容疑者Xの献身
東野 圭吾
214 ★★★☆☆
【容疑者Xの献身】 東野圭吾 著 文藝春秋
帯分に
「これほど深い愛情に、これまで出会ったことがなかった。
いやそもそも、この世に存在することさえ知らなかった。」
男がどこまで深く女を愛せるのか。どれほど大きな犠牲を払えるのか―。
しまった、この帯分を最初に読まなければ良かった。どうもこの帯分が読んでいると気に掛かるのだ。一気に読んだのでどうにか持ちこたえたが。愛情というのがうっすらわかる気がするからだ。だが、最後は、ジーンと来るものがあるのは、作家・東野の筆力だからであろうか。
この本は、ご存知ガリレオシリーズである。
母子の部屋で前夫が殺された、この部屋に隣部屋の数学教師が入って来た。そして完全犯罪の作戦を母子に授けるのだが……。
湯川物理学助教授と容疑者・数学教師 石神とのトリックの知恵比べでもある。
そこには、二人が昔の知り合いということから友情に似たものが出てくる。
こんな愛情の表現の出し方は、男だから出来る話ではないかと思ったがどうだろう。