雷電本紀
飯嶋 和一
230 ★★★★★
【雷電本紀】 飯嶋和一 著 河出書房新社
田舎に帰省のおりに何年ぶりかに真剣にテレビで大相撲中継を見た。
横綱・朝青龍は強い、小柄であるが相撲への勝負に対する意気込みが他の力士とは違った感覚に写った。幕の内力士に琴欧州のヨーロッパ勢と圧倒的に多いモンゴル勢がいる。日本の力士や相撲関係者は、どんな気持ちなのだろうか。
飯嶋さんの本は、初読みである。早く読みたい作家であったが、期待に答える読み応えのある作品だった。
史上最強の相撲人・雷電為右衛門と後援者・鍵屋助五郎の物語である。
実在の人物を細かく描写していて、相撲人・雷電為右衛門と後援者・鍵屋助五郎の友情が語られている。これを読むとその時代と大相撲が平民にどんな感じで受け入られていたかがわかる。飢饉、凶作、大火の江戸時代に大相撲は、どんな役割を果たしたのか……。