パイナップルの彼方
山本 文緒
【パイナップルの彼方】【ブルーもしくはブルー】 山本 文緒著
第一作、第二作である。山本 文緒作品は、どの小説を読んでも、わくわくさせて、時にドキドキ感があり、面白い。小説自身は、登場人物も特異な人でなく、ありふれた人達だから、なおさら《凄い》の一言である。
書評家の北上次郎さんでさえ、解説で、「私も書評稼業を二十年近くやっているので、並の新人では、たとえそれが傑作であっても、それほど驚かない。ところが、本書には、ホント ぶっとんでしまった。・…………」と、述べているのである。
【パイナップルの彼方】は、若い女性の主人公が、会社の女性先輩と女性後輩との間に入って悩みありの、トラブルありの話である。
【ブルーもしくはブルー】は、女性が結婚する前に好きになった人と、今、結婚している人とのチエンジしたらどうなるかという設定である。女性同志は、瓜二つである。男性が失恋して、前に好きになった人に似てる人を妻に迎えたのである。妻が入れ替わることに起こるさまざまな心の感情を描いている。
本も読みやすい文体と読みにくい文体がある。読みやすくするのも、作家の技量であるように思えてしかたない。このコラムは、読者にどんな風に感じに捉えられているのか、そんなことは五十年早いと言われそうだ。