十二歳
椰月 美智子
07−116 ★★★★☆
【十二歳】 椰月 美智子 著 講談社 第42回講談社児童文学新人賞受賞作
《大人になりかけの十二歳の女の子の物語です。》
出版社/著者からの内容紹介より
無邪気な子どものふりはもうできない。12歳。大人の途中の子ども。
悲しく切なくやりきれないような痛みだって知っている。12歳をとおりすぎるすべての人たちへおくる、第42回講談社児童文学新人賞受賞作品。家の机のカギがかかる2番目の引き出しには、直人先生の写真がひっそりとすみれ色の封筒に入っている。修学旅行先の日光から帰る電車のなかで、直人先生の隣に座っていたムコーヤマを撮るふりをして、眠っている直人先生をこっそりと盗み撮りしたのだ。その写真のことは誰にも言ってないし、もちろんだれにも見せてない。――(本文より)
この作品は、題名の通り12歳・小学6年生・さえの物語だ。
さえの日常を追った作品であり、小学6年生の女の子らしいさ?で溢れている。女友だちのこと、男友だちのこと、先生のこと、家族のこと。
読んでいると小学6年生の女の子になっているようになってしまった。作家は、当然大人になってから書いているのだが、小学6年生の女の子の気持ちで書いているのだろうが、上の方から見下ろして書いているのが多い気がするが、この本は12歳の目線で見ていて、12歳の感情をうまく書いているような気がする。
ポートボールのこと、運動会のこと、憧れの先生のこと、いろんなことがあって中学生になります。ごく普通の12歳の物語です、それが何かいいのです。
【しずかな日々】も良かったが、この本も良かった。 (読書日記より)