれたノンフィクションだった。

     「邦人男女、ドナウで心中
      33歳指揮者と19歳女子大生  ウィーン」
     この新聞記事を見て、何かの糸に操られるように、19歳の人生の真実を求める旅が始まるのだ。
     『なぜ少女は十九歳で、その肉体と精神を捧げなければならなかったのか』、なぜ、なぜの問いが。
     その少女のこれまでの人生の軌跡には、作家にも計り知れないものがあるのだ。それは、何が真実なのか、作家が見たものとは……。



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