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    満月の夜、モビイ・ディックが  片山 恭一

    • 2004.09.27 Monday
    • 13:20
    満月の夜、モビイ・ディックが
    満月の夜、モビイ・ディックが
    片山 恭一

    【満月の夜、モビィ・デイックが】 片山恭一 著  小学館

    《モーツァルトとバス釣り好きな人は必読かも?》

    俗に【セカチュウ】でヒットした片山さんの作品を読んでみた。
    この作品は、村上春樹さんの【ノルウェイの森】に似ている
    そうだが、十何年前に読んだのでどうかなと言う程度である。
    片山さんの世界があるので、これはこれでよいのではと思ったが
    どうだろうか。
    この作品の出だしが男からの視線というか、語り口を感じた。

      …    …    …
     両親の関係が崩壊していく過程は、一つの教訓をぼくに
    もたらした。結婚は偶然の産物に過ぎない。何かの原因で、
    どちらか(あるいは双方)が自分たちの結婚生活に情熱を
    失えば、夫婦など素粒子みたいに簡単に崩壊してしまう。
    どんなに運命的に見える出会いも、一緒になってから冷静
    に振り返ると、若気の至りか勘違いであったことに気づく。
    そして「おれは(わたしは)たまたまそこにいた相手を、
    たまたまそこにいたというというだけの理由で、生涯の
    伴侶にしてしまったのでないだろうか(しら)」という、
    パスカル的な崩壊にとらわれる。
     世の中の夫婦が子どもをつくるのは、一緒に暮らして
    いる相手が、じつは生涯の伴侶でもなんでもなく、偶然
    という運と不運によって、たまたま契りを結ぶに至った、
    きわめて蓋然的な存在である、ということにみんな薄々
    気がついているからではないだろうか。

    中略

    どうしてぼくたちは、はずみや勢いで選んでしまった相手と
    ステディな配偶関係を結び、あたりはずれにかかわらず、
    生涯の大半を共に暮らすなどという不合理を延々とつづけて、
    いるのだろうか。

      (本文より)

       …     …     …

    ベター・ハーフ  唯川 恵

    • 2004.09.24 Friday
    • 13:17
    ベター・ハーフ
    ベター・ハーフ
    唯川 恵

    【ベタ−・ハーフ】 唯川 恵 著  集英社

    《ベストではなく、ベターであれば?》

    バブル景気 株の暴騰 バブル崩壊 リストラ 熟年離婚
    親の痴呆症 子供のお受験 不倫などさまざまのことが
    次から次へと起きてくる。
    夫婦は、これに対してどうするのか?
    恋愛は別れても良いが夫婦となればどうなるのか?
    現在なら結婚式で新郎の前の彼女が手首を切った
    ところに遭遇したら、別れてしまうような気がするが、
    実際はどうなるのか。最初から大変なのです。
    唯川さんのは読みて、次から次へと問題を起こして
    展開が早く、先を読みたくなる。

    あとがきより

    ベストではなく、ベターである。
    ということに、心惹かれて書き始めました。
    最高ではないが、まあまあのパートナー。
    そんな相手であれば、結婚は大成功といえるのかも
    しれません。
    結婚を否定するつもりも、肯定するつもりもなく、また、
    失望しているわけでも、過大な期待を抱いているわけ
    でもなく、結婚というシステムについて、何だかんだ
    言いながらも、多くの男と女がその形態を選んでゆく、
    その理由を知りたかったのです。
    けれど男と女は奥が深く、結婚を理解するにはまだまだ
    修行が必要のようです。 

    デッドエンドの思い出  よしもと ばなな

    • 2004.09.22 Wednesday
    • 13:15
    デッドエンドの思い出
    デッドエンドの思い出
    よしもと ばなな

    【デッドエンドの思い出】 よしもとばなな 著 文藝春秋

    《幸せって どういう感じなの?》

    5つのラブストーリー。
    あとがきにこう書いてある。

     読んでくださった皆様も「なんでこんなつらいものを
    金を出してまで読んでいるのだ´」と思ったかもしれな
    いけれど、この切なさは(もしもたまたま気が合って、
    これを読んで切ないと思ってくださったなら)、きっと
    なにか必要のものなのだと、私はなんとなく思って
    いますので、許してください。私はばかみたいで、こ
    の小説集に関しては泣かずにゲラを見ることができ
    なかったですが、その涙は心の奥底のつらさをつら
    さをちょっと消してくれた気がします。皆様にもそうで
    ありますよう、祈ります。

    いつもよしもとばななさんの物語は切ないのだろうか
    と思います。日常に過ぎていく時間のなかに人の
    心はつらく、切ないのです。そのなかにもほんのすこし
    の温かさがあります。

