SOKKI!-人生には役に立たない~
秦 建日子
285 ★★★☆☆
【SOKKI!-人生には役に立たない~】 秦 建日子 著 講談社
《『豚に喰われろ』と言う言葉を聞いたことがなかった》
出版社/著者からの内容紹介より
1980年代の早稲田大学を舞台に、気鋭の新星が描く、スーパー・マイナーな技術「速記」に懸けた青春。
美女に釣られて、速記研究会。
「本多くんはさそんなに役に立つことが好き?」「えっ?」「そんなに、『役に立つこと』、好き?」くっきり、はっきり。そして、悪戯っ子ぽい笑顔を浮かべて、更にこう言った。「そういうのって、『豚に喰われろ』って感じかな」<本文より>
速記、私は一度だけ見たことがある。会社の人事部にいた人が何かの会合で書いていた。何か、ミミズの這ったような奇妙な記号であった。それが速記だったのだ。
この作品は、回想するかたちで物語が進んでいく。早稲田大学に入学し、速記研究会に美女に誘われ、入部し、その女性と甲子園で活躍したが六大学で肘を壊して速記研究会に入ってくる3人の物語である。
1980年代の早稲田大学を舞台にしているから、早稲田大学、その周辺が出てきます。速記に懸けた青春小説、主人公・本多、甲子園のエースだった・黒田、美女・希美の恋愛感情が面白いです。文中に速記文字がでていて、それがどういう内容か書いてあるのでわかりますが、最後の速記の部分がその説明がないので何って書いてあるのか知りたい気分です。