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    出口のない海  横山 秀夫

    • 2006.12.22 Friday
    • 23:29
    出口のない海
    出口のない海
    横山 秀夫
     325 ★★★☆☆
     【出口のない海】 横山 秀夫 著  講談社

     《人間は、いつの時代も出口のない海にいるのだろうか》

     出版社/著者からの内容紹介より
    甲子園の優勝投手は、なぜ、自ら「人間兵器」となることを選んだのか。
    人間魚雷「回天」海の特攻兵器。脱出装置なし。
    甲子園の優勝投手・並木浩二は大学入学後、ヒジを故障。新しい変化球の完成に復活をかけていたが、日米開戦を機に、並木の夢は時代にのみ込まれていく。死ぬための訓練。出撃。回天搭乗。しかし彼は「魔球」を諦めなかった。
    組織と個人を描く横山秀夫の原点


     戦争は、善か、悪かと聞けば、誰でも悪と答えるだろう。それでも、いつの時代にもなくなることはない。昔は、領土の拡大だったり、今は、民族的違いだったりである。イラク戦争は、泥沼状態で来年、米軍が撤退などとも言われている。そこに住む人たちどう考えているのだろうか。戦争、人間であるから避けて通れないことなのだろうか、と考えて人間なんかなんて愚かなんだろう、と思ってしまうのである。

     この本を読んでいると戦争ということが当たり前に語られていた時代である。戦争に向かうには、いろんな国際事情があるだろうが、大体どのくらい人たちが、この戦争は負けるという判断を予測していたのだろうか。資源や、資材の違いはあきらかでアメリカを視察した人たちには映っていたと言う。
     組織と個人、国と市民、やっぱり政治というのはおおきな舵取りを担うわけで、その責任は重い。簡単なワンフレーズで戦争に巻き込まれたのではたまったものでない。
     『国を、愛する人を、家族を守る』、こういう時代では、頭に叩き込まれていたことだろう。そういう気持ちで死んでいく、これで神なると信じつつ。
     この作品を読んでいて、妙に醒めた私がいる。何故だろうか、生意気すぎるが、ちょっと作り物的に感じてしまった。主人公の心の中には、もっとどろどろしたものがあったのではないか、と思うからです。

     「勝とうが負けようが、いずれ戦争は終わる。平和な時がきっとくる。その時になって回天を知ったら、みんなどう思うだろう。なんと非人間的な兵器だといきり立つか。祖国のために魚雷に乗り込んだ俺たちの心情を憐れむか。馬鹿馬鹿しいと笑うか。それはわからないが、俺は人間魚雷という兵器がこの世に存在したことを伝えたい。俺たちの死は、人間が兵器の一部になったことの動かしがたい事実として残る。それでいい。俺はそのために死ぬ」   (本文より)
     何だか、とても虚しい。

    臨場  横山秀夫

    • 2006.07.19 Wednesday
    • 00:06
    臨場
    臨場
    横山 秀夫

    168 ★★★★☆

    《横山作品の短篇集、やっぱり巧い》
    出版社/著者からの内容紹介
    ‘終身検視官’、死者の人生を救えるか--。

    辛辣な物言いで一匹狼を貫く組織の異物、倉石義男。
    その死体に食らいつくような貪欲かつ鋭利な「検視眼」ゆえに、
    彼には‘終身検視官’なる異名が与えられていた。

    誰か一人が特別な発見を連発することなどありえない事件現場で、
    倉石の異質な「眼」が見抜くものとは……。

    組織と個人、職務と情。警察小説の圧倒的世界!


    「赤い名詞」 「眼前の密室」 「鉢植えの女」 「餞」 「声」 「真夜中の調書」 「黒星」 「十七年蝉」 8編
     この作品は、一人の検視官にスポットライトを当てている。
     事件の裏に潜む人生模様を、どう暴くのか、そこに終身検視官の眼・検視眼が捉える。8編のどれもが読み応えがある。
     無駄のない文でこれほどに心打つ作品は稀である。

    看守眼  横山 秀夫

    • 2006.03.06 Monday
    • 20:48
    看守眼
    看守眼
    横山 秀夫

    53 ★★★★☆
    【看守眼】 横山秀夫 著  新潮社

    《やはり、横山さんは短編の名手だ。》


     「看守眼」 
     「自伝」
     「口癖」
     「午前五時の侵入者」
     「静かな家」
     「秘書課の男」 5編

     どれも読ませるが、「口癖」、「秘書課の男」が特に良かった。
     「口癖」は、人生の勝ち負けで勝ったと思って有頂天になったときに意外な落とし穴があるのだ。それも足元のあるのだ。

     「秘書課の男」は、勝手な思い込みをテーマにしている。自分では十分に仕えてきたつもりが、いつの間にか広い視野が狭くなっている自分がいるのだ。これは誰でも陥りやすい。案外身近にいる人に気づかないのだ。「ありがとう」の言葉が身に沁みる作品だ。

