終末のフール
伊坂 幸太郎
275 ★★★☆☆
【終末のフール】 伊坂 幸太郎 著 集英社
《「終末のフール」のフールって、(fool)愚か者って意味なの?》
出版社 / 著者からの内容紹介より
あと3年で世界が終わるなら、何をしますか。
2xxx年。「8年後に小惑星が落ちてきて地球が滅亡する」と発表されて5年後。犯罪がはびこり、秩序は崩壊した混乱の中、仙台市北部の団地に住む人々は、いかにそれぞれの人生を送るのか? 傑作連作短編集。
「終末のフール」「太陽のシール」「籠城のビール」「冬眠のガール」「鋼鉄のウール」「天体のヨール」「演劇のオール」「深海のポール」 8編。
帯文より
わたしは簡単には許さないですから (「終末のフール」静江60代)
子供を生んでればって後悔しないかなあ (「太陽のシール」富士夫30代)
どうして逃げてるのかな、悪くないのに (「籠城のビール」暁子10代)
恋愛ってのは都合よくはじまることもあるんだよ (「冬眠のガール」小松崎20代)
明日死ぬとしたら、生き方が変わるんですか? (「鋼鉄のウール」苗場30代)
俺は自分で納得するために復習をした (「天体のヨール」矢部40代)
許しを乞う相手すら思い浮かばない (「演劇のオール」倫理子20代)
死ぬより怖いことはたくさんある (「深海のポール」土屋30代)
世界が終わる前の、叫びとため息。8つの物語。
「8年後に小惑星が落ちてきて地球が滅亡する」と発表されてから、5年後の設定であるが3年間でこんな風(落ち着いて)になってしまうのか、もっともっと荒廃されているのでは、と思ってしまった、街も心もだが。
伊坂さんの本を読むときに、体調がいまいちのせいかこの本も普通っぽく思えてしまうが、もっと違ったイメージを持ちすぎているせいだろうか。世の終わりだから、死の恐怖の世界だから、こんな風な書き方が案外良かったのかも知れないが。
でも、集英社のこのサイトを見ると、やはり伊坂さんの物凄さを感じてしまう。余談だが、隠しキャラをあとふたつを見つけることが出来ないでいる。
シンプルな家族の「終末のフール」、「冬眠のガール」、「鋼鉄のウール」、「演劇のオール」などが良かった。
結論として、何だろうか、「今を目一杯に生きる、前向きに!!」になってしまうのだが。
まったくの余談だが、
数年前に、テポドン?かがこの舞台になっている仙台を通り越して太平洋に落ちたことがあったので、極端だがいつも死ぬこととは直ぐ近くにもあるのだろうか。