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    帰郷  辻内 智貴

    • 2008.02.13 Wednesday
    • 00:23
    帰郷
    帰郷
    辻内 智貴
    JUGEMテーマ:読書


     08−031 ★★★☆☆
     【帰郷】 辻内 智貴 著  筑摩書房

     《帰郷にもいろいろの想いが…》

     内容(「BOOK」データベースより)
    亡くなった夫が、繰り返し話していた故郷の町。遺された妻は、夫が世話になった「その人」に会って、一言お礼を言おうと旅立った。彼女がそこで見たものは…。『セイジ』で多くの読者を感動させた作者の最新作品集。モノローグで語られる三つのバラードは、しみじみと心にしみわたる。


     「帰郷」
     「花」
     「愚者一燈」  3篇。

     坂本真典さんのモノクロ写真が2,3ページごとに載っている。その写真がいいです。
     辻内さんの書く文章は、田舎を持つ人のこころにしみこんでくるものばかりだ。
     「帰郷」は、夫のやさしさがわかる。抒情詩みたいな作品だ。

    野の風  辻内 智貴

    • 2006.12.31 Sunday
    • 15:37
    野の風
    野の風
    辻内 智貴
     334 ★★★☆☆
     【野の風】 辻内 智貴 著  小学館

     《故郷のなかに哀愁を感じる》

     出版社/著者からの内容紹介より
    ロングセラー「セイジ」著者待望の最新作
    『セイジ』が累計10万部の書店発超ロングセラーとなっている辻内智貴氏の最新刊です。性善説に近い場所から発信される、簡潔さ、清新さ、温かさを通奏低音として持つ氏の作風は本作でも健在であり、読後、タイトル通り、ふっと風が通り過ぎる様を感得することのできる作品です。夏。仕事中心の日々を送る会社員・宇田川勇一は、打ち合わせ先で、父が病に倒れたことを知る。妻、そして心を閉ざしてしまった息子とともに急ぎ広島へ帰郷する勇一だったが、すでに脳死状態と医師に宣告された変わり果てた父の姿に絶句する。元気だった頃、「鳥はええぞお。わしは今度は鳥に生まれかわってくるけえの」そういっていた父の言葉が胸に突き刺さる。勇一はある選択を決意する。


     ただ、手に取って読んで見る。
     じんわりして懐かしくなる小説だ。
     都会とは、田舎とは、…。
     家族って、何かを感じさせる。
     親子愛、兄弟愛、子供愛、教え子愛、そこには昔の家族の風景がある。
     辻内作品には、子供ころの近所のお兄さんが出てくる、その人がやっぱりいい味を出しています。

     病室で主人公・勇一が脳死状態の父親に語りかける。
     (……きいた風な事を言ってるかい?……だけど、こうしていると、それが、良く分かる気がするんだ……都会で仕事漬けになっていると、それに気付けないよ……いや、都会ばかりじゃ無い、……そんな毒が、もう、この国じゅうを覆い尽くしかけている様にも思うよ……英一のような子供の中まで、それは、もう、入りこんでいるんだ。……このまま行けば、今に世界中が、一個の「欲望」になってしまうんじゃないかな。……妙な話さ、「欲望」が「欲望」ただ一つの存在になってしまったら、……その欲望を充たすものを、欲望は、一体、何処に探すつもりなんだろう。……何時か、そんな矛盾に灼かれて、……世界ごと壊れて行くのかな………俺達は、……そういうことを、やっているのかな……) (本文より)

     「ナコちゃん」も超短篇でアッタカクて良い。

    信さん  辻内 智貴

    • 2006.04.20 Thursday
    • 20:01
    信さん
    信さん
    辻内 智貴

    87 ★★★☆☆
    【信さん】 辻内智貴 著
      
    《九州、筑豊の匂い・郷愁を感じます。》

      「信さん」
      「遙い町」 2編

     郷里・福岡の炭鉱町。数十年前、小学生だった私のそばには、いつも町いちばんの“頼れる悪童”信さんがいた――。太宰治賞作家が贈る、全世代対応、どこまでも透明な色彩で描かれた、ある名もない魂の物語。

      その男、信さんは、小学生時代、2年先輩で、町で知らないものはいない悪ガキだった。そんなある日、私はいじめられている現場で信さんに助けてもらう。私の母は、誰もが恐れる信さんに丁寧にお礼をいった。信さんは泣き出してしまった。彼の父親は早くに他界し、叔父夫婦の養子になっていた。しかし、それからすぐに叔父夫婦には待望の娘が生まれ、信さんはいわば厄介者のような扱いを受けていた。私の母を慕う信さんは次第に本来の明るさを取り戻していった。しかしやがて叔父が早逝し、代わりに一家を支えるため、最愛の義妹を憧れの高校に行かせるため、信さんは上京を決意した。そして、3年が経ち、“その日”はやってきた――。「著者の内容紹介より」


     二つの作品とも40代の主人公が子供時代を振り返る物語だ。
     九州・筑豊が舞台である。炭鉱で活気ある時代ではなく、石油に押されてしまったころの話だ。
     二つとも良かった。こういう話、貧しい時代の話は誰からか聞いたことがある話だ。昔は、「信さん」みたいな人がいたような記憶がある。兄弟の為、仕事をし、仕送りをする。それが当たり前の時代もあったのです。そのころは自分だけという思いより家族のことを第一に考えていた。
     「信さん」を読んでいると最後には涙が込み上げて来てどうしようもありませんでした。
     人間は環境や出会いで心の持ちようが変わることを、この本で改めて感じました。