     今回の本は、警察内部のどろどろした組織の話はなく、他方面にわたっていて面白かった。やはり、横山さんは短編は巧い。

    真相  横山 秀夫

    • 2005.10.07 Friday
    • 22:07
    真相
    真相
    横山 秀夫

    195  ★★★☆☆
     【真相】 横山秀夫 著  双葉社

     ある人を見るときの印象とか感想とかは、人によってバラバラである。職場でも、上司の見方も直属では評価が良くても、他部所の上司だと評価が良くないとか。同僚でも同じことが言える。家族でも、見方が変わる。たとえばそこの一家の長男をお祖父さんは、素直な立派な孫だという、父親は、何か掴みない性格の子だという、母親は、優しい子だという、姉は、随分要領の良い子だという、妹は、厚かましくわがままだという。どれもが的を得ているのだ、物の見方も変わるが人の見方など、その人の置かれた立場によって大分変わってくるものだ。一番理解しあっているはずの息子や娘が…案外何を考えているのかわからないのかも知れないのだ。


     「真相」は、息子が殺され十年後に犯人が逮捕された。そこで明かされる真相とは、父親に取っては信じがたいものだった……。
     事件・事故が起こって、何年後に起きるさまざまなことを題材にしてある。当事者は、あの事件・事故を胸の内に引きずって生きている。それがふとしたところから、あのときの現実が表面に浮かんでくるのだ。心の襞に住み付いた事件・事故の事をいつかは精算をしなければならないのだろうか。

    顔 FACE  横山 秀夫

    • 2005.07.29 Friday
    • 18:09
    顔 FACE
    顔 FACE
    横山 秀夫


    145 ★★★☆☆
     【顔】 横山秀夫 著  徳間書店

     横山秀夫作品  持っている本一覧
     

     クライマーズ・ハイ (文藝春秋) ○
     半落ち (講談社) ○
     顔 (徳間書店) △
     動機 (文藝春秋) △
     影踏み (祥伝社) △
     深追い (実業之日本社) △
     第三の時効 (集英社) △
     真相 (双葉社) 未読


     横山作品であるから勿論警察小説であるが今回は女性が主人公だからちょっと違うようだ。暗くて陰湿な警察が相変わらず描いてあるがほんわかな気分にもなる。それは、若い女性が平野瑞穂・主人公だからだろうか。
     この本は、1年生のときの作文で始まる。『わたしのゆめはふけいさんになることです。』いろんなことが起こり、苦悩し、挫折しても警察を辞めようとしない彼女は警察の仕事に何を感じているのか。『誇り』『義務感』『女の意地』何なのか。

     平野瑞穂を通して起こる連作短編集だ。
     女性でしかわからない部分が多く取り入られていている。たとえば『香水』などもそうである。女性特有なことも他の横山作品にはない物語になっている。そしてもう一つは、「似顔絵婦警」としての話である。似顔絵の話が大変興味深い。


     余談であるが私は警察署の近くの会社にいたとき、このエピローグに出てくる光景を何回か目にした。なるほど、こんなことだったんかと思った。

     「正面玄関のほうから賑やかな音楽が聞こえてくる。県警音楽隊の奏でるマーチだ。定年退官を迎えた警察官を職員総出で見送るセレモニーが行われている。」(本文より)

    クライマーズ・ハイ  横山 秀夫

    • 2005.06.22 Wednesday
    • 12:27
    クライマーズ・ハイ
    クライマーズ・ハイ
    横山 秀夫


    119 ★★★★☆
     【クライマーズ・ハイ】 横山秀夫 著  文藝春秋

     クライマーズ・ハイと言うから単なる山登りの物語かと思った。
     地方新聞社に働く人たちの話。

     これは、面白い、個人的には【半落ち】より、こちらの方がはるかに面白い。
     【半落ち】の削ぎ落とされた文章より、文章に温かみもあるのだ。
     新聞社の話がリアルであり、スゴイ迫力があるのだ。
     横山さんが上毛新聞社に12年間在籍したせいだろう。

     新聞社の組織と個人、家族・親子の問題を日航ジャンポ機の御巣鷹山墜落を織り交ぜながら物語は進んでいく。新聞とは漠然とわかっていたつもりだが、この本を読むと新聞とは何だろうか、と問い詰めたくなる。新聞社に勤める人の新聞、読者としての新聞、新聞もどちらに立つかによって考え方、取り方が違ってくるのだ。新聞社の有り方がとてつもなくスゴイのだ。

     
     「俺は『新聞』を作りたいんだ。『新聞紙』を作るのはもう真っ平だ。忙しさに紛れて見えないだけだ。北関は死にかけてる。上の連中の玩具にされて腐りかけてるんだ。この投稿を握り潰したら、お前ら一生、『新聞紙』を作り続けることになるぞ」  (本文より)

