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    恋愛小説  アンソロジー

    • 2006.12.17 Sunday
    • 04:24
    恋愛小説
    恋愛小説
    川上 弘美,篠田 節子,よしもとばなな 他
     321 ★★★☆☆
     【恋愛小説】 アンソロジー  新潮社

     《アルコールの味は、甘美で切ないのだろうか》

     出版社 / 著者からの内容紹介
    恋を読む。恋に酔う。甘くせつない痛みが胸に広がる、ひそやかな時間――5人の名手による極上の物語。サントリーとのコラボレーションで超話題、売り切れ店続出のミニ本「新潮ハーフブック」が一冊に!


     「天長より少し下がって」  川上弘美
     「夏の吐息」  小池真理子
     「夜のジンファンデル」  篠田節子
     「アンバランス」  乃南アサ
     「アーティチョーク」  よしもとばなな


     読み終わって、やけに飲む場面が多い話が多かったと思ったら、サントリーとのコラボレーションとあり、なるほどな、やっぱりそうなのかと妙に納得しました。
     5人の女性作家が恋愛小説を描く、それを読んで、それを一人づつ比較しながら、物語に酔う、そういう本なんでしょうね。

     「天長より少し下がって」  川上弘美
     ふたたび恋を始めたのは、三十代の半ばころからだったか。その夏はじめてのプールにつかるときの感じだったな、あれは、と真琴は思う。まだ濡れていない体と水着でもってプールの中に入ってゆくときの、気持ち悪いような、でも思い切って水に入ればすぐにやってくる開放感、ひさしぶりに男の人のくちびるを自分のくちびるに感じたときの、違和感と安心感が混じりあった感覚は、それにそっくりだった。(本文より)

     「夏の吐息」  小池真理子
     受話器の奥から、何かが聞こえてきた。そう、はっきりと私はそれを耳にした。
     吐息……あれはあなたの吐息だった。忘れるわけがない。あなたの肺の中で生まれ、あなたの喉を通って、あなたの口からもれてきた、あなただけの吐息。あなたと出会い、あなたと肌を合わせ、あなたと一緒に暮らしながら、何度も何度も耳にしたあなたの吐息。それはただの息でありながら、他の誰でもない、あなただけの息であり、私にしか判別できないものなのでした。
    (本文より)


     「夜のジンファンデル」  篠田節子
     笑っている私を怪訝そうに眺め、隆は葡萄を一粒、口に放り込んだ。形のいい唇が微妙な形に歪む。種を取ろうと指先を口元に持っていったそのとき、私は自分の指を彼の唇の隙間にさし入れ、その種をつまみとった。葡萄の甘いしずくに濡れた唇が、指先に柔らかくもといつく。
     私は片手で受け取った種を握りしめたまま、空いた方の手で彼の顔に触れる。昔と変わらず青白く秀でた額、淡く陰を刻んで痩けた頬。親指で触れた上唇の上あたりにざらついた感触がある。
    (本文より)


     「アンバランス」  乃南アサ
     そういえば瞳子もまだ会社勤めをしていた頃は、電車で立ったまま居眠りをしたとか、膝ががくりとなったとか、よく言っていたものだ。今は、そんな無理をすることもなくなった。どこへ出かけても、大抵は直也よりも早く帰宅して、直也の帰りを待っていてくれる。疲れたとか、うんざりとか、足がむくんだとか、慰めようもないような愚痴も言わなくなった。表情も穏やかになったと思う。(本文より)


     「アーティチョーク」  よしもとばなな
     おじいちゃんの持論では、朝が来るたびに、人は神様にその日使っていい分の力をもらうのだった。そして、それを一日瀬一杯よく使って、汚れなく、悔いがないように一日を終えて、神様に借金もしなかったなら、気持ちよくお酒を飲んで眠ることができて、明日は明日のエネルギーがちゃんと天からやってくるのだ。
     子供のころは、それを童話のお話みたいに受け止めていたけれど、大人になればなるほど、その、何よりも自分自身に対してまじめな考えがすばらしいものに思えてきた。
    (本文より)

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