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    世界は単純なものに違いない  有吉 玉青

    • 2007.03.16 Friday
    • 22:58
    世界は単純なものに違いない
    世界は単純なものに違いない
    有吉 玉青
     07−74 ★★★☆☆
     【世界は単純なものに違いない】 有吉 玉青 著  平凡社

     《母のことも、こんどはちょっと父のことも出てくる》

     内容(「BOOK」データベースより)
    タマオさんは悩み続けている。家族や友情について。世間や自然や宇宙について。「もののけ姫」のラストの、そのまた先のことや、カウリスマキ映画の夫婦の無表情についても。つまりは、ナンセンスでイノセントな「この世界」の不思議について。…なんだ、ものごとを複雑にしているのは、実は自分自身じゃないのかって―。要するに、私は悩むのがすきなのだ。


     かなりの本数のエッセイが収められている。私には、新鮮さはなかったが何本かの部分がうーんと唸らせるものもあった。
    有吉さんは、あの有名な有吉佐和子さんの娘さんである。
    処女作、【身がわり】に、大作家を母に持つための悩み、うれしさ、わずらわしさが出ている。母親・佐和子の好奇心や行動力には、さすが作家なのかと驚かさせられる。母親・佐和子の急死のあとでわかる、この母の側にいたのが貴重なときだということが書かれているあるが、そのことのいくつかもこのエッセイに書いてある。


    『結んでゆく絆』 
     「子供は親を選ぶことはできないのだから、子供に読まれても恥ずかしくないものを書きたい」 生前、母・有吉佐和子が言った言葉である。 (本文より)


    『惑わず思う』
     生きてゆくことは、そう簡単なことではなかった。実にままならず、理想だなんだ、あのときこうしていればどうだったああだったと悠長なことを言っていられるものではなかった。ただ、「今」をやってゆくしかない。そして、そんなあたりまえのことに気がつくのに、四十年もの長き歳月がかかってしまったのだ。あとは明るくやるしかないだろう、明るくやりたい、やれると思う。 (本文より)

     20、30歳代は、先を見て惑う、大いに惑う、が40代には惑わずに「今」を生きてゆこうと言っているのだ。
     

    『ある読書体験』
     読書というのは自由なもので、どんな読み方をしたところで間違いということはない。登場人物に自分を重ねるのもまた、読書の楽しみのひとつだ。そして読者に、この小説は自分の人生そのものだ、作者はどうして自分の気持ちがこんなにわかるのだろうと思われたなら、作者は作家冥利に尽きるだろう。(本文より)

    『世界は単純なものに違いない』
     今日読んだエッセイの中の1章に納められたものである。良くも悪くも世界はいつも同じテンポで動いているので、未来に希望もなくても絶望する必要はないというのだ。それが、映画の言わんとするところだと作家は言っているのだ。

    『浮き雲』(アキ・カウリスマキ監督.96 フィンランド)の映画を何回か見た。DVDであったり、深夜のテレビ放送であったりで見たのだ。この映画の持つ意味と言うのがいま一つ分かりかねていたが、なるほど、そういう取り方をするかと思ってしまった。
    アキ・カウリスマキ監督の作品は、独特である、青い色で覆い尽くされた画面があり、登場人物に感情の抑揚がないのだ。『浮き雲』は、夫のラウリが不況でリストラになり、妻のイロナもレストランの職を失業する。そこから不運ばかり続いて起きる。最後は、レストランを開くのだ、一人、そして一人と客が入って来て満員になるのだ。そこには、感情もない、喜びもない、活気もない、淡々とした流れがあるだけなのだ。

    月とシャンパン  有吉 玉青

    • 2006.09.22 Friday
    • 23:04
    月とシャンパン
    月とシャンパン
    有吉 玉青
     233 ★★★☆☆
     【月とシャンパン】 有吉 玉青 著  光文社

     《杯に月を映してお酒を飲むと長生きするって。》

     出版社/著者からの内容紹介
    恋をしていたい、生きていたい、死ぬまで。
    秘めたせつなさ。昔の男。終わった恋。
    日常にひそむ危うい感情を鮮やかに描き出す、
    優しく、ちょっと怖い大人の恋愛短編集。

    「これが現実的なハッピーエンドなんだよ」


     「春に踊る」「鍵」「がまんくらべ」「せつなさ探検隊」「月とシャンパン」
     「スパーク☆」 6篇。

    テレビドラマで「不信のとき」を放映されたいた。有吉佐和子さんの代表作でもある。残念ながら見る機会がない。ドラマは見なくなってしまった。続きものは、見なくなった。
     有吉佐和子さんの娘さんが有吉玉青さんだ。
     結婚して、子供も大きくなった。ふと振り返るとき、こんな人生で良かったのだろうか、考えてしまう。昔の恋人に会って、久々に胸がときめく、だが彼が言う『何もなく過ごす、それが一番の幸福だよ』と。そんな感じの物語たちだ。

    身がわり―母・有吉佐和子との日日  有吉 玉青

    • 2005.01.21 Friday
    • 14:58
    身がわり―母・有吉佐和子との日日
    身がわり―母・有吉佐和子との日日
    有吉 玉青

    【身がわり 母・有吉佐和子との日日】 有吉玉青 著  新潮社

    《有名人を持つと》

    大体、人がどんな本を読んでいるのかが興味が
    ある。【20代に読みたい名作】林真理子著を読んで
    みた。54作を上げている。【放浪記】【おはん】【斜陽】
    【ノルウェイの森】【思い出トランプ】【キッチン】【細雪】
    【火車】【恋】などなどである。その中に、この本が
    あった。普通なら【恍惚の人】【紀ノ川】という、有吉
    佐和子さんの方がでているはずが、あえて娘さんが
    書いた、この本をあげている。そのほうがかえって
    作家・有吉佐和子がわかるのだろうか。

    【身がわり 母・有吉佐和子との日日】は、大作家を
    母に持つための悩み、うれしさ、わずらわしさが出て
    いる。母親・佐和子の好奇心や行動力には、さすが
    作家なのかと驚かさせられる。母親・佐和子の急死
    のあとでわかる、この母の側にいたのが貴重なとき
    だということが書かれている。
     
      娘の身にあまる贈物をのこして、母は突然、
      逝った。大いなる個性、過激な母性に対峙
      する娘として過した二十年、その殆どを母に
      抗い続けることで自己を確立しようとした日
      日は、音をたてて崩れ落ちた。あれから四
      年半、 己が身にかえてのこした母の贈物
      の意味を考える娘にやっと一筋の光が射し
      てきた……。
      鮮烈な、母と娘の物語。(帯文より)

    また、林真理子さんも【20代に読みたい名作】
    の最後に、こう書いている。

      この本の中にはこんな言葉がある。
     「She´s survived by her daughter.」
      彼女(作家)は娘によって生き長らえるという
     意味である。もしかすると、七年前初めてこの
     本を読んだ時に、私は絶対に娘を持とうと決心
     したのかもしれない。 (本文より)

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