幸福の軛
清水 義範
07−124 ★★★☆☆
【幸福の軛】 清水 義範 著 幻冬舎
《誰もが病んでいるのか、…》
内容(「BOOK」データベースより)
神社で発見された少年の生首。校舎裏で刺殺された中学生。いじめられていた生徒の絞殺事件。続発する凄惨な事件を憂う教育カウンセラー・中原は、ジャーナリストの舘林、刑事の桜庭から相談を受けた。しかし、彼らの捜査を嘲笑うかのように「鬼面羅大魔王」を名乗る犯人は暗躍を続ける。病める人間の心の闇を描き切った、著者初の本格ミステリ。
清水義範さんほどいろんなものにチャレンジされている作家はいないだろう。そういう私も何冊も読んでいる訳ではありませんが。
今回、この作品は著者初の本格ミステリと帯分に載っている。
清水義範さんと言えば、どこかユーモラスの作品が多いが今回のはそれすらもない。中学生殺害事件を取り上げている。
《誰もが心の闇を抱えて生きている》(帯文より)
物語自体は、今までニュースなどで見て聞いたことである。ここでは、大学助教授・カウンセラーを主において展開していく。家族のあり方、子供時代にどれだけ愛情をそそげたか、壊れていく子供たち、本当の教育とは、わずわらしい現代社会、普通がイビツに、
何かが違っているんだろうか。
最後の結末には、愕然としてしまった。
そんなところに持っていくのか、これも小説なんだから、…。 (読書日記より)