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    とかげ  吉本 ばなな

    • 2003.02.12 Wednesday
    • 23:57
    とかげ
    とかげ
    吉本 ばなな

    【とかげ】 吉本ばなな 著

    咄嗟に出かけに本を持っていくとき、この人の本なら間違いなく面白く読めるのが、吉本ばななさんの本である。
    6篇からなる短編集である。
    ウ―ンと唸るぐらい上手いなと感じる。
    上記の文章は、《とかげ》の出だしの部分である。


    『・・・・しかもふられたのでかなり疲れ果てていてとても色恋に向けるエネルギーなんてなかったのだが、そう思ったことで自分の中に何かが芽生えるのを感じた。
    たとえて言えば、気持のいい春の宵、あまりよく知らないけれど好意を持っている女性と待ち合わせをしていて、どこに食事に行こうかと考えながら電車に乗っているときのような浮かれた感じ、今晩やれるかやれないかとかまったく考えなくても、そのひとの整った立ち居ふるまい、私のために装われたスカーフの柄とかコートのすそとか笑顔とかをみていると、まるで遠くの美しい風景を見ているように、自分の心までもがきれいになったような気分になれる感じ、ずっと失われていたそういううきうきするものがそのとき、香るようにふっとよみがえったのだ。 』(本文より)


    彼がとかげ(彼女)に恋愛か、愛に向ける最初の場面です。
    こういう男の感情は女性でしか書けないような気がします。


    『「また会ってください。」
    私は言って、彼女の手を握った。
    どうしてもどうしてもさわりたくて、気が狂うほど、もういてもたってもいられなくて、彼女の手に触れることができたらもうなんでもする、神様。
    そう、思った。そう思ってした。自然も不自然もない。せざるをえない。思い出した。本当はそうだった。何となく気があるふたりがいて、何となく約束して、夜になって、食べて飲んで、どうする?となって、今日あたりいけるとお互いが暗黙の打ち合わせをしてる、というものではなかった、本当はただたださわりたくて、キスしたくて、抱きたくて、少しでも近くに行きたくてたまらなくて一方的にでもなんでも、涙がでるほどしたくて、今すぐ、その人とだけ、その人じゃなければ嫌だ。それが恋だった。思い出した。
    「ええ、また。」
    そう言って、電話番号を教えてくれた。
    振り向かずに駅の階段を上がって行った。後ろ姿が人波に消える。帰ってしまう。
    この世が終わるような喪失感だった。 』(本文より)


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