邂逅の森
熊谷 達也
190 ★★★★★
【邂逅の森】 熊谷 達也 著 文藝春秋
《マタギは、マタギに還る》
内容(「BOOK」データベースより)
「家に帰って、妻の手を握りたい」熊に足を喰われ、朦朧とする意識の中で富治はそのことだけを考えた。奔放に生きてきた富治を巨大熊に向かわせたものは何か。俊英がおくる感動の物語。
すごく読みたかった1冊である。
マタギ・富治の一生の物語だ。
マタギの話も面白いが、壮絶な人生も圧倒される。
邂逅とは、思いがけなく出あうこと、めぐり会い、と言うことだ。
私が高校生のときに、ある教師が最初の授業の時に黒板に書いたのが、
「邂逅」である。人と人が会ったのだから意義ある時間を作ろうというようなことをおしゃった。人生のときどきに、この「邂逅」の文字を思い出すのだ。