ボーイズ・ビー
桂 望実
234 ★★★★☆
【ボーイズ・ビー】 桂 望実 著 小学館
《この本を読み終わる頃には、何だかうれしくなってしまいます》
内容(「BOOK」データベースより)
川端隼人12歳、小学六年生。この夏、ママを亡くした。弟がいる。直也6歳。小学一年生。直也はまだママが「死んだ」ということがわかっていない。消防士のパパは夜勤が多い。だから、ぼくが直也の面倒を見なければならない。ぼくには泣いてる暇はない。園田栄造70歳、靴職人。魂を込めて靴を造る。そのために不要なものはすべて排除する。気安く近づいてくるやつらが大嫌いだ。用事もないのに話しかけてくんな。ガキは特に嫌いだ。わがままで、未熟なくせに姑息で、甘えてみせもする芸達者だ。じんわりと気持ちがほぐれる泣けないガキと偏屈ジジイの物語。
健気というか、思いやりがすごい、こんな少年もいるんだ。弟を思い、父親をも思い、大丈夫なのか、と読みながら思ってしまう。偏屈なジジイ・靴職人との出会いが悩みも解決に向かっていく?。
小学生・隼人12歳と靴職人・栄造70歳との交流の過程が面白い。人間と人間とが、分かりあえることが素晴らしい。少年を通して、その輪が広がっていく。
父親とやりあうとき、亡くなった母親を慕う気持ちには、グーッときてしまいました。
偏屈なジジイで口悪い・靴職人がいい味を出している。
やっぱり、最後はハッピーな気分になるのは好きです。