クチュクチュバーン
吉村 萬壱
26 ★★☆☆☆
【クチュクチュバーン】 吉村萬壱 著 文藝春秋
《人間の行く着く先は、クチュクチュバーンの世界なのか?》
人間の思考は、現実の見た目の感覚が何時までも残っている。文字、文章を読んで、どこまで書き手の作家の思いに近づいていけるのか、と言う思いがある。この本は、虚構の世界だろうが、どうもその世界どんなイメージかが浮かんでこないのだ。本の持つ意味みたいなものが、いま一つ理解しがたいのは、読み手の私の頭のなかだけがパニックなのか。
絶叫が木霊している。もう反吐が出るほど見てきた殺し合いの光景が、ここでも展開していた。人々は愛し合い、憎み合い、殺し合っていた。それだけの光景。
「何て退屈な眺めなんだ」
中略
「意味あんのかよ、こんな世界!」と叫んだ。 本文より