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    女たちのジハード  篠田 節子

    • 2003.11.25 Tuesday
    • 00:03
    女たちのジハード
    女たちのジハード
    篠田 節子

    【女たちのジハード】 篠田節子 著

    《OLについて》

    《踏まれても、虐げられても、[現代OL道]を極める5人の女達・・・・・・・・。》
    《めげず挫けず我が道をゆく聖戦・ジハードという企み!》
    本屋に行って、本棚を眺めていて気にはなるが、読めそうもない気がする本がある。本の厚さもあり、内容もわかりかねるようだしと思う。そんな本の一冊が【女たちのジハード】である。直木賞作品でもある。
    ジハード(聖戦)はアフガニスタン戦線で有名になったが、この本の題名のほうが早そうだ。
    損保会社に勤める5人のOLの物語である。オニムバス形式でそのひとつ、ひとつが短編で物語が繋がっているようだ。現代の会社事情も含んで、そんな中でOLは何を考え、何を目指そうとしているのかが良く描かれている。あるOLは結婚へ、あるOLはアメリカで資格を取って、あるOLは起業家を目指してといろいろである。会社、社会への闘いなのである。
    競売物件によるマンションの獲得方法などや、アメリカのパイロット訓練専門学校事情など詳しく書いてあって興味深い。
    『世の中に、「普通のOL」などという人種はいないし、「普通の人生」もない。いくつもの結節点で一つ一つ判断を迫れながら、結局、たった一つの自分の人生を選び取る』

    昔はOLでなくBGと言っていた。BGはビジネスガールで商売女に結びつくということでOL、オフィスレディーになった。今はやはりOLでなく、読み方は別として、BGの方がいいのではと思うが。
    私の知っているOLたちも結婚だけでなく、英会話、生花教室、料理、音楽、スキュバーダイビング、などなどと忙しいのである。海外旅行は当たり前だし、冬はスキー・スノーボードだし、本音は何処に人生感を求めているのだろうか。

    愛才  大石 静

    • 2003.11.20 Thursday
    • 23:33
    愛才
    愛才
    大石 静

    【愛才】 大石静 著

    《母と息子 絆》

    母親が90歳くらいで亡くなり、痴呆ぎみの65歳の息子が火葬した釜から焼いた骨を食べるということを書いてあったが、母親と息子の絆のすごさを書いている。
    5年前、僕も火葬から焼いた骨を壷に入れるのを義兄が亡くなったときに経験したが、ショックを受けた。ほんの前まで、人間の形をしていたのが、焼いた骨だけである。小さい孫たちもそれに立ち会っているのにも驚いた。人間の一生は灰となってしまうのか、魂だけは残されるのか。人間の無常さを感じる。

    僕が幼いときに父親、御祖父さん、御祖母さんと立て続けて亡くなった。これが僕の性格にも影響しているように思える。心の底から笑うことが出来ないし、哀しむことも出来ない。幼いときに受けたこの経験は人間の死を逃ざけよう、考えないようにしようとするのだが、追いかけてくるのである。
    人間、誰でもが誕生のスタート切ってからは回り道ばかりでも、後から考えれば死に向かって一直線に進んでいるのである。一日、一日を目一杯に生きるしかないのである、そんな気がする 

    不自由な心  白石 一文

    • 2003.11.10 Monday
    • 23:53
    不自由な心
    不自由な心
    白石 一文
    【不自由なこころ】 白石 一文 著

    《小説にみる男の人生 1》

    男の人生について考えてみる。
    『―――私は今年で52になります。人生なんて早いものです。情けない言いぐさですが、自分の人生というのは、どうもこんな筈じゃなっかたのではないか、これは後悔とも少し違うのだが、もっと別の自分が本当はあったような、そんな気がして仕方がありません。結婚には失敗しました。仕事や子育ては、そこそこでしょうか。そんなもんです。無理に思い出せばたくさんあるのですが、自然に湧き起こってくる人生の鮮やかな場面というものが、どうにも私には余りない。寂しいものです。……………………・・』
    《おい、おい、そんなことを言うなよ》と言いたくなります。設定では取締役部長ですよ。
    そうは言っても、男の勝ってな言いぐさかもしれませんが、みんな似たり寄ったりかも知れません。満足して人生を送ってきた人は一握りかも知れないなと思います。
    この部分は私の人生の思いとそっくりなので、この部分を読んだときはびっくりしてしまいました。

    《小説にみる男の人生 2》

    『日本人はさ、本当は金儲けのためだけで商売してわけじゃなかったとぼくは思っている。安っぽくいえば、商売の向こうには幸福の実現がなければ、ぼくたちの仕事はただの労働でしかないからね。ただぼくはその意味では、自分の仕事に最近その確信が持てなくなっていた。会社を辞めたことも、その意味ではまんざら捨てたものではないと思っているよ。――――――――人間、ただ一生懸命働けばそれでいいってものでないだろう。』(本文より)

    いけいけの部長だったひとが会社をやめて、次の会社に移って何をやっているか、主人公が前の上司を尋ねて行き会話している部分です。文房具を扱っている商社が舞台です。上司がいう、おれが子供のときは一本の鉛筆が,一個の消しゴムが宝だったよ、いまはちょっと使えばあたらし物だろう。世界には一本の鉛筆が、一個の消しゴムが、一つの定規がまだまだ宝だと思っている地域が一杯あるだろう。そんなところに安く送ってやっているんだよ。
    主人公があのやりての部長がそんな思いで仕事をしていたのかと愕然としてしまうのです。

    私なんかも漫然と仕事に係わっていて、仕事に意味を持っていいないなあと思うだけです。

    《小説にみる男の人生 3》

    『坂本さん、俺は日本も日本人も大嫌いなんです。ほんとうにこの国の人間はみんな蟻ん子のような奴らばかりです。誰にも自分ってものがない。誰も自分の頭で考えちゃいない。誰も他人のことになんか興味がない。そのくせ自分のことをよく知らないんだ。要するにみんなあんたみたいなんですよ。分別を持って、自ら律して、人に迷惑をかけず黙々と与えられた仕事をこなす。別に俺はそれを間違いだと言わないけど、だからって、そんな生き方を他の人間に押しつけていいってことにはならんでしょう。ところがね、日本人ってのは、そうやってちょっと自分と違った奴がいると、妙にムカついて、悔しいもんだから、それを寄ってたかって排除したり潰したりしようとするんだ。説教くさいことも百も二百も並び立ててね。いまあんたがそうしているように。あんたみたいにさ、小さな善ですべて処罰しようとする人間がさ、この国もこの国の人々もみんな駄目にしちまってるんだよ。大きな罪に目をつぶって、ちいさな悪をことさら追求して、結局大悪人をのさばらせてるんですよ。そんなこともあんたは分からないんだ。』
     (本文より)

    カメラマンの人物が主人公のサラリーマンに言っている部分です。部下の女性がカメラマンに虐待を受けているのを相談されて百万円を渡し、決着しょうとしている部分です。その後、その部下の女性と結婚するが、5年後女性はまたカメラマンのもとに帰ってしまうという哀れな結末の話しです。家を出て行く前に夢で大きい卵、ダチョウくらいの卵の夢をみたというんです。
    おちというか5年間巣立つため5年間温めていただけなのか………………。
    【夢の卵】それは、それはあまりにも哀しい人生の物語です。

    《みんな、おまえに言われなくても分かっているよ、ただ、どうしょうもないこともあるんだよ…………・。ああ、やりきれないな………………・・。》

    男の人生はなんだろうか、哀れすぎる。悲しすぎる………・・。
    なにか、楽しいこともあるはずだ……・・きっと、きっと。   

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