ボランティア・スピリット
永井 するみ
141 ★★★☆☆
【ボランティア・スピリット】 永井するみ 著 光文社
永井するみ作品 持っているもの一覧
樹縛 (新潮社) 未読
ミレニアム (双葉社) 未読
大いなる聴衆 (新潮社) 未読
天使などいない (光文社) △
防風林 (講談社) 未読
ボランティア・スピリット (光文社) △
唇のあとに続くすべてのこと (光文社) ○
希望 (文藝春秋) △
この本は、外国人の為の日本語学校が舞台の物語である。だからと言って、外国人の話というか、それよりそこで働く日本人の話の方に主題を置いて書いてあるように思える。もちろん、そこで働く日本人講師は一市民でボランティアなので無償の行為である。
アラブ系の人、中国人、韓国人等さまざまな人たちが日本語を習いに来るのだ。場所は市民センターみたいなところなので、そこの使用料だけで済むのだ。
そこで起きるさまざま問題、事件を通して物語が語られている。外国人には、各国の事情、風習、慣習などがあるので、それが問題をややこしくしている。それを日本人講師がどんな風に事件、問題と取り組み、解決していくのか。そこには、講師同士自体のねたみ、打算などが介在してくる。
一般的には、ボランティアで取り組む人たちがいるのには頭が下がる思いがする。だが、やはり、ボランティアは、この本を読むとやっぱり大変のことだなと思ってしまうのだ。