    第三の時効  横山 秀夫

    • 2005.06.14 Tuesday
    • 12:33
    第三の時効
    第三の時効
    横山 秀夫

    115 ★★★☆☆
     【第三の時効】 横山秀夫 著  集英社

     「沈黙のアリバイ」
     「第三の時効」
     「囚人のジレンマ」
     「密室の抜け穴」
     「ペルソナの微笑」
     「モノクロームの反転」

     横山さんの刑事・警察小説を又読んでみた。
     警察署の内部の人間関係の軋轢やらが嫌になるが、やっぱり読んでいくのだ。
     警察用語を少しは覚えたかというと読んだときにはなるほどという気になっているが、読み終わると忘れているのだ。
     
     今日読んでいたら、あれーと唸ってしまった。昨日のテレビでやっていた場面が出てきた。カメラ好きの青年の暗室の排水用の穴から、自動車が見えたと言う。白色に見えたと言うが
    太陽の日差しを浴びれば黒色でも白色に見えるという筋である。その場面なのだ。

     横山さんの刑事・警察小説は、犯人との微妙なやりとりや、駆引きが面白いのかも知れない。この本も50〜60ページごとに話がまとまっているのが良い。


    影踏み  横山 秀夫

    • 2005.05.23 Monday
    • 23:11
    影踏み
    影踏み
    横山 秀夫


     ★★☆☆☆

     【影踏み】 横山秀夫 著  祥伝社

    《家族が亡くなって》

     横山さんもこんな作品も書くのか、という思いの本だった。
     
     主人公は、ノビ師《泥棒稼業》なのだ。
     これがまたスゴイのだ、スーパーマンみたい、鼠小僧みたいなのだ。
     父親が高校教頭、母親が元教師、ただ双子の弟が空き巣を重ねてしまい母親が発作的に自宅に火を放ったのだ。優秀な兄だけが生き残ったのだ。それで何故、泥棒稼業になるのかが、良くわからない。死んだ弟も主人公の耳元?に出てくるのだ。

     刑事も悪いやつが、いろんな善良の悪いやつが出てくるのだ。
     何を信じて生きていくのか?
     泥棒の手口師も一杯出てくる。

     いろいろな話が出てくるが、作者は何が言いたかったのかが見えてこない気がした?

    半落ち  横山 秀夫

    • 2005.05.08 Sunday
    • 15:32
    半落ち
    半落ち
    横山 秀夫

     ★★★★☆

     【半落ち】 横山秀夫 著  講談社

     ベストセラーになり、映画でも話題になり、本を取って読みました。
     警察、検察、新聞、弁護士、裁判官、刑務官を通して一つの事件をおって書いてあります。警察官が妻を首を締めて殺すところは、やはり泣きます。これと裁判官の妻との話も泣きますね。殺して下さい、とさんざん言われると人間どうなるのかが、自信もてなくなります。これが身内だからどうしょうもなく悲しくなります。
     私は、事件と警察や検察の軋轢とが離れている感じしましたが、これも現実なんでしょうか。

    深追い  横山 秀夫

    • 2005.05.03 Tuesday
    • 15:47
    深追い
    深追い
    横山 秀夫


     ★★★☆☆

     【深追い】 横山秀夫 著  実業之日本社

    《警察官も人間なのだ》

     「深追い」
     「又聞き」
     「引き継ぎ」
     「訳あり」
     「締め出し」
     「仕返し」
     「人ごと」 7編

     市郊外にある警察署を舞台にした7編の物語である。
     警察署、組織の中の軋轢、キャリアとノンキャリアの確執等等、警察物語。


     警察官を一番現している、こんな場面が「仕返し」にある。
     警察官が官舎に帰ってくると、奥さんと子供がマスクメロンを食べている。
     旦那が買ったのか、と聞くと息子の同級生の奥さんに頂いたのだと言う。
     旦那は、返してこいと怒鳴るのだ。本文から会話のみを抜粋すると。

     「何べん言ったらわかるんだ! 人から物をもらうなと言っただろう。今から行って返してこい」
     「あ、でも、もう慶太も私も食べちゃったから。ラベル見たら、今日が食べごろだって書いてあったから」
     「よく聞け。俺は公務員だ、警察官なんだ。世の中にはなあ、いざって時に、手心をくわえてもらおうって考えてる腹黒い連中が大勢いるんだ」
     「ううん。浅野さんはそういう人じゃないから」
     「なぜそんなことがわかる?知らないうちに利用されてたらどうするんだ」
     「でも、好意でくれるって言うのに、私、断れない」
     「だったら、警察官の女房なんてやめちまえ!」
     「ねえ、やっぱり私、警察官の奥さんに向かないかなあ?」
     「そんなことはないだろ。物をもらわなけりゃ、それでいいんだ」
     「……わかりました。これから気をつけます」
     「俺も言い過ぎた。すまん」


     昔の公務員は物などをもらわないことが徹底していたと聞きます。
     公務員は国民・市民の公僕なのですから、そういう意識が少なくなってきているようです。

       
     この本を読むと警察官も人間なんだという思いを感じます。
     

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