いじめの時間
江國 香織,角田 光代,稲葉 真弓,野中 柊,湯本 香樹実,大岡 玲,柳 美里
303 ★★★☆☆
【いじめの時間】 アンソロジー 朝日新聞社
《いじめは、悲惨…悲惨しかない》
内容(「BOOK」データベースより)
「いじめられる子」と「いじめる子」。ふたりの間に横たわるのは、暗くて深い心の闇。でもいつのまにか両者が入れ替わったり、互いの傷を舐めあっていることもある。さまざまな「いじめ」に翻弄され、心が傷つき、魂が壊れることもあるけれど、勇気を出して乗り越えていく者もいる。希望の光が射し込むこともある―すべて「いじめ」をテーマに描かれた7人の作家による入魂の短篇集。
江国 香織 「緑の猫」
大岡 玲 「亀をいじめる」
角田 光代 「空のクロール」
野中 柊 「ドロップ!」
湯本 香樹実 「リターン・マッチ」
柳 美里 「潮合い」
稲葉 真弓 「かかしの旅」 7編。
これは、「いじめ」に対する、何かの企画のための小説なのだろうか。
問題提起みたいな感じで、この本を読んで「いじめ」が解決はしないだろう。
女性作家ばかりの「いじめ」の作品だが、みんなスゴイ話しばかりだ。
何か文学的な「いじめ」の作品の感じのものが多い。
私たちの時代も「いじめ」もあったが、大人が賢くて、いつも注意されていた。「いじめられる」人が決まっていた。「かかしの旅」に出てくるような身体がおかしい人と転入して来た人などだ。でも、こういう構図は決まっていたので、先生や親たちもそういう人たちに「いじめ」などすると、エラク怒られたものだ。田舎では大概が親戚なので「いじめ」がおきづらいのだ。学校で「いじめ」にあうと、その子供のお兄ちゃんや、親戚のお姉ちゃんが助けに来てくれるので、逆にいじめた側の子供の方が、そのいじめた子供のお兄ちゃんなどに怒られてしまうのだ。そんな田舎で、そんな時代だった。