100回泣くこと
中村 航
193 ★★★☆☆
【100回泣くこと】 中村 航 著 小学館
《恋愛小説、坦々と書かれているのが切ない》
出版社 / 著者からの内容紹介より
今最注目の野間文芸新人賞作家最新恋愛小説
実家で飼っていた愛犬・ブックが死にそうだ、という連絡を受けた僕は、彼女から「バイクで帰ってあげなよ」といわれる。ブックは、僕の2ストのバイクが吐き出すエンジン音が何より大好きだったのだ。4年近く乗っていなかったバイク。彼女と一緒にキャブレターを分解し、そこで、僕は彼女に「結婚しよう」と告げた。彼女は、1年間(結婚の)練習をしよう、といってくれた。愛犬も一命を取り留めた。愛犬→バイク修理→プロポーズ??。幸せの連続線」はこのままどこまでも続くんだ、と思っていた。ずっとずっと続くんだと思っていた。精緻にしてキュート、清冽で伸びやか。今、最注目の野間文芸新人賞作家が放つ恋愛長編。
知識は僕に語りかける。全ては終わるのが大前提なのだと。いつか訪れる終わりを
前提にした、生であり愛なのだと。そういう道理なのだと。(本文より)
いつまでも愛する人が生きているとは。限らない。だからこそ、今と言う時間を
大切に使いたい。だけど、だけど、人間は、どうなるか、わからない。
死にそうなブックは、……。だが彼女は、……。
飲みに行きたい、わかる気がします。
彼女と、ブック何で…切ない、切なすぎました。
Everything must change という言葉を思い出してしまいました。
どんなことも永久には続かないと分かってはいても、分かりたくないことってあるものです。
泣くことで救われることだって、きっとあると思います。
この作家さんは、不思議な気がする。
文体そのものがやさしく坦々としている感じです。
《》泣くことで救われることだって、きっとあると思います。《》
そうなんだ、そういうことを伝えたかったのか、
Rokoさんありがとうございました。
過程を愛犬→バイク修理→プロポーズと連続線に繋げるのがまた優しい感じがしました。
たとえ存在がなくなっても、その存在に関った人が無意識に何かを受け継いでいくんですね。
繋がる優しさ、なるほど、そういう見方もあるんですね。
何かを受け継いでいく、亡くなってもどこかに息づいているんでしょうね。