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    パイナップルの彼方  山本 文緒

    • 2003.06.20 Friday
    • 23:12
    パイナップルの彼方
    パイナップルの彼方
    山本 文緒

    【パイナップルの彼方】【ブルーもしくはブルー】 山本 文緒著

    第一作、第二作である。山本 文緒作品は、どの小説を読んでも、わくわくさせて、時にドキドキ感があり、面白い。小説自身は、登場人物も特異な人でなく、ありふれた人達だから、なおさら《凄い》の一言である。
    書評家の北上次郎さんでさえ、解説で、「私も書評稼業を二十年近くやっているので、並の新人では、たとえそれが傑作であっても、それほど驚かない。ところが、本書には、ホント ぶっとんでしまった。・…………」と、述べているのである。

    【パイナップルの彼方】は、若い女性の主人公が、会社の女性先輩と女性後輩との間に入って悩みありの、トラブルありの話である。

    【ブルーもしくはブルー】は、女性が結婚する前に好きになった人と、今、結婚している人とのチエンジしたらどうなるかという設定である。女性同志は、瓜二つである。男性が失恋して、前に好きになった人に似てる人を妻に迎えたのである。妻が入れ替わることに起こるさまざまな心の感情を描いている。


    本も読みやすい文体と読みにくい文体がある。読みやすくするのも、作家の技量であるように思えてしかたない。このコラムは、読者にどんな風に感じに捉えられているのか、そんなことは五十年早いと言われそうだ。

    初夜  林 真理子

    • 2003.06.18 Wednesday
    • 23:08
    初夜
    初夜
    林 真理子

    【初夜】 林真理子 著

      唯川 恵さんが女性の気持ちが伝わる小説だと林 真理子さんの【初夜】を推奨したので、読んでみた。
    11篇からなる、短編集である。
    《初夜》は、男の期待する初夜ではない。
    《初夜》は母親が子宮ガンで亡くなり、一人娘も子宮のしこりを取る手術する前の晩に父親が娘と一緒の部屋で添い寝する物語です。

    《眠れる美女》はこんな物語です。
    若い時に遊んだ男が、15歳以上離れた女性と結婚した。同窓の男がその家に行って、なぜそんな年齢差のある人を選んだのかと聞くのである。夫が27歳のときに結婚して現在は夫が42歳で妻が60歳なのである。

    天の刻(とき)  小池 真理子

    • 2003.06.10 Tuesday
    • 23:05
    天の刻(とき)
    天の刻(とき)
    小池 真理子

    【天の刻】 小池真理子 著

    【天の刻】は、こんな物語です。

    『 ここのところ、蕗子はせっせと死に支度をしている。
     いつ死んでもいいように、身のまわりに余計なものは増やさない。見苦しいもの、人任せにできないようなものはそのつど、整理し、処分する。下着類は古くなった順に惜しげもなく捨ててしまう。………………・

    四十七歳。いいことよりも、いやなこと、不快なこと、不条理なことがより多く起こりがちな年代でもあった。起こったことは、とりあえず黙って受け入れていかねばならない。たとえ悪性腫瘍だ、と言われても、はあ、そうなんですか。とうなずくだけで、大して自分は驚かなかったかもしれない、と蕗子は思う。
     天の刻、という言葉が蕗子は好きだった。何にでも天の刻というものがある。いいことが起こるのも、悪いことが起こるのも、全部それは天の刻なのである。そう思って生きてきたせいか、蕗子はあまり物事に動じない。何か起こるたびに、ああ、これは天の刻なのだ、と思う。逆わらずに受け入れる。そういう生き方が板についている。………………………・・

    …………………目を閉じると、昔関わった男たちの顔が甦る。
     あれも恋だった、これも恋だった、と一つ一つ、丹念に思い返す。そのすべてにからだの関係があったというのに、からだのことを何ひとつ思い出せないのは不思議である。思い出すのは、その男と交わした会話、その男の汗ばんだ手のぬくもり、肌を合わせた時にふと足にあたった膝の堅さ、その男の笑い声、二人の間に漂った空気、そんなささやかなものばかりである。・・………………………

     いずれにしても、悪くない人生だった、と蕗子は思う。もう欲しいものは何もないし、失うものも何もない。家の中はいつもきれいに片づいているし、いつ死んでも心残りはない。そう思って、蕗子はうっとりする。………………………・

    ため息の時間  唯川 恵

    • 2003.06.06 Friday
    • 23:03
    ため息の時間
    ため息の時間
    唯川 恵

    【ため息の時間】 唯川恵 著

    《化粧》

    老いも若きも、女も男も化粧する時代である。

     【肩ごしの恋人】という題名の唯川恵さんの書いた直木賞作品を数ヶ月前に読んでみたが、僕としては、どうしても納得いかない部分が心の中にあり、唯川作品を何冊かは買いこんであったが、目を向けないでいた。
    先日何気なく、インターネットのHPを見ていたら、学園祭の女子大生100人に聞く、本のランキングが載っていた。そのなかに【肩ごしの恋人】がベストスリーに入っていたのである。僕としては驚きであった。
     あらためて唯川作品を読んでみることにしたのである。
    【ため息の時間】は、9編からの短編集からなっている。いままでの作品では女性の目を通して書かれた作品が多かったが,この作品は男の目を通して書かれている。
    そのひとつ、ひとつの短編が心にしみてゆく、そんな本である。
    第一編の[ 口紅 ]は、結婚して二十年目に亡くなる妻とそれを見守る夫の話しである。夫は妻に化粧させないのである。

    ビジネス・ナンセンス事典  中島 らも

    • 2003.06.03 Tuesday
    • 23:01
    ビジネス・ナンセンス事典
    ビジネス・ナンセンス事典
    中島 らも

    【ビジネス・ナンセンス事典】 中島らも 著

     とび選りのものを選び、皆のものに聞かせてあげるので、こころゆくまで大声を上げて笑って欲しい。アゴが外れても、当局は一切関知しないので了承されたし。


       ぬ・……………濡れ衣 【ぬれきぬ】 身におぼえのない罪・評判
    キ ・…………
    そんなことを思い出していると、エレベーターの中で私の前にいる飯島ゆかりの腰のあたりから突然、
    “ぷぅぅぅぅーっ”
    という屁の音がした。一瞬シーンとしたエレベーターの中を、二秒後くらいに卵の腐ったような、あるいは硫黄泉に馬糞を放り込んだような異様な臭気立ち込めてきた。営業三課の市村がたまりかねたように、
    「誰だっ、こんなとこで屁をこくのはっ」
    と怒鳴った。……………………・・
    一同の目が、音の出所である私と飯島ゆかりのあたりに注がれた。私は泣きそうな飯島ゆかりの表情を見て我が身に罪をかぶろうかと一瞬思ったが、彼女の腐った性根を考えて思い直した。それでも、私はできるだけやさしく、
    「おや、飯島くん。お腹の具合でも悪いのに無理して出社したんだね」
    と言ってやった。すると彼女はキッと私をにらみ、こう言い放ったのである。
    「私のお腹の具合が悪くて、どうして課長がオナラをしなきゃならないのよ!?」     』
    (本文より)

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