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    やさしい訴え   小川 洋子

    • 2009.04.12 Sunday
    • 23:52
    やさしい訴え (文春文庫)
    やさしい訴え (文春文庫)
    小川 洋子
    JUGEMテーマ:読書


      09−047 ★★★☆☆
     【やさしい訴え】 小川洋子 著  文春文庫

     《『やさしい訴え』の中にも愛の叫びがあるが、…》

     内容(「BOOK」データベースより)
    夫から逃れ、山あいの別荘に隠れ住む「わたし」が出会った二人。チェンバロ作りの男とその女弟子。深い森に『やさしい訴え』のひそやかな音色が流れる。挫折したピアニスト、酷いかたちで恋人を奪われた女、不実な夫に苦しむ人妻、三者の不思議な関係が織りなす、かぎりなくやさしく、ときに残酷な愛の物語。


      小川さんの文章は、お伽噺の中に鋭さがある感じがする。この本は、大人の恋模様を描いた単純なストーリーの作品だ。題名になっている《やさしい訴え》は、解説を書いている青柳いづみこさん(ピアニスト)によると十八世紀フランスの宮廷作曲家・ジャン=フィリップ・ラモーのチェンバロ曲なのである。ここに登場してくるには、夫との生活に疲れて別荘に来る瑠璃子、別荘近くでピアノを弾けなくなって、妻とも別れてチェンバロを製作している新田、そこで働く薫子、この3人がメインだ。作家は《やさしい訴え》を聴いてから、この物語が出来たのだろうか。無性に《やさしい訴え》という曲を聴いてみたくなってくる。
     
     

    貴婦人Aの蘇生  小川 洋子

    • 2008.08.22 Friday
    • 13:09
    貴婦人Aの蘇生 (朝日文庫)
    貴婦人Aの蘇生 (朝日文庫)
    小川 洋子
    JUGEMテーマ:読書

     08−125 ★★★☆☆
     【貴婦人Aの蘇生】 小川 洋子 著  朝日文庫

     《怪しい、妖しい物語…》

     出版社 / 著者からの内容紹介
     北極グマの剥製に顔をつっこんで絶命した伯父。法律書の生き埋めになって冷たくなっていた父。そして、死んだ動物たちに夜ごと刺繍をほどこす伯母。この謎の貴婦人は、はたしてロマノフ王朝の最後の生き残りなのか? 『博士の愛した数式』で第1回本屋大賞を受賞し、多くの新たな読者を獲得した芥川賞作家が、失われたものの世界を硬質な文体で描いた、とびきりクールな傑作長編小説《解説・藤森照信》。


    寡黙な死骸 みだらな弔い 小川 洋子

    • 2008.06.17 Tuesday
    • 08:38
    寡黙な死骸 みだらな弔い (中公文庫)
    寡黙な死骸 みだらな弔い (中公文庫)
    小川 洋子
    JUGEMテーマ:読書

    08−097 ★★★☆☆
     【寡黙な死骸 みだらな弔い】 小川 洋子 著  中公文庫

     《いつもの日常がちょっと不思議が…》

     内容(「BOOK」データベースより)
    息子を亡くした女が洋菓子屋を訪れ、鞄職人は心臓を採寸する。内科医の白衣から秘密がこぼれ落ち、拷問博物館でベンガル虎が息絶える―時計塔のある街にちりばめられた、密やかで残酷な弔いの儀式。清冽な迷宮を紡ぎ出す、連作短篇集。

    内容(「MARC」データベースより)
    いくら押しても叩いても開かないドア。どこにも届かない叫び声。暗闇、空腹、痛み。少しずつ襲いかかってくる息苦しさ。あの子が味わった苦しみ。冷蔵庫で窒息した息子の話から始まる奇妙で不思議な物語。長編怪異小説。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。


    ミーナの行進  小川 洋子

    • 2008.05.27 Tuesday
    • 22:20
    ミーナの行進
    ミーナの行進
    小川 洋子
    JUGEMテーマ:読書

     08−88 ★★★★☆
     【ミーナの行進】 小川 洋子 著  中央公論新社

     《大人の絵本…》

     内容(「BOOK」データベースより)
    美しくて、か弱くて、本を愛したミーナ あなたとの思い出は、損なわれることがない―懐かしい時代に育まれたふたりの少女と、家族の物語。


