海
小川 洋子
07−19 ★★★☆☆
【海】 小川 洋子 著 新潮社
《美しく、奥行きの深い物語……小川ワールド》
内容(「MARC」データベースより)
キリンはどんなふうにして寝るんだろう-。『新潮』掲載の表題作ほか、「博士の愛した数式」の前後に書かれた、美しく奥行きの深い全7作品を収録する。この世界の素晴らしさを伝えてくれる短編集。
風は目印を見つけたかのように、彼に吸い寄せられる。海を渡る全ての風が、小さな弟の掌の温もりを求めている――。不思議な楽器を演奏する恋人の弟との出会いを暖かな筆致で描く「海」、奇妙な老人から思いがけない人生の秘訣を授かる少年を伸びやかに描く「ガイド」など、『博士を愛した数式』の前後に書いた7編をまとめた玉手箱のような小説集。 (新潮社 新刊案内より)
「海」 「風薫るウィーンの旅六日間」 「バタフライ和文タイプ事務所」 「銀色のかぎ針」
「缶入りドロップ」 「ひよこトラック」 「バタフライ和文タイプ事務所」 7編
「バタフライ和文タイプ事務所」
この手の話は、小川さんの中に多いような気がする。
不思議な人物が登場してくるのです。
この話の終わり方がちょっとエロチックで小川さんらしいのかも。
「ガイド」
『博士を愛した数式』の中に出てくる、母親と息子を連想させる。
そこに昔、詩人だった初老の紳士・題名屋さんを登場させている。
息子と初老の紳士・題名屋さんとの交流が何とも良いのだ。
表題作の「海」、「ひよこトラック」など本当に良い。
装幀・吉田篤弘 吉田浩美が新鮮で、すがすがしいデザインだ。