    いつでも夢を TOKYOオトギバナシ  辻内 智貴

    • 2006.01.12 Thursday
    • 17:56
    いつでも夢を TOKYOオトギバナシ
    いつでも夢を TOKYOオトギバナシ
    辻内 智貴

    12 ★★★☆☆
    【いつでも夢を TOUKYOオトギバナシ】 辻内智貴 著 光文社

    《オトギバナシだけでなく、本当にこんな社会・人情であってほしい》


     辻内作品は、朴訥としていて、ホンワカとしている。
     売れない作家・ジローが雨にずぶぬれの一人の若い女性・洋子をアパートに連れて帰る。そこは、人情深い老夫婦も住んでいた。ずぶぬれの若い女性を、もう一人ヤクザの龍治も見ていたのだ。
     洋子の病気、精神的な病気を見つめるやるジロー、そこから洋子は立ち直られるか……。
     身寄りもないヤクザ・龍治にも妹を亡くした過去が……。
     温かい話だ。でも、最後の場面はないだろう、まあ、いいか、オトギバナシなのだから。

    セイジ  辻内 智貴

    • 2005.07.27 Wednesday
    • 18:13
    セイジ
    セイジ
    辻内 智貴


    143 ★★★★☆
     【セイジ】 辻内智貴 著  筑摩書房

      「セイジ」
      「竜二」 2編

     「身近な人、親しい人が悲しみに打ちひしがれ、苦しんでいる時、
     自分はどうすればよいのでしょう?無力感にさいなまれるか、他人の
     事として無視するか、どこにも解決の道はありません。この小説の
     『落ち』には『無茶だ』『ありえない』と批判もあるかもしれませんが、
     人の苦しみを見て、それを自分の事のように共有したい、その不器用
     さと一途さに、必ず胸を打たれるはずです」
      (オリオン書房ノルテ店・白川浩介さん)(帯文より)


     どこにもいる、何か訳ありで物静かな人が過去に背負ったものがあるのでしょうか。そんな人が[セイジ]です。社会では不器用にしか生きられないのです。人間は何の為に生きるのか、こんな事が命題として出てきます。この物語に、その答えはあるのでしょうか、多分どこかにヒントがあるかもしれませんが、わからないでしょう。何回か読み直すと出てくるかもしれませんよ。だったら、読むべし、読むべしなのだ。

     「竜二」は、母を想う心、兄を想う心がしみじみと感じられる作品だ。
     

    ラスト シネマ  辻内 智貴

    • 2005.05.17 Tuesday
    • 14:01
    ラスト シネマ
    ラスト シネマ
    辻内 智貴


    ★★★☆☆

     【ラスト シネマ】 辻内智貴 著  光文社

     この本の77ページにこんな文が出てくる。

     「俺たち人間に有るのはな」
     「生まれて、生きて、死ぬ、この三つの事だけだ」
     「生まれることと、死ぬこと、この二つは、こっちの手に負える事じゃ無い。俺たちの手元に 有るのは、生きる、このことだけだ。これをなんとかしたいと、人間は、ああだ、こうだと、いろんな事をやる。−−だがな、生きるということの中に、常も、生まれたことも、死ぬことも、有るんだ。死ぬことの中に、生きることも、生まれたことも有るんだ。これらは、同時で一つの、いっしょくたのものだ。いっしょくたではじめて成立しているフシギな何かだ。生きる、という、ただそれだけをみて生きてると、人間は、ころぶ。片輪で走り通せるほど、人生は平らな道じゃない。生きることを充分なものにしたいなら、死を想い出す事だ。そうすれば、生きる、ということを想い出せる。そういうものだ」

     これは、小学3年生の息子に父親が言っている言葉だ。これには、前がある訳だが、ちょっと説明すると、息子が生まれたときに母親も亡くなり、二人だけの生活である。祖父が資産家であったために父は、何もせずに家で寝ているか、酒を飲んでいるかなのだ。息子が「ーー父さんは、お酒を飲むために生きているの?」と素朴に聞いているのだ。父親は、順番が違う「生きているから、お酒を飲むんだ」と答えている。もっともな意見である。それから前文に続くのである。

     息子は、何もしないで酒ばかり飲んでいる父親を別に軽蔑もしてないのだ。それが文章でもわかるのだ。何故か、廻りの皆から好かれているのだ。物語も最後に父親が亡くなったときも父親像を見せてくれる。

     そうだ、これは【ラスト シネマ】なのだ。映画に一度出た人が故郷に帰って来た。疲れかえって、すぐに入院したが、もう少ししか生きていないのだ。そこで彼がひと言しゃべった映画を
    上映するのであるが……。

     

    青空のルーレット  辻内 智貴

    • 2005.04.21 Thursday
    • 17:41
    青空のルーレット
    青空のルーレット
    辻内 智貴


     ★★★☆☆

     【青空のルーレット】 辻内智貴 著  筑摩書房

    《フリーターにも夢がある》

     「青空のルーレット」
     「多輝子ちゃん」 2編
     「多輝子ちゃん」 太宰治賞受賞作

     今、フリーターの全盛期である。

     人生に夢があるからフリーターなのである。
     音楽家になるために
     小説家になるために
     マンガ家になるために
     役者になるために
     
     おいらはビルの窓拭き清掃員。
     危険な商売なのだ、でも気楽な稼業。
     バンドのためなら、どんなビルでもへっちゃらさ。
     そんな主人公の物語だ。

     プロの仕事人とフリーターの仕事では、違いはあるのか?

     

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