殺人の門
東野 圭吾
【殺人の門】 東野圭吾 著 角川書店
《あなたは何人殺したいヤツがいますか》
どうしても殺した男がいる。
その男のよって、わたしの人生はいつも狂わされてきた。
あいつを殺したい。でも、私には人を殺めることがどうして
もできない。
殺人者になるために、私に欠けているものはいったい何
なんだろう?
。。。20年間もの間、くすぶり続ける殺意。殺人者になり
きれない男は、果たして「殺人の門」をくぐることができ
るだろうか?
(本の帯分より)
442ページの2段書きの本であるがページを飛ばすこと
なく読めた。殺したいヤツは誰でもいるだろうか、この
ヤツがこの世からいなくなってくれたら、と思ったこと
はないのだろうか。だれでも、そんな気分になったこと
はあるような気がする。私にもこの男がという思いが?
裕福な歯医者だった家族が、崩壊していく。その息子に
ことごとくまとわり付いてくる同級生がいた。人生を何度
も苦渋を味わされ、それでも付き合っていく。彼はどう
して、この息子に必要以上に関わってくるのか?
心の奥底にあるくらい闇だけが知っているのか?
この息子(主人公)は、なぜ同級生を殺すことが出来
ないのか?
ことごとく主人公に関係していく女性が狡賢く描かれて
いる。主人公の寡黙より、多弁の同級生の方が女性には
関心を引くように描かれている。現実もそんな世の中が
悲しく思うのは私ひとりだけだろうか。