イン・ザ・プール
奥田 英朗
【イン・ザ・プール】 奥田英朗 著
《この本を読んで笑わないヤツはエライのだ。》
今、話題の一冊の本である。
読む進むうちに自然と笑みが出て来てしまう本です。
総合病院の地下にある神経科に通ってくる患者と
子供みたいなオヤジ医師との物語です。
ここに出てくる医師はこんな感じです。
『伊良部は、自分がこれまで出会ったことのない変人中の
変人だ。彼にはきっと悩みなどないのだろう。欲望の赴く
ままに行動し、わめいて、笑って。五歳児に悩みがないのと
一緒だ。ただ羨ましくもあった。少なくともこの男は、自分の
ようにくよくよしたりしない。 』 (本文より)
心身症だった男がプール依存症にかかる話。
ケータイがないとどうしょうもない高校生のケータイ病。
家を出てたばこの吸殻が気になる脅迫神経症の男の話。
などなど。
今どきの人間は、なんらかのストレスを感じて生活して
いる。それが、突然か、じわじわか、体に変調をもたらして
くる。それを解決してくれるヒントをこの本に記してあるの
だろう。人間の持っている本能のまま生きるのが一番な
ようだが、ちょっとした欲望や自意識をもっているから大変
なのである。