十八の夏
光原 百合
★★★☆☆
【十八の夏】 光原百合 著 双葉社 第55回日本推理作家協会賞受賞作
《花がモチーフ》
「十八の夏」
「ささやかな奇跡」
「兄貴の純情」
「イノセント・デイズ」の4編。
これがミステリーかと疑う文章・文体。
各編に朝顔、金木犀、ヘリオトロープ、夾竹桃が重要な位置取りにおいていて、花をモチーフにしている。意識的におこなっている。
又、各編の主人公が男性であるが、文体がやわらかくキレイな文章である。
日常における殺意を浮かべるときは、何気ないところから生まれるか、殺意を意識しないうちに殺意が向こうから来てしまうこともあるのだ。
ミステリーでミステリーらしくない本である。
その一つに目が止まった。僕も最近読んでいたく感心した本の横に立ててあるそのポップには、「この本を買おうかどうか迷っておられる方に。どうぞ105ページを立ち読みしてください」と書かれていた。
この文章が気にいった、こういう書店にまだ遭遇してない、どこかにありそうです。