シュガーな俺
平山 瑞穂
07−157 ★★★☆☆
【シュガーな俺】 平山 瑞穂 著 世界文化社
《いつかは、誰でも身に沁みる話でも、…》
出版社/著者からの内容紹介より
本書は、若年層の増加などで社会問題にもなっている糖尿病(糖
尿病患者740万人、予備軍は880万人)がテーマの"世界初の糖尿病小説"です!
8月から@nifty上で連載がスタートしたと同時に話題沸騰。すでに朝日新聞や
讀賣新聞でも紹介され、ブログでは「シュガーフレンド」なる造語もできる盛
り上がりよう。『ラス・マンチャス通信』(新潮社刊)で第16回日本ファンタ
ジーノベル大賞を受賞した作家・平山瑞穂が自らの糖尿病体験をもとに、33歳
で突然発症した、サラリーマンの遭遇する決して甘くない波乱の日々を描く。
シュガーな人もノンシュガーな人も、とにかく面白く読めてタメになること
間違いなし!の、一級のエンターテイメント小説です。
本人のことを元にしているのだろうか、よく調べてありリアルである。
糖尿病は今や社会問題にもなっているが、関心なくても読んで見ていたおいた方が良い、いつなってもおかしくない予備軍かもしれないからだ。
世界初の糖尿病小説と言っているが別に固苦しい小説ではない、平山さんだからソフトな語り口であり読みやすい小説なのだ。
私は1回だけ入院したことがあるが、病室が三人部屋で私以外の人が糖尿病患者だった。当時、二人とも年齢のいった人たちで、一人はがりがりに痩せて人で、もう一人は太った人で対照的だった。定期的に看護婦さんが血液を取りにやってきたりしていて、糖尿病は大変だなーと思ったものだ。
ある日、がりがり痩せた人に食パンを買ってきてくれるように頼まれて、自宅に風呂を浴びての帰りに食パンを買ってきてあげた。翌日、いつもの検査のあとに看護婦主任が病室に飛んで来て、がりがり痩せた人に向かって、『あなた、何か食べたでしょう!ちょっとでも口にするとわかるのよ』と大声に叫んだ。がりがり痩せた人は何も言わない。私は、これはまずいと思って寝たふりしたが、『ハ、ハーンモンガさんあなた何か頼まれてでしょう』イエイエとしたのだが、『今度から頼まれても買ってきてあげてはだめですよ』と簡単に見破れてしまった。何度か、同じことがあったそうだ。
がりがり痩せた人は、前にも食パンを食べて注意されたので今回は食パン1枚だけでガマンしたと言うのである。数値は現実を現しているのだ。
この二人の共通点は大酒飲みだったようだ。
この本を読むと遺伝とか体質とかもあるだろうが、何ごともほどほどに食べたり、飲んだりしなくてはならない気がしてきた。やっぱり、私は甘いものをよした方がいいんだろうなー。