月とアルマジロ
樋口 直哉
263 ★★★☆☆
【月とアルマジロ】 樋口 直哉 著 講談社
《現実と非現実、そのなかでさまよう、それから先が…》
出版社 / 著者からの内容紹介
ぼくはいま、何とつながろうとしているんだろう?
アルマジロという奇妙な闖入者の出現からはじまる、夢と日常の狭間の往還。
鮮烈なデビュー作『さよなら アメリカ』、さらなる飛翔、第2作目、待望の刊行!新世代作家が瑞々しい感覚で描き出す物語。
突然あらわれた大学時代の友人、彼の依頼は「アルマジロ」を預かってほしいというものだった。背中にある2本の線、<ニホン>と名づけられたアルマジロとの共同生活が始まった。携帯電話の不調、そして、ぼくとつながった女の子。ひっそりと平坦なはずの日常に混乱が訪れる……。痛烈な問題意識と圧倒的な想像力で作り上げる世界を、透明感あふれる文章で描き出した傑作長編小説。
登場するもの、主人公・男、彼女、大学時代の友人、アルマジロ、鴉、電話の彼女、それと月である。
題名になっているアルマジロとは、哺乳類、敵に出会うと、丸まってボール状になり身を守る甲羅がある。インターネットで見てみると本当に可愛い目をしている。一日に18時間も寝て過ごす。この本の最初で
<身を護り災難が過ぎるのをただ待つだけ…。>と書いてある。
あまり親しくなかった大学時代の友人からアルマジロを預かって欲しいと言われる。20日分・40万円という高額なので預かることになる。それから、不思議なことが起こってくるのだが、…。
読みやすくて、どんどんと進んでいくが、何か言いたいのかがわからない。読み手の読解力不足だけであろうが、これが純文学のせいなのか。アルマジロ、月、と言う位置と僕と言う存在感のあり方を確かめることなのかなー。