    夫婦公論  小池 真理子, 藤田 宜永

    • 2004.09.18 Saturday
    • 13:12
    夫婦公論
    夫婦公論
    小池 真理子, 藤田 宜永

    【夫婦公論】 藤田宜永・小池真理子 著  集英社文庫

    《夫婦のバトル・エッセイ》

    夫婦作家のエッセイである。
    テーマを決めて両方が書かれている。

    夫婦の会話
    男   確かに、私は無類のおしゃべりです。しかし、自己
        正当化と簡単に判断するのは軽率です。私のお
        しゃべりは、謙虚さの顕れなのです。
         カフェバーのカウンターで黙って、酒を飲んでいる
        だけで、女の方から私を誘ってくるだろうなんて、
        おこがましいことは一度たりとも考えたことはあり
        ません。
         また夫婦となってからも、たえずカミさんを笑わせ
        喜ばせていなければ、いつか他の男に心を奪われて
        しまうのではないか、と不安にかられるのです。

    女    そんなにしゃべりたいことがあるもんだろうか、と
         不思議にで、最初は相当、面食らったが今では
         慣れた。生返事をしながら右耳で彼のおしゃべりを
         聞き、左耳でTVの音声を聞き取る、というカミワザ
         的なこともできるようになった。彼のおしゃべりを阻止
         し、逆に私が言いたいことだけをしゃべり返すコツも
         覚えた。やれやれ。
          夫(妻)の無口が原因で、夫婦の関係がおかしく
         なるケースはあっても、夫(妻)の饒舌が原因でお
         かしくなることは少ない。何故か。無口は誤解を
         生むが、饒舌が生むのは、せいぜい騒音だけだか
         らである。
         (本文より)

    男がおしゃべりで女が無口な関係は少ないような気がします
    が、お互い無口だったり、おしゃべりだったりだとうまくいくの
    でしょうか。騒音がいつか、騒音に思われなくなってきたら?
         

    グロテスク  桐野 夏生

    • 2004.09.14 Tuesday
    • 13:10
    グロテスク
    グロテスク
    桐野 夏生

    【グロテスク】 桐野夏生 著  文藝春秋

    《グロテスクは怪物なのか?》

    【東電OL殺人事件】佐野眞一さんの本を以前、読み始めたが
    あまりにもリアル過ぎて数ページ読んだだけでやめた。
    その東電OL殺人事件がモチーフになっている。
    この話が核になっているが、その他にも差別などの話を
    書いてあり、読み応えがある。家族の差別、姉妹の差別、
    学校の差別、会社の差別、社会の差別、誕生の差別。
    桐野さんは、こういう主人公の悪意?に満ちた作品は本当に
    巧い。主人公は、昼は会社員、夜は娼婦の女性ではない。

     勝ちたい。勝ちたい。勝ちたい。
     一番になりたい。尊敬されたい。
     誰からも一目置かれる存在になりたい。
     凄い社員だ、佐藤さんを入れてよかった、と言われたい。

     誰か声をかけて。あたしを誘ってください。お願いだから、
    あたしに優しい言葉をかけてください。
     綺麗だって言って、可愛いって言って。
     お茶でも飲まないかって囁いて。
     今度、二人きりで会いませんかって誘って。

     勝ちたい、勝ちたい、勝ちたい、一番になりたい。
     いい女だ、あの女と知り合ってよかった、と言われていたい。
     (本文より)
    これは、昼は会社員、夜は娼婦になった女性に気持ちで
    ある。この女性が年収1000万もあるのに家庭、家族の
    為に娼婦になるのか、自分自身の存在の為に娼婦になる
    のか、わからないが生い立ちの部分がどう作用しているの
    か、作品のなかに隠されていのかも知れない。
    この会社員より主人公の女性の話が面白い。こういう感覚
    の人はいるのだろうか?父親を見る目、母親を見る目、妹を
    見る目、友達を見る目、先生を見る目等々、すべてが自分の
    目で見ていることであり、自分の感情が好き、嫌いと分かれて
    いることだ。それも善意に満ちたことはほとんどないのだ。
    誰でも漠然と好き、嫌いな感情はあるが明確な気持ちで
    好き、嫌いな感情をもってないような気がする。
    この本を読んでも、何で人間は生きているのか、と言うこと
    がわからなくなる。

