D‐ブリッジ・テープ
沙藤 一樹
232 ★★★☆☆
【D‐ブリッジ・テープ】 沙藤 一樹 著 角川書店 日本ホラー小説大賞短編賞受賞作
《人工都市の地中は、ゴミが覆っている》
内容(「BOOK」データベースより)
近未来の横浜ベイブリッジは数多のゴミに溢れていた。その中から発見された少年の死体と一本のカセットテープ。そこには恐るべき内容が…斬新な表現手法と尖った感性が新たな地平を拓く野心的快作。第4回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作。
ホラー小説とわかっていながら、こんなことは現実にもあるような気がする。ゴミ置き場にゴミみたいに捨てられた少年がたどり着くところには夢も希望もない。ただ食べると現実だけがある。物が溢れる現実という反面、そこには大量のゴミが発生する。そのゴミと少年との位置づけが辛いものがあるのだ。ちょっと間違えれば、今でもこんな社会になるのだろうか。いやー、凄い話である。