牛乳アンタッチャブル
戸梶 圭太
201 ★★★☆☆
【牛乳アンタッチャブル】 戸梶圭太 著 双葉社
最近、会社はそう倒産してないように見えているが、でも、どんどんと会社は潰れているのが現状である。大抵の会社が銀行の影響下に置かれている。要するに借金があるからである。ある会社が何かのスキャンダルを起こせば、マスメディアが騒ぎ出したら、もうその会社は存続しなくなる。これようがなしに銀行が手を引くからだ。銀行も健全でないので企業のスキャンダルを待っている節もあるような気がする。
マスメディアも自社の不祥事は左程報道しないが、他企業であれば正義の味方ごとき報道するのである。この前の衆議院選挙もマスメディアの影響が大きいと言われている。報道というのは怖い存在だ。
この本は、何年前に起きた食中毒事件・某Y印企業をパロデイー化したものだ。企業名も雲印乳業になっている。ストーリーは、オジイサンの腹痛から始まり、会社の対応を、社長、役員、工場長、工場関係者、会社関係者の胸の内を書いている。特別調査チームのメンバーの選び方などは、面白くてたまらないが、後半はヤリスギな感じだ。戸梶作品は、初挑戦なのでよくわからないが。
社内倫理と社会倫理との違いが、どこの会社でも起こりうることだ。そこで起きる摩擦が大きいほど会社は成り立たないのか、と書いているが。
最後に55歳、雲印に入社して三十七年の汚染されていた無許可の再処理ラインを担当していた人間の言葉は、…