恋愛写真―もうひとつの物語
市川 拓司
★★★☆☆
【恋愛寫真 もうひとつの物語】 市川拓司 著 小学館
この作品は、若い女性には泣けるんでしょうね。
エピローグの話のもっていき方がうまいです。恋愛写真という題名も最後で納得しましたが、この場面は文章が映画には勝てないかなーと思いました。大学生の恋愛・片思い?の物語です。ようやく恋が成就したのだが、彼女はいなくなった、何故……。
「初めての恋が彼女たちを大人にしたの。愛することによって成長をして、成熟する。そして束の間の青年期を終えると、その季節を知ることなく足早に去ってしまうーー」
「これは病気と言うより、ひとつの生き方なのよ。彼女たちはこうやって生きていくの。生まれて、恋とともに成長して、そして短い生を終える。蜻蛉の生き方を病気だとは言わないように。そうでしょう?彼女も彼女なりの生き方で人生を全うしたのよ」(本文抜粋)
人間の恋愛があって、死があると、どんな作品でも切なく哀しくなります。