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    ビタミンF  重松 清

    • 2004.01.30 Friday
    • 01:33
    ビタミンF
    ビタミンF
    重松 清


    【ビタミンF】 重松清 著

    《家族って何かな》

    家族、家庭の話である。
    子供のいじめ、家族のあり方、夫婦の問題 7編からなる話である。

    『 「最後にちょっとだけ屁理屈言っていいかな。半分、俺のやったことの言い訳になるんだけど」
     黙って、言葉を待った。
     「家庭っていうのは、みんながそこから出ていきたい場所なんだよ。俺はそう思う。みんなが帰りたい場所なんじゃない。逆だよ。どこの家でも、家族のみんな、大なり
    小なりそこから出ていきたがってるんだ。幸せとか、そういうの関係なくな」
     僕はうなずかない。
     「拓己くんは、みんなが帰りたがってる場所を家庭だと思ってるんだよな。だから不倫する奴や、離婚しちゃう奴の気持ちがわからないんだ。そうだろう?」
     うなずかなかったが、認めた。
     「じゃあ、なんできみは自分の育った家を出ていったんだ?きみが東京でつくったたいせつな家庭って、ここにあった家庭から出ていったからつくれたんじゃないのか?」
     浜野さんは踵を返し、また玄関に向かって何歩か進んで、振り向いた。
     「きみとお義母さんのやってることは同じなんだよ。出ていったひとには、同じように出ていったひとを責めたり恨んだりする権利はないんじゃないのか?」
     そして、もう一言、言った。
     「出ていったひとを黙って迎えてやろうとするひとに反対する権利もないだろ」
      
     
      僕のつくった僕の家族は、東京の、ニュータウンの、手狭なマンションの一室に、ある。たしかに、ある。そうかんたんには壊れないと信じて、壊してたまるかと誓って、けれどほんとうは、家族というものはこんなにもあっけなく壊れてしまうだとも、僕は知っている。   』

     ストーリーは、二人姉弟と両親がいて、二人とも結婚したと同時に母親が家を出て会計士のもとで生活するようになる。いわゆる熟年離婚である。そして何年かが過ぎ、母親の相手の会計士がなくなり、それを知った父親が母親と暮らしたいと言い出したのだ。主人公は、父親も母親も身勝手すぎると思いがある。
    姉が離婚した相手が主人公に家庭、家族のあり方を諭しているところである。
    この姉の元夫は、不倫していたのだ。これにはちょっとした感情があるようだ。本書で読まれたし。

    家族の危うさ、脆さ、しかし何かがある、絆がある、いったん手を離すと風船みたいにどこへでも飛んでいく。

    なるほどの対話  河合 隼雄, 吉本 ばなな

    • 2004.01.25 Sunday
    • 01:28
    なるほどの対話
    なるほどの対話
    河合 隼雄, 吉本 ばなな

    【なるほどの対話】 河合隼雄・吉本ばなな 著

    《人間は成長しているのか 》

    この本を読んで感じたのは、人間って昔よりは今の人の方がが成長しているのか、どうかと言うことで、多分成長はしていないのではないかということです。
    たとえば機械などは、どんどん改良されて立派になっていきますが、人間の中身はどんどんとちぐはぐになったきてるように思うのです。

    先日、電車に雑誌があり、パラパラめくっていたら、中崎たつやさんの漫画が出ていました。昔からファンで読んだことがあるので見たんですが、何か強烈に頭に残りました。
    8コマ漫画であらすじは、こうなんです。子供がアリを殺しているんですよ、それを見たお母さんが、アリは殺してはダメだと言うんです、すると子供が、ではなぜお母さんはゴキブリを殺して、アリは殺してはダメなのと聞くんです。お母さんは、子供に説明がつかなくて、旅に出て修行すんです。3年、五年と修行して、で帰ってきて、答えを言うんです。『なんとなく』と、ウーンと唸ってしまいました。

    【なるほどの対話】の中に
    『中学校なんですけどね。その「おたずね者」は無理やりカウンセラーのところに連れてこらたわけです。で、話をしているうちにその子はわかったんでしょうね、パッと正面を向いて、「先生はなんのために生きてるんですか」と訊くわけです。カウンセラーはたじたじとしてね。すぐには答えられないでしょ。「うーん、それはすごく大事なことだと思う。自分も一生懸命考えてるんだけど、あなたにいますぐ言葉で伝えられるほど、まだわかっていない」と、こう言った。そしたらその子は「私はそのことが話したいんだ」と。ところが自分の同級生は、誰もそのことについて話をしないと言うんです。彼らはアイドルの話とかしてるわけでしょ。「それができるんだったら、ここに来る」ということになって、そのカウンセラーのところにしゃべりに来るようになった。………………』
     (本文より)

