パーク・ライフ
吉田 修一
【パーク・ライフ】 吉田修一 著
《公園、それは人間にとってどういう意味があるのだろう?》
第127回芥川賞受賞作品である。
地下鉄の電車の中で後ろに、まだ先輩がいるものだと
思い、見知らぬ女性に話し掛けてしまう。そこから、
始まる物語です。
僕は【パーク・ライフ】公園生活、公園を根城にしている
ホームレスの話しかと思ったが、公園をよく利用している
人の話しであった。
公園の昼、夜、公園に集う人たち、公園の四季など
公園、そのものも書いてあってなかなか興味深い。
この作品は文章にあまり飾り気がなく、たんたんと
進んで読みやすい。
場所は日比谷公園である。
日比谷公園と言えば、先日見たドキュメントが非常に
感動した。
NHKテレビ にっぱん夏紀行【東京日比谷・鉄棒クラブ】
という番組である。
日比谷公園の鉄棒に集まるサラリーマンの話しである。
ただ鉄棒にぶら下がりに来る人、懸垂を繰り返すだけの人、
学生時代に鉄棒が出来なくて、ようやく逆上がりから
初めて大技に励む人、勿論鉄棒が得意な人も。
ある技に何百日を費やしてようやく自分のものに出来る。
リストラを言い渡された、その人には鉄棒で達成した充実感に
溢れていた。何事にも精進することの大切さが滲み出ていて
見ている方もうれしかった。