孤宿の人 上
宮部 みゆき
195 ★★★★☆
【孤宿の人】 宮部 みゆき 著 新人物往来社
《建前があり、本音では生きられない世界…》
出版社 / 著者からの内容紹介より
涙なくしては読めない宮部ワールドの感動巨編!
讃岐国、丸海藩――。この地に幕府の罪人・加賀殿が流されてきた。以来、加賀殿の所業をなぞるかのように毒死や怪異が頻発。そして、加賀殿幽閉屋敷に下女として住み込むことになった少女ほう。無垢な少女と、悪霊と恐れられた男の魂の触れ合いを描く渾身の長編大作。
この作品には、悪者・闇、善良者・市民、純粋純真・子供が描かれている。
善良者の扱いが難しい。幅があり、ちょっとの事でぶれるからである。
そこへいくと、子供は、純真で穢れていない。
この作品は、ほうという子供を登場させている。大人のハカリゴト・本音と
建前の世界とを見比べているような気がする。
やっぱり泣ける作品でした。
上・下巻 800ページくらいあるが、止まりなく読みたくなる。
新潟から上野までの普通電車で帰ってきたときに読んだのだが、7時間あまり
の時がやけに良い時間だった。宇佐の最後があっけない書き方には、唖然としたが、
うーん、面白かった。