月曜日の水玉模様
加納 朋子
21 ★★★☆☆
【月曜日の水玉模様】 加納朋子 著 集英社
《事務職OLでもミステリーなかにいるんだ》
事務職OL・片桐陶子がちょっとした事件を綴るユーモアミステリー。
「月曜日の水玉模様」から「日曜日の雨天決行」 まで、1週間の章でまとめられている。月曜日に事件解決のために助力する相棒・萩広海と出会うところが出てくる。陶子が電車に朝、通勤の為に乗る。朝、通勤電車、満員である。途中で座っている人が下車すると座れるので、ある程度わかる。誰がどこの駅で降りるかが、だから降りる人の前に立つようするのである。少しの間でも座るということは天国のようなのだ。これは満員電車に乗った人しかわからないことだ。これが毎日のことだからである。降りる人が女神のように思えてくるのだ。
私も東武東上線で通っていたときは大変であった。ぎゅうぎゅう詰めの満員である。前が閊えて止まったりで若い女性が貧血で倒れたり、大学生の男子も倒れたりであった。
ある時、途中から乗る女性が満員の中を入り口からにじり寄ってきて席が空く場所までくるのを知ったのである。それが、何で人に嫌がられても前進してくるのか、よくわからないでいたのだが席が空く(降りる人)のを知っているのである。朝の満員電車では座ることが天国なのである。今は、有楽町線が乗り入れているから、どんな感じなのだろうか。
この本は、主人公・陶子が親を知らずに祖母によって育てられている。母親とのミステリーもあり、切ないところもあるのだ。