蕎麦屋の恋
姫野 カオルコ
150 ★★★☆☆
【蕎麦屋の恋】 姫野カオルコ 著 イースト・プレス
姫野カオルコ作品 持っているもの一覧
<太>変奏曲 (マガジンハウス) △
整形美女 (新潮社) 未読
特急こだま東海道線を走る (文藝春秋) 未読
「蕎麦屋の恋」
「お午後のお紅茶」
「イーハトーブの小迪」
「天国に一番近いグリーン」
「スワンの涙」
「色つきの男でいてくれよ」 6編
「蕎麦屋の恋」は、二人が電車の中で出会う物語でもある。
朝、通勤で使う電車が同じになると、乗る車両も同じになり、大体顔を合わせるのが一緒になることが多い。この本では、京浜急行の《特快》が出てくるのでかなりの時間を電車に乗っていることになる。品川⇒金沢文庫だ。でも、何かきっかけがないとなかなかコミュニーケーションなどとれない。朝の通勤の電車の中は、メールしているか、本を読んでいるか、座っている人などは寝ているかなどで会話など聞いたことが余りないように思う。
私が利用している線は、通勤時間になると3〜5分間隔に電車が入ってくることになると来た電車に飛び乗ってしまうので、同じ時間の同じ車両に乗ることがないので顔見知りにならないのである。
秋原健一・43歳製薬会社経理課長、波多野妙子・30歳調理師専門学校講師が京浜急行の電車の中で出会って、途中下車して蕎麦屋でせいろそばを食べて、ホテルに行って、ただテレビを見る話だ。この女性がテレビにこだわるのだ。蕎麦屋でもテレビのあるところにする。何故か、一人でなく二人で見たいのだ。一人暮らしを経験すると、この気持ちは非常にわかる気がした。
(一 男の章)(二 女の章)(三 男と女の章)で構成されていて、心情がわかりやすく、読んでいてすがすがしいのは何故なのかがわからない。