    いろいろの哀しみ  白石 公子

    • 2004.01.20 Tuesday
    • 01:25
    いろいろの哀しみ
    いろいろの哀しみ
    白石 公子

    【いろいろの哀しみ】 白石公子 著

    《本は僕に何を教えてくれるのか。》

    冒頭(始まりの前に)に「人間のこころは不潔だ。実験の解剖台か、肉屋のまないたのようだ」という言葉が記されている。
    一家族の話である。長女がメイン、長女が溺愛する弟、長女が何故か憎んでいるが下のフロアに住んでいる会社社長の母親、動物の剥製にとりつかれて地方に住む父親。長女が溺愛する大学生の弟のために彼女を世話することが普通なのか、イビツなのか?正式に別れている母親が男を家に連れ込むのは、普通なのか、イビツなのか?それを批難する子供たちだがそれが普通なのか、イビツなのか?自分の世界に入るために家族と別れる父親は普通なのか、イビツなのか?結末は、血が繋がっている家族だということだろうか。

    しょっぱいドライブ  大道 珠貴

    • 2004.01.17 Saturday
    • 01:22
    しょっぱいドライブ
    しょっぱいドライブ
    大道 珠貴

    【しょっぱいドライブ】 大道珠貴 著 

    芥川賞受賞作品である。
    30歳過ぎた女性と60歳を超えた男性のほのかな恋愛話である。人のよいオジサンである。女性の家族にお金を貸しても返せと催促しないのだ。親はもとより、兄、それと彼女がお金を借りているが、いつもどおりの関係なのだ。大地主ということだが、こんな人もいるのだろうかと思ってしまう。
    軽トラックでのドライブである。

    東京物語  奥田 英朗

    • 2004.01.15 Thursday
    • 01:17
    東京物語
    東京物語
    奥田 英朗

    【東京物語】 奥田英朗 著

    《東京・若者》

    コピーライターとして、駆け出しの若者の物語である。
    宣伝文句が出来る過程が出てきて面白い。
    別世界の業界の話であるから新鮮に映る。
    東京は何が若者をひきつけるのか?
    と書いてきたが、まだ2章もでしか読んでないのだ。
    読みやすいので最後まで読める気がするが?
    一章に出てくるのだが1980年12月9日にジョン・レノンが何者かに
    殺された。
    そのときの驚きは音楽を愛するもしかわからないのか?
    その一日のことを書いてあるが、私など音楽に無縁なものにとっては
    なんで殺されたのかと言った他人事で終わった。

    象を洗う  佐藤 正午

    • 2004.01.10 Saturday
    • 01:14
    象を洗う
    象を洗う
    佐藤 正午

    【象を洗う】 佐藤正午 著

    ショートの物語があるが、エッセイ本である。
    相性がよいのか、すっと読める。
    ここでは結婚のことをあげてみる。
    『彼女には一緒に暮らす家族がいて、会社や学生時代の友人たちがいる。アパートで独り暮らしの彼にも実家があり、大勢の友人もいる。つまり彼女と彼と取り巻く集団には、何百という眼や耳や口がある。出会いと別れは彼女と彼とのふたりのあいだの出来事でも、出会いから別れまでの一年間をふたりきりで過ごすことはできない。彼女と彼が出会い、まもなく愛し合うようになった途端、周囲の人間の眼や耳や口がからんでくる。』

    『あるとき彼女は男から花を貰った。仰々しい花束ではなく、一輪挿しにぽんとさしておける程度の花だ。前々から男が自分に好意を持ってくれているのは判っていた。でも彼女のほうはピンと来なかった。いまいち、何だかな、といった感じだった。でもその日、一緒に食事をした帰り道で男が買ってくれた花を、彼女は大事に部屋に持ち帰った。
    それから彼女は二時間ほどかけて台所を掃除した。  
    中略
    つまりグラスの一輪挿しが彼女の台所を変えてしまったわけだ。その夜、自分の顔が映るくらいにぴかぴかになったレンジの前に立ち、彼女は強いて言葉にすればこんなことを感じていた。自分自身も一緒に変わってゆけるかもしれない。男ともっと深くつきあうことで、自分にもこんな変化が訪れるかもしれない。いや、すでに、彼から貰った花の置き場所のために夜中に拭き掃除なんかしている自分は、変わりつつあるかもしれない。』

