川の深さは
福井 晴敏
92 ★★★☆☆
【川の深さは】 福井晴敏 著 講談社
《スケールが大きくても、そこには愛があるのだ》
命をかけて守るべき人が君にはいるだろうか。
「彼女を守る。それがおれの任務だ」傷だらけで、追手から逃げ延びてきた少年。彼の中に忘れていた熱いたぎりを見た元警官は、少年を匿(かくま)い、底なしの川に引き込まれてゆく。やがて浮かび上がる敵の正体。風化しかけた地下鉄テロ事件の真相が教える、この国の暗部とは。 出版界の話題を独占した必涙の処女作。「Bookデータベースより」
福井作品を何回か、読んでみたが入り口付近で挫折してしまった。今回は、かろうじて最後まで辿りついた。福井作品の処女作だ。自ら体験した警備員を主人公にしている。ハリウッド作品になりそうな物語だが、そこには底知れない情愛も描かれている。川の深さ、川の深さはと問いかけてみるのだ。