    蛇にピアス  金原 ひとみ

    • 2004.09.12 Sunday
    • 13:08
    蛇にピアス
    蛇にピアス
    金原 ひとみ

    【蛇にピアス】 金原ひとみ 著  集英社

    《耳に大きなワッカ、重くないの?》

    第130回芥川賞受賞作の作品である。

    「スプリットタンって知ってる?」
    「何?それ。分かれた舌って事?」
    「そうそう。蛇とかトカゲみたいな舌。人間も、ああいう舌
    になれるんだよ」
     男はおもむろにくわえていたタバコを手に取り、べろっと
    舌を出した。彼の舌は本当に蛇の舌のように、先が二つに
    割れていた。私がその舌に見とれていると、彼は右の
    舌だけ器用に持ち上げて、二股の舌の間にタバコを
    はさんだ。
    「……すごい」
     これが私とスプリットタンの出会い。
    「君も、身体改造してみない?」
     男の言葉に、私は無意識のうちに首を縦に振っていた。
      《本文 出だしより》
    最初、太さ1.5ミリ程度あけて、それをすこしずつ拡張して
    いき、最後に残った先端部分をデンタルフロスや釣り糸
    などで縛り、最後にそこをメスやカミソリで切り離すと
    スプリットタンが完成するとある。
    これを読んでもただただ痛いしか言葉が見当たらない。
    人間は何故、自分を傷つけるのか。
    民族によっては、こんなことを当り前のようにしている国も
    あるが、日本が平和すぎるのだろうか。
    爆笑問題が司会する深夜番組で作家の森村誠一さんが
    人間には、食欲、性欲、表現欲があると言っていた。ここでは
    書くことを取り上げていたが、表現欲にはファッションなども
    含まれる。ピアスを耳、舌、臍などなどしているのをテレビで
    見たことがあるが体に異常をきたさないのだろうか。
    この若い女性は、ただかっこいいだけでなく生きている証が
    欲しかっただけなのか?

    瑠璃の海  小池 真理子

    • 2004.09.10 Friday
    • 13:05
    瑠璃の海
    瑠璃の海
    小池 真理子

    【瑠璃の海】 小池真理子 著  集英社

    《瑠璃というのは、どういう意味か?》

    バス事故で夫を失った三十代なかばの女性と、
    娘を失った男性、突然の悲劇に、結びつけられた
    二人は、同じ孤独の淵で愛し合い、終末に向かう。

    本当の愛とは、
    求め合う愛とは、
    最後の結末は、こうなってしまうのか。
    この本を読むと誰もが真実の愛はしてないし、
    誰もが中途半端な愛なのかと思ってしまいます。

    ぼくのボールが君に届けば  伊集院 静

    • 2004.09.08 Wednesday
    • 13:03
    ぼくのボールが君に届けば
    ぼくのボールが君に届けば
    伊集院 静

    【ぼくのボールが君に届けば】 伊集院静 著  講談社

    《野球にも普通に哀しみがあるのです。》

    9つの短編集である。
    9つとも読めば読むほど眼に涙が滲んできます。

    「主人は最後まで私にやわらかなボールを投げてくれて
    いたんです」
    「やわらかなボール?何のことですか」
    「キャッチボールですよ。野球はあまり詳しくありませんか?」
    「あまりね。けどキャッチボールくらいはわかるよ」
    「そのキャッチボールですが、あれは最初、やわらかなボール
    を投げ合うんです。相手が受けとり易い」
    「そうなんですか?」
    「はい。それがキャッチボールの基本です。やわらかなボール
    を相手も同じように投げ返して、そうして少しずつ離れていって
    速く強いボールを投げるように練習するんです。一方的に
    強いボールを投げて相手が受け止められないのは、キャッチ
    ボールじゃんないんです」  《本文より》

    ぼくが野球少年だった頃です。
    キャッチボールについては先生に厳しく言われました。
    相手の捕り易い胸に向かって投げるようにと。
    相手の捕り易いように心をこめてと。
    相手が捕り易く次の動作がしやすいようにと。
    遠い昔、野球少年だった頃は無我夢中だっただけでした。

    いらっしゃいませ  夏石 鈴子

    • 2004.09.06 Monday
    • 13:00
    いらっしゃいませ
    いらっしゃいませ
    夏石 鈴子

    【いらしゃいませ】 夏石鈴子 著 朝日新聞社

    《入社試験、面接の話が楽しい。》

    話もおもしろいが会社の受付のことだから、すこしは
    身近な物語です。出版社に入社して、受付の職場に
    配属され、受付の業務の内容を覚えていくところが
    おもしろいのだ。4人体制で起きる人間関係が、さらに
    話を楽しくさせてくれる。ひとり独特な人を入れてある。
    まったく違う波長の女性が物語のおもしろさを倍増
    させている。これを読むと会社の受付という職場の
    意味合いが確実にわかる。お客が最初に会うのが
    受付である。言葉使いから、服装まで、会社の人間の
    顔から、お客の特徴まで。受付は、大変なのだ。

    嫌われ松子の一生  山田 宗樹

    • 2004.09.05 Sunday
    • 12:56
    嫌われ松子の一生
    嫌われ松子の一生
    山田 宗樹

    【嫌われ松子の一生】 山田宗樹 著

    《平凡な人にはキツイ話しだ。》

    378ページの2段書きなのに、あっというまに読んで
    しまった。国立大を出て教職付いていた女性が『一瞬
    にして運命の歯車が狂った』。24歳から亡くなるまでの
    三十年間の話である。
    一度、歯車が狂い出すとその後の人生には、良い結果は
    得られないのだろうか。
    家族を捨てても、故郷を捨てても、胸のどこかに去来する
    思いだけで生きていけるのか。
    大学生の甥っこが松子叔母の足取りを探る。松子叔母の
    存在さえ知らなかったのだ。
    なんて悲しい人生なんだ、なんて悲しい生涯なんだ。
    最後のシーンだけで、どうにか松子の人生が救われる
    思いがした。

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