女たちのジハード
篠田 節子
【女たちのジハード】 篠田節子 著
《OLについて》
《踏まれても、虐げられても、[現代OL道]を極める5人の女達・・・・・・・・。》
《めげず挫けず我が道をゆく聖戦・ジハードという企み!》
本屋に行って、本棚を眺めていて気にはなるが、読めそうもない気がする本がある。本の厚さもあり、内容もわかりかねるようだしと思う。そんな本の一冊が【女たちのジハード】である。直木賞作品でもある。
ジハード(聖戦)はアフガニスタン戦線で有名になったが、この本の題名のほうが早そうだ。
損保会社に勤める5人のOLの物語である。オニムバス形式でそのひとつ、ひとつが短編で物語が繋がっているようだ。現代の会社事情も含んで、そんな中でOLは何を考え、何を目指そうとしているのかが良く描かれている。あるOLは結婚へ、あるOLはアメリカで資格を取って、あるOLは起業家を目指してといろいろである。会社、社会への闘いなのである。
競売物件によるマンションの獲得方法などや、アメリカのパイロット訓練専門学校事情など詳しく書いてあって興味深い。
『世の中に、「普通のOL」などという人種はいないし、「普通の人生」もない。いくつもの結節点で一つ一つ判断を迫れながら、結局、たった一つの自分の人生を選び取る』
昔はOLでなくBGと言っていた。BGはビジネスガールで商売女に結びつくということでOL、オフィスレディーになった。今はやはりOLでなく、読み方は別として、BGの方がいいのではと思うが。
私の知っているOLたちも結婚だけでなく、英会話、生花教室、料理、音楽、スキュバーダイビング、などなどと忙しいのである。海外旅行は当たり前だし、冬はスキー・スノーボードだし、本音は何処に人生感を求めているのだろうか。