リズム
森 絵都
239 ★★★★☆
【リズム】 森絵都 著 講談社 講談社児童文学新人賞 椋鳩十児童文学賞受賞作
この本見つけて買って、本の後ろを見たら、1991年第1冊が発行されて、2000年第8冊発行となっている。随分と読まれている作品のようだ。大人になっていく過程の中学生時代、いろんなことで悩め成長していく、そんな物語だが、読後何だか鼻歌でリズムなど取ってみたくなる本だ。
私の中学生時代、優等生の女性が宿題を忘れてきたのだ。英語の先生が理由を問いただすと、その優等生は言いにくそうに、『お姉ちゃんが見合いしたので』と答えたのである。すると、先生は、『お姉さんの見合いと英語の宿題は関係ないだろ』と言っていたのだが、その優等生にとっては英語の宿題よりもお姉さんの見合いの方が大事すぎるのだ。心の中は、相手がどんな人の中で頭が一杯なのであったろう。そのときは、私も単純に笑ってしまったのだが、今思うと、その優等生に申し訳ない気持ちなのだ。
この本は、森さんが20歳の時の作品とあとがきに書いある。
主人公・さゆきの気持ちが、生き生きとして書かれているのが印象的だ。