    前者はうまくいかない話で、後者は恋のはじまりの確認である

    揺れる夏 追憶の橋  鎌田 敏夫

    • 2004.01.08 Thursday
    • 01:11
    揺れる夏 追憶の橋
    揺れる夏 追憶の橋
    鎌田 敏夫

    【揺れる夏 追憶の橋】 鎌田敏夫 著

    《恋愛はミステリー》

    鎌田敏夫さんのは【恋愛映画】【京都の恋】と読んで今年3冊目である。脚本家として有名である。会話が多く、読みやすい。
    【揺れる夏 追憶の橋】は高校時代に自転者通学して通った橋に夏の日に男女10人が年毎に集まろうと決意し、1年目から10年目までの夏の日の1日を書いている。10人の人生模様を書き出している。25歳から35歳くらいまでである。大部分が恋愛についてのテーマである。

    コンセント  田口 ランディ

    • 2004.01.07 Wednesday
    • 01:05
    コンセント
    コンセント
    田口 ランディ

    【コンセント】【アンテナ】 田口ランディ 著


    【コンセント】は兄がアパートの流しで亡くなるのだが、何故死んだのかを妹を通じて解き明かしていく話である。
    【アンテナ】は妹が15年前忽然と消えた、何故消えたのか、兄を通じて物語が進んでいく。
    帯には《家族の再生と自己救済の物語》《身体と精神の新たなる宇宙に挑む最先端文学!》とある。
    ふた作品とも精神、心理、身体、宇宙、家族、男、女、今まで読んだことがない物語である。
    科学的でないところがよくわからないがおもしろい。
    不思議で、不思議で強烈な文章である。【コンセント】の方が、わからないなりにも読みやすい感じがする。
    『中略。最初に会った時、なんてへなちょこな野郎だと思っていたのに、結局、あなたの力に私は助けられたのかもしれない。ほんの少し封印を解いただけで噴出してきたあなたの凄まじいまでの性欲には圧倒されました。いったいあれは何なのでしょうね。そこにあたしも巻き込まれてしまった。まるで地獄の息吹のような力強いエネルギー。大地の底で燃えるマグマみたいなパワーだった。それに触れたらどうしようもなく生殖のためのセックスがしたくなった。自分の中の太古の女の性欲が目覚めたみたいだった。かって人間はあんな凄まじい性欲をみんなもっていたのかもしれないですね。子孫を残そうという強い願い。それが男にも女にもあった。個を超えて命の永遠を渇望する生き物としての祈りが、四十億年、あたしたちを繋いできた根源的なパワーなのかもしれない。中略。』これは最後の文章でSM嬢(SM嬢がフツウの女に戻る)が主人公にメールを出したものであるが、わかったようでわからない。
    である。

    ジャンプ  佐藤 正午

    • 2004.01.05 Monday
    • 01:02
    ジャンプ
    ジャンプ
    佐藤 正午

    【ジャンプ】 佐藤正午 著

    【ジャンプ】は恋愛小説と思って読み始めたら、女性があるときからいなくなり(失踪)、その追跡することから女性の生き方と廻りの人との関わり方などを彼氏の目で綴られていく。以前何冊か読んだ佐藤作品とは趣きが違ったが、面白く読めた。
    『一杯のカクテルがときには本人の運命を変えることもある。
    しかも皮肉なことに、カクテルを飲んだ本人でなく、そばにいる人のほうの運命を大きく変えていまう。中略
    あるとき彼は恋人とデートをして、別れ際にウインドーに飾られた一足の靴に目を止めた。そしてそれがどうしても欲しくなった。が、金の持ち合わせがなかったので恋人に代金を立て替えてもらい、その靴を買うことにした。今度会うときに返してくればいい、と言って彼女は嫌な顔ひとつせずに立て替えてくれた。
    そこまではよかった。
    ところがその晩、なけなしの金を彼に貸したせいで、彼女はタクシーで帰宅する予定だったのをバスに変更した。そして後に判明したことだが、バスの車中で思わぬ懐かしい顔と再会したのだ。それは彼女の中学校時代のボーイフレンドだった。結局その偶然の再会をきっかけにして、のちに彼女は彼のもとを去り、中学校時代のボーイフレンドと一生をともにすることなになった。』
    が前文に教訓みたいに出てくる。最後に失踪の謎が以外と簡単にわかるがつまらないものを読んだとは思わないのは《恋愛はミステリー》なのかもしれないと考えるか。

    スペインの雨  佐藤 正午

    • 2004.01.01 Thursday
    • 00:58
    スペインの雨―The Rain in Spain…
    スペインの雨―The Rain in Spain…
    佐藤 正午


    【スペインの雨】 佐藤正午 著

    《小説作法》

    短編集であるが、小説の題材の集め方などが織り込まれていておもしろい。業種の違う同年代からの話、バーやクラブのホステスさんからの話など、なるほどこんなことは、こんなところから、こんなふうに集めているのか。

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