    ブラフマンの埋葬  小川 洋子

    • 2007.02.12 Monday
    • 19:08
    ブラフマンの埋葬
    ブラフマンの埋葬
    小川 洋子
     07−43 ★★★★
     【ブラフマンの埋葬】 小川 洋子 著  講談社 泉鏡花文学賞受賞作

     《こころにせつなくいとおしく、響く物語》

     出版社/著者からの内容紹介より
    祝!本屋大賞『博士の愛した数式』で本屋大賞、読売文学賞をW受賞

    「夏のはじめのある日、ブラフマンが僕の元にやってきた。」
    あたたかくて、せつなくて、いとおしい。極上の文学世界をご堪能ください。

    朝日はまだ弱々しく、オリーブ林の向こうの空には沈みきらない月が残っているような時刻で、僕以外に目を覚ました者は誰もいなかった。ブラフマンは裏庭のゴミバケツの脇に潜み、脚を縮め、勝手口の扉に鼻先をこすりつけていた。――(本文より)


     この本は、主人公の青年のところにブラフマンという生物・犬?がやってくることから始まり、ブラフマンの埋葬で終わる。146ページの短い作品だが、小川さんらしい美しい透明感な文章で書かれている。そこには、ブラフマンの死までの経過が、風のそよぐごとくな感じで綴られているが、だが内容は濃密なのだ。人間は、一つを愛すると、どこかで歪みが生じてしまうのか。完全なる人間は、いないのだろうか。淡々とした最後に余韻が不思議と和らいでいる私がいるのです。

    海  小川 洋子

    • 2007.01.20 Saturday
    • 23:21
    海

    小川 洋子
     07−19 ★★★☆☆
     【海】 小川 洋子 著  新潮社

     《美しく、奥行きの深い物語……小川ワールド》

     内容(「MARC」データベースより)
    キリンはどんなふうにして寝るんだろう-。『新潮』掲載の表題作ほか、「博士の愛した数式」の前後に書かれた、美しく奥行きの深い全7作品を収録する。この世界の素晴らしさを伝えてくれる短編集。


     風は目印を見つけたかのように、彼に吸い寄せられる。海を渡る全ての風が、小さな弟の掌の温もりを求めている――。不思議な楽器を演奏する恋人の弟との出会いを暖かな筆致で描く「海」、奇妙な老人から思いがけない人生の秘訣を授かる少年を伸びやかに描く「ガイド」など、『博士を愛した数式』の前後に書いた7編をまとめた玉手箱のような小説集。 (新潮社 新刊案内より)

     「海」 「風薫るウィーンの旅六日間」 「バタフライ和文タイプ事務所」 「銀色のかぎ針」
     「缶入りドロップ」 「ひよこトラック」 「バタフライ和文タイプ事務所」  7編

     「バタフライ和文タイプ事務所」
     この手の話は、小川さんの中に多いような気がする。
     不思議な人物が登場してくるのです。
     この話の終わり方がちょっとエロチックで小川さんらしいのかも。

     「ガイド」
     『博士を愛した数式』の中に出てくる、母親と息子を連想させる。
     そこに昔、詩人だった初老の紳士・題名屋さんを登場させている。
     息子と初老の紳士・題名屋さんとの交流が何とも良いのだ。
     
     表題作の「海」、「ひよこトラック」など本当に良い。

     装幀・吉田篤弘 吉田浩美が新鮮で、すがすがしいデザインだ。
     
     

     

    犬のしっぽを撫でながら  小川 洋子

    • 2006.12.08 Friday
    • 21:14
    犬のしっぽを撫でながら
    犬のしっぽを撫でながら
    小川 洋子
     312 ★★★☆☆
     【犬のしっぽを撫でながら】 小川 洋子 著  集英社

     《文学から、タイガースのことまで小川ファン必見です》

     出版社/著者からの内容紹介より
    『博士が愛した数式』の著者の痛快エッセイ。
    数の不思議に魅せられた著者の「数にまつわる」書き下ろしエッセイのほか野球の話、本の話、犬の話などを収録。


     私が読んで、これはと唸ったのが【中国野菜の育て方】という短編作品です。この本を読んで、小川さんの本を気に懸ける存在になりました。普通な日常が不思議な感覚で書かれていて、その存在に人間がいます。

     数の不思議に魅せられて
     「書く」ということ
     アンネ・フランクへの旅
     犬や野球に振り回されて
     家族と思い出

     この本は、小川さんのエッセイ集です。
     『博士の愛した数式』の話から、小説の話、アンネ・フランクへの想いの話、犬の話、家族の話など、小川さんの人となりが満載なエッセイだ。
     作家、小川さんの書きたいのは、やっぱり人間なんです。

    私はストーリーが書きたいわけではありません。私が書きたいのは人間であり、その人間が生きている場所であり、人と人の間に通い合う感情なのです。
     自分の書きたい人間や場所が、映像のような一場面になって、頭に浮かんできます。その頭の中の映像をじっと観察して、言葉に置き換えていきます。すると、書き写した人物が、今度また新しい場所へ移動していき、新しい人と出会います。私はそれを見失わないように一生懸命追いかけていって、また観察して、それを言葉で書き写して……と、こういうことを繰り返していくうちに、ふと振り返ると自然にストーリーのようなものが生まれていた、そういう感じです。
     ですから、書き終わったとき、「こんあ話になるなんて、思ってもいなかった」と感じることがしばしばあります。書いている本人の思惑を超えて、まったく予想外の場所へ到着した、そういう気分になれることが、作家としての幸せです。逆に、予想どおりの着地をした作品は、つまらないものになることが多いのです。書き始める前に思い描いたとおりの作品になったときは、失敗なのです。
    (本文より)

    冷めない紅茶  小川 洋子

    • 2006.10.05 Thursday
    • 22:08
    冷めない紅茶
    冷めない紅茶
    小川 洋子
     244 ★★★★☆
     【冷めない紅茶】 小川 洋子 著  福武書店

     《凍る愛、消え去った時間とは、…》

     内容(「BOOK」データベースより)
    中学の同級生の葬式で再会したK君。彼と一緒に過ごした不思議な空間。K君のいれてくれた紅茶は永遠に冷めない―。猥雑な生から透明な死へと傾斜していく現代の危うい感性を捉えた表題作に、「ダイヴィング・プール」を併録した傑作小説集。


     「冷めない紅茶」
     同棲相手との冷めた関係と中学の同級生の葬式で再会したK君との冷めない関係とは、…。k君と一緒に住んでいる女性の過去が中学の図書室の司書というのだが。二つの作品で小川さんが持つ男性像が描かれているのか。小川さんの美しい文体が良い。

     「ダイヴィング・プール」
     これは、誰もが人間なら持つ、心の片隅で起こる悪意を描いている。人間は、あわゆい心で生きていることを現した作品だ。

    シュガータイム  小川 洋子

    • 2006.06.11 Sunday
    • 21:27
    シュガータイム
    シュガータイム
    小川 洋子

    132 ★★★★☆
    【シュガータイム】 小川洋子 著  中央公論社

    《春に始まり、秋に終わったシュガータイムとは、…》

    (「BOOK」データベースより)
     三週間ほど前から、わたしは奇妙な日記をつけ始めた―。春の訪れとともにはじまり、秋の淡い陽射しのなかで終わった、わたしたちのシュガータイム。青春最後の日々を流れる透明な時間を描く、芥川賞作家の初めての長篇小説。


     (ああ、最後の春が始まる)と、不意にわたしは強く思った。どうして最後なのか、何の最後なのか。はっきりと意識していた訳ではなかった。ただその時、最後という言葉がとても大切なもののように思えてしかたなかった。ずっと時間がたってから思い出す時、あまりにも愛しくて泣いてしまいそうになるようなにも、そんな大切な春の予感がよぎったのだった。(本文より)

     「奇妙な日記」で始まる物語は、何かわくわくして、先を読みたくなる物語だ。
     過食症になった女子大学生に起こる、弟のこと、恋人のこと、さまざまことが書かれている。シュガータイムとは、何か……。

    完璧な病室  小川 洋子

    • 2006.02.03 Friday
    • 17:00
    完璧な病室
    完璧な病室
    小川 洋子

    30 ★★★★☆
    【完璧な病室】 小川洋子 著  福武書店

    《小川ワールドの原点の作品か》


    [ 弟はいつでも、この完璧な土曜日の記憶の中にいる。ガラス細工のように精巧な弟の輪郭を、今でもはっきりと思い出すことができる] 

     病に冒された弟といる週末、そこは完璧な病室だった。弟の入院に付き添う姉が感じる生と死、孤独、人生。
     透明感があり、清潔感がある文章で綴るこの作品は、何か感じが良い、まさに完璧な文章のようでもある印象なのだ。

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