夜の果物、金の菓子
山川 健一
07−35 ★★★☆☆
【夜の果物、金の菓子】 山川 健一 著 幻冬舎
《夜の銀座、今と言うとき、そこで見る人生模様》
内容(「BOOK」データベースより)
誠実な仕事ぶりを買われ総合商社・クロスレックスの取締役に就任した紺野昭次郎は、創業百周年パーティで、日本を代表するIT企業・エッジプラニングを率いる若き実業家・高階伸一から祝福を受けた。その会場で、高階に連れられてきた岸川結花と出会う。その夜を契機に、紺野と結花は、次第に深く愛し合うようになっていく。やがて結花は銀座の老舗クラブ“ノアール”に勤め始め、瞬く間にNo.1ホステスに上り詰める。二人を見守り続ける高階も、大きく事業を拡大させていった。密かに結花を愛し、彼女を立てた独立を誓う“ノアール”の黒服の長野浩一…。順風満帆に思われた四人の人生は、だが、企業に食い込む裏社会の存在に紺野が立ち向かおうとした時、大きくうねり始めていく―。
最初、読んでいて止めようかと思ったが、今の人間が少し反映されているか、と思い直して読み進めたが、案外ストーリーがよくて面白かった。
夜の銀座、クラブなど今行ってないが、昔上司に連れられて行ったら、そこには大物歌手がいたり、有名なスポーツ選手がいたりで、おおー!これが銀座のクラブかと驚いたものだ。テレビで見た評論家が沢山のホステスさんに送られている姿を見て、テレビで喋っている辛辣な姿と随分違うな、どっちが本当だろうか、と思ったりしたものだ。
「一流の店が一流のホステスを作るんです。どんな子でも一流の店に入れば、作法や知識や心構えといったものを自然と身につけていくものです。店の格がそうさせるからです。同じ銀座でも、三流店から一流店に移ると、女の子は3ケ月で別人になりますよ」 (本文より)
「しかし、銀座ってのは不思議な場所だよな。われわれサラリーマンなんて慎ましいもんだけど、その時々の金回りのいい男達がやってきて、さんざん金を使いまくって、なかにはやがて消えていく連中もいる。汚い金でもなんでも、銀座はブラックホールみたいに吸い込んでしまうんだからな。献金や収賄や脱税や、そんな金がみんなここで消えてしまんだ」 (本文より)
IT企業、商社、銀行が行く銀座、それと夜の銀座・ホステスで何が起こるか、最後にわかるものとは、何か…。
……。