山の上ホテル物語
常盤 新平
07−138 ★★★☆☆
【山の上ホテル物語】 常盤 新平 著 白水社
《一度は泊まりたいと思えてくる…》
出版社からのコメントより
多くの作家に愛され、数々の名作を生み出す影の力となった、す
てきなホテルのすてきな物語。
創業者をはじめ、支配人たちが語る作家たちの素顔を通して、50年にわたる文壇
の一面を浮き彫りにするとともに、特別なホテルを目ざすスタッフたちの情熱を
あますところなく伝えている。
当然ながらこのホテルは、小説家だけのホテルではない。わがままで好みのうる
さい作家たちを満足させるホテルは、サービスの行き届いた宿に泊まりたいと願
う一般の宿泊客をも、充分に満足させてきた。
一度は泊まってみたい、特別なホテルの特別なサービスを、著者の温かい筆致に
よって、読者は心地よく楽しむことができるだろう。
Uブックス化にあたり、坪内祐三が解説を執筆し、花をそえている。
本の表紙に作家の顔がぎっしり描かれているので、てっきりこのホテルと作家たちの物語・エッセイかなと思ったが、このホテル・山の上ホテルそのものの話である。
作家に愛されて、有名な作家たちが定宿にしたことで名をなしているが、それにはそれなりのホテルへの情熱があるからこそなのである。
創設者・吉田俊男の人なりを部下の証言を元に書かれたものである。創設者・吉田俊男そのものが山の上ホテルのようである。ホテルへの思いが一杯書かれたものである。