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    うたの心に生きた人々  茨木のり子

    • 2009.06.07 Sunday
    • 08:04
    JUGEMテーマ:読書 
      
     09−064 ★★★★☆
     【うたの心に生きた人々】 茨木のり子 著  ちくま文庫

     《詩人、生き方がそのものが詩人だ…》

     内容(「BOOK」データベースより)
    タイプの全く違う詩人4人、しかしいずれ劣らぬ世渡りべた、貧乏、もうれつな反逆者―存分に理知と情熱を生きた晶子、忠君愛国に眩惑された自分の罪を負って戦後を生きた光太郎、ルンペン詩人と呼ばれながら気高い精神を詩に賭けた貘、アジア・パリを放浪し、プロレタリア詩にも戦争詩にも組みせず、自分自身の思考力を大切にした光晴。詩にとって時代とは、国家とは。詩人にとって家族とは。詩人の筆によって描破された鮮烈な詩人像。






     与謝野晶子、高村光太郎、山之口貘、金子光晴の四人が取り上げられている。山之口貘の項に惹きつけられる。一度、読んだような気がするが、こういう詩人もいたんだと改めて思う。ボヘミアン詩人、いわく貧乏詩人の貘さん、いわく借金屋貘さん、便所の汲み取り人だった貘さん。それでも「精神の貴族」と呼ばれているのです。佐藤春夫、金子光晴にときには援助してもらいながらの生活。そのエピソードが愉快だ。元気なころに「告別式」というものも書いている。彼の詩は簡単に出来ているのかと思ったら、推敲しながら書いているという。ある日、文学散歩で娘さんと三鷹の禅林寺に行ったとき、『鴎外は森林太郎之墓と本名で刻まれてるからいいけれど、太宰治はかわいそうだね。ペンネームで刻まれちゃったりして。』(森鴎外と太宰治の墓は向かい合って立っている。)このことを娘さんが覚えていて、山之口でなく山口家の墓と本名で書かれているようだ。この本は今年初めて★4つです。他の3人のもいいです。


      『妹へおくる手紙 』  山之口貘

     なんという妹なんだろう
     ― 兄さんはきっと成功なさると信じています。 とか
     ― 兄さんはいま東京のどこにいるのでしょう。 とか
     人づてによこしたその音信のなかに
     妹の眼をかんじながら
     僕もまた、六、七年ぶりに手紙を書こうとはするのです
     この兄さんは
     成功しようかどうしょうか結婚でもしたいと思うのです
     そんなことは書けないのです
     東京にいて兄さんは犬のようにものほしげな顔しています
     そんなことも書かないのです
     兄さんは、住所不定なのです
     とはますます書けないのです
     如実敵な一切を書けなくなって
     といつめられているかのように身動きも出来なくなってしまい、満身の力をこめて
      やっとの思いで書いたのです。
     ミンナゲンキカ
     と、書いたのです。





     この詩を読んで、茨木のり子さんは『なんだかおかしくなって、くりかえし読むと哀しくなってきて、人間そのもへのいとしさがふつふつとわいてきて、忘れがたい詩だ』、